野外活動センターをはじめとする国公立の青少年教育施設数は、平成14年(2002)年度にピークを迎え、その後下降の一途をたどります。現在は、ついに半数近くにまで減少することに。
その理由としては、どのキャンプ場も同じ年代にできたため、同時期に老朽化してきたこと。耐震基準が変わったこともあり、改装や工事に膨大な費用がかかってしまうこと。
近年、利用者が減り、収入がないため、大きな工事ができないこと。税金を使い、維持することで精いっぱいだったのです。
昔、「キャンプ」は教育的な意味合いが強く、心と体を豊かにするために使われてきました。現在はレジャーとしての意味合いが強く、より便利で使いやすく、豪華なものが好まれています。
税金では、ニーズに合わせた改修が全くできず、そのまま維持運営しても利用者は増えませんでした。最終的に、運営が行き詰まり、つぶれてしまう。この悪循環が止まらないのが現状です。
近年、子どもたちの体験活動の場や機会の減少が指摘されています。
キャンプでは、非日常の中に身をおくことや、適切な指導を受けながら危険に近づくことで、自分で考え行動するということを身につけることができます。
日常生活の中では、「自ら考え、自ら行動し、自ら振り返り、それを次にいかす」ということを育てる場がありません。便利になったため、自分で工夫をしなくても何でもできるのです。
物騒になり、知らない人とあいさつや世間話を交わすことさえなく、知らない場所へ行くことが禁止されるなど、実体験が圧倒的に不足しています。
火を見たことがない子が、「きれいだから」と火に中に手を入れようとする。
切り身の魚しか知らない子が、魚に骨があることが理解できず食べられない。
水族館で泳ぐ魚と、食べる魚が同じとは思っていない。など
このような現状の中、どうしてもこの勝尾崎自然教育キャンプ場は潰すわけにいかないのです!!
私個人でも微力ながら応援させていただきました。
キャンプでの体験は、「生きる力」となるはずです。