海あそびが子どもたちの感性を育てる
はじめまして。
NPO法人ガイア自然学校・代表の成田 裕(なりた ゆたか)です。
「海ってめっちゃきれいやなー。汚したらあかんなー。」
キャンプ中、それまで一心不乱にカニを捕まえたり、貝がらを集めていた小学校1年生のAくんが、ふっと周りを眺めてぼそっと放った一言です。
この感性…。
これが育つだけで、世界の環境問題が解決すると思いませんか?
「自然を大切にしよう。」
「ゴミを捨ててはいけません。」
大人があの手この手で子どもたちに「環境」の大切さを伝えても、この感性が育ってなければ、本質は伝わらないと思うのです。
むしろ「海であそぶの楽しい!」って思えるだけでいいのです。
こうした「感性」を育むには、「自由にあそぶこと」が大切です。
のびのびと自分の意思で集中してあそぶことで、自分の気持ちや感覚に気がつきます。
そして「海」は、生き物、波、海風、植物、漂着物、砂…たくさんの教材であふれています。
大人がやるべきは、安全を見守ることと、子どもたちが「これすごくない!?」って持ってきた貝がらを一緒によろこぶことです。
こうした子どもたちの感性を育むために、私は石川県で「ガイア自然学校」を立ち上げ、これまで自然の中で遊ばせる学童保育や、日帰りの自然教室やキャンプなどの事業を行ってきました。
やっと見つけた「自由な海」
「コラー!そこの子どもたちー!今は海に入ってはいけませんー!」
最高にきれいな海とビーチに、ガリガリ音と共にスピーカーから怒鳴り声がひびきました。
数年前、とあるキャンプ場での出来事です。
めちゃくちゃキレイな海とビーチがあるキャンプ場なのですが、決められた時間しか海に入れません。
それもなぜか、真っ昼間の炎天下で長い時間海に入れない時間があり、監視もとても厳重。
夕日もキレイで、夕方海辺を歩くと最高なのに17時以降はビーチに入れません。
実は怒られたのは、ガイアの子どもたち。
「これ熱射病になるぞ。」と判断した私が「後で怒られにいくから」と言って「せーの」で海にドボン!
からのスピーカーでした(笑)
もちろん、すぐに海から上がったし、ちゃんと謝罪しに行きました。
このように、いざ自由にあそべる海を探してみると、なかなか見つかりません。
もちろん、子どもたちの安全を考慮してのことだと理解はしています。
だからこそ、自然学校で子どもたちの安全を守りつつ、自由にあそばせたいと考えているのですが、それでも許可してもらえない所もあります。
そんな中、石川県七尾市能登島にある「勝尾崎自然教育子どもキャンプ場」を見つけました。
海までほぼ0距離のキャンプサイト、磯あり浜あり堤防あり、直火ができる区画制じゃない、トイレとシャワーと自炊棟のみ。
最高に自由なキャンプ場です。
長らくガイア自然学校の海プログラムのメインフィールドとして活用していました。
失われかけた海と救世主
このキャンプ場は、20年ほど前までは、キャンプ好きな方々やファミリーの利用者であふれるキャンプ場でした。
しかし、地域から若い人が減り、地元の青年団による運営も難しくなりました。
運営が難しくなった上に、利用者も減ってきたため、2015年には閉鎖を余儀なくされました。
ところが、そこに救世主が現れます。
長くこのキャンプ場を利用し、愛してやまない1人の男性が立ち上がりました。
その彼の名は「井野 和鷹(いの かずたか)」さん(70)。
地元の方々の信頼を得て、この勝尾崎キャンプ場の管理人を請けおわれました。
そして、キャンプ場の利用者は倍増するほど、見事にキャンプ場は復活を遂げました。
これでこのキャンプ場も安泰か、と思われていた矢先。
2017年春、井野さんに胃ガンが見つかり、手術を受けることに。
「成田さん、相談がある。」
このキャンプ場を続けるために、協力してくれないかとのことでした。
命がけのお願いに答えない訳にはいかないと思い、この申し出を受けました。
海あそびをもっと気軽に、子どもも大人も!
命がけで紡がれてきたこのキャンプ場を、もっといろんな人に知ってもらいたい。
子どもたちや大人も含む、多くの人々に海の楽しさを感じてもらいたい。
キャンプや海あそびに慣れていない人たちにとっても気軽に海を楽しんでほしい。
そんな思いを具体的にする方法として、いろんな海あそびを提供できる
「海あそびBASE」
を作りたいと考えました。
海辺に小屋を建てて、海あそびの道具を貸し出し、海あそびインストラクターを配置します。
大人にも海を気軽に楽しめる方法として、SUP(スタンドアップパドルボード)を用意します。
SUPは、とても海に近づけて、でもどっぷり海に入らなくても済むので、海初心者には最高なツールです。能登島の内海は、穏やかな海なので、まったりSUPするには最高なんです。
また、カヌーも用意して家族でも海を楽しんでいただけるようにします。
二人乗り艇なので、親子で夫婦でカップルで、これもまったりと海を楽しむのに最高です。
船とちがって「海が近い!」ってなります。この感覚はぜひやってみて感じて欲しいです。
SUPやカヌーで海に近づいたら、次は飛び込み!
いくつか飛び込みスポットがあるので、紹介&撮影しちゃいます。
針と糸だけで釣る「ちょい釣り」は、小さいお子さまでも楽しめますし、意外と一緒になってやってるお母さんやお父さんがはまったりします。
「海あそびBASE」に行けば、海あそびがいろいろ楽しめる!
そんな場所をキャンプ場に作りたい。
そこに今回の支援金を使いたいと考えています。
● 最後に
「もいっかい!もー1回とんでくる!」
そう言って、堤防から海に飛びんでいるのは小学校2年生のBくん。
キャンプ最初の頃は、友だちもおらず、何にでも消極的でした。
しかし、2日目にはもう、この飛び込みっぷり。
飛び込みが流行り出すとみんなテンションが上がり、すごい一体感が生まれ、仲間が生まれていました。
ガイア自然学校のキャンプは、子どもたちの心に寄り添って、自由な自然あそびをサポートする大学生ボランティアリーダーが必ず子どもたちと一緒にキャンプします。
飛び込みも、無理矢理させたりしていません。
自分で「やってみたい」と言ってから初めて安全にできるようサポートしていきます。
そこに子どもたちの成長があります。
こんな自由なキャンプが続けられるのも、このキャンプ場あってのことです。
とにかくたくさんの人々に、このすばらしいキャンプ場にぜひ来ていただきたいと考えています。
きれいに完備されたキャンプ場ではありません。
自然と自由にあそべる最高のキャンプ場です。
ここであそんだ子どもたちが、またオトナが、海を本当に好きになってもらえれば、海を地球を守ることにつながると信じてます!
これまでたくさんの子どもたちや人々の思いが詰まったキャンプ場です。
ぜひご支援よろしくお願いします!
█ガイア自然学校の子どもキャンプはこちら↓
● 支援金の使いみち
・海あそびBASE(小屋)の建築
・SUP、カヌーの修繕費
・ライフジャケットの購入費
・パンフレットの作成費
● 実行スケジュール
6月中旬:プロジェクトスタート
7月初旬:海あそびBASE設営
7月中旬:パンフレット印刷・配布
8月 :体験プログラムの実施
● 現地MAP
● お問い合わせ先
NPO法人 ガイア自然学校
〒920-1165 石川県金沢市若松町セ104番地1 シェア金沢E−7
TEL 076−225−8155
メール info@gaia-ns.com
成田 裕(なりた ゆたか)
https://gaia-natureschool.com/
最新の活動報告
もっと見る【応援メッセージ】川上 慶大(てらぴこ Gリーダー12期生卒)
2019/08/13 10:05勝尾崎キャンプ場には、人の感性に働きかける不思議な魅力があります。 大学四年間ではガイア自然学校での活動を通し、勝尾崎には大変お世話になりました。元々、休日は家でゲームしているだけだった自分を、朝5時から素潜りに出かけるような超アウトドア人間に変えてくれたのが、この勝尾崎キャンプ場です。 一度勝尾崎の海に潜ってみると、様々な色や形のウミウシ、獲物がくるのをじっと待つタコ、そして自由に泳ぎ回る魚たちといった多くの生き物が私を歓迎してくれます。20年生きてきて、初めて見る景色がそこには溢れていました。 また、勝尾崎の魅力は海だけではありません。晴れた日に姿を見せる雄大な立山連峰、草むらや木々に住まう虫たち、日常では決して見られない燦然と輝く星々。行くたびに違う顔を見せてくれる素敵な場所だと確信しています。 ざっと述べただけでも、これだけの感性に働きかける豊な自然があるのが勝尾崎です。しかし、きっとこの豊かな自然だけでは私はアウトドアにのめりこむことはなかったでしょう。勝尾崎には自然による感動だけではなく、それを共有し語り合う多くの仲間がいるのです。ガイア自然学校の多くのボランティアリーダーや子供たち、近隣の住民の方々、そして管理人の井野さん。多くの自然と人々に囲まれて、私はアウトドアをそして勝尾崎を愛するようになりました。 そんな私を変えてくれた勝尾崎を守るため、そして感動を共有する仲間を広げるために、ガイア自然学校ではこのプロジェクトを進めていると感じています。愛する勝尾崎のためにも、本プロジェクトの成功を祈っています。そして願わくは、私のようなアウトドアオタクな子どもたちが増えますように! もっと見る
【応援メッセージ】小西 研吾(えーもんど Gリーダー12期生卒)
2019/08/05 20:31勝尾崎キャンプ場は日々ステキな景色であふれています。 沈没船とそのロープには貝類や海藻が定着し、それらを餌とする小魚が集まり、小魚を狙って大きな魚が沈没船の陰に隠れている。岸からわずか5メートルのところから観察できる世界。 水深のある場所で数十匹のイカが群れをなし、パタパタと耳を羽ばたかせ泳いでいる。水面から見ている自分も飛んでいるかのように錯覚してしまう。 そんな海のそばで、「あれ、すごかったな!」と笑って感動を共有できる仲間、「こんな大きな魚見たよ!」と嬉しそうに両手を広げて教えてくれる子どもたち。 僕はそんな勝尾崎に出会ってすっかり海の魅力に引き込まれてしまいました。 もっともっと思い出はあります。そしてこれからもたくさんの思い出を作りたいと思います。 ここで記したのは、勝尾崎という豊かな海があるからこそ自然と生まれる感動、学び、そして人とのつながりなのかなと思います。その1つ1つが僕の宝物です。 そんな大事なものを守るこのプロジェクトを心から応援します。 そして、一人でも多くこの勝尾崎で遊んで笑顔になれるように祈っています! もっと見る
【応援メッセージ】金澤 萌恵(きき Gリーダー12期生卒)
2019/08/04 20:38勝尾崎の自然の中で過ごすことは私にとって、とても大事な時間でした。 夜空の下で泣きながら喧嘩したこと、キラキラした海にみんなで飛びこんで嬉しくなったこと、大雨の中笑いあったこと…。 1つ1つの思い出の中には、勝尾崎の風景とともにいろんな気持ちが詰まっています。 そこにある自然と、そこにいる人で生まれる出来事は、どう切りとって、みんなとどう語ったかでいろんな思い出になり、残り続けているなぁと思います。 そして、今までもこれからもそういう思い出が、自分を豊かにしてくれるのだろうなと感じています。 勝尾崎で過ごした時間は、本当にたくさん大切なことに気づかせてくれました。 そんな、ありのままの自然と人でつくられるステキな場所をもっともっとたくさんの方に知って、味わっていただきたいです。 一人でも多くの方に、勝尾崎の魅力が届けられますように。 応援してます。 もっと見る