草刈りに参加して思ったことをちょっとした文章にしました。
2・3分程度で読み終わる文量なので、ぜひご一読ください。
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「辞書」の言葉と出会う
文 讃岐広島・小手島・手島活性協議会事務局 唐﨑翔太
所変われば言葉も変わる。島ももちろんその一つです。移住してきてからというもの、沢山の島の方言に出会いました。最初は全く理解できなかった「わや」「えらい」という言葉も今やすっかり耳になじんでおります。英語を学びたければ海外に住め!というように、島の言葉を理解するには、やはり島に住むしかないといったところでしょうか。
さて、島の言葉以外にも、島ではたくさんの言葉との出会いがあるもので・・・。最近も「雑木」という言葉に出会いました。さかのぼること残暑厳しい9月20日。島の有志7名と尾上邸の草刈りに参加したのです。草刈りという言葉もこれまた面白く、この日の草刈りには剪定されたミカンの木やチェーンソーで裁断した切株を運ぶという、思いもよらない作業も含まれておりました。
「目の前で山積みになっていく樹々を私はなんと表現できるのだろうか?」
作業中、そのようなことを考えていると、ふと脳裏に浮かんだのが「雑木」という言葉でした。今振り返ると、私の育った大阪の住宅街には「雑木」」なんてものはなかったように思います。都市計画に基づいて整備された街には、計画的に植えられた樹々があるだけです。私が「雑木」という言葉を知っていたのは、きっと辞書のおかげであって、実体験ではなかったのでしょう。
島の暮らしや生活には、都市部の人間が「言葉としては知っていても、実際には見たこともない」が多数含まれているように感じます。僭越ながら私なりに島の魅力に言及するならば、それは、辞書の言葉と実際に出会えることであるように思うのです。この意味で、島は、都会の人が忘れかけている暮らしの「生き字引」なのかもしれません。
噂の切株。見た目よりもはるかに重い・・・