2020年7月23日、野洲文化ホール(滋賀県野洲市)にて行った「ピノキオ」最終公演。
“コロナ禍”以後、はじめての開催となったむすび座主催公演(共催/野洲文化ホール )の様子を写真を交えながらレポートいたします。
新型コロナウイルスの感染拡大により、役者・公演スタッフ、そしてなによりご来場いただいたお客様の健康ため舞台公演にはさまざまな対策や配慮が必要になりました。
3月以降、むすび座の主催公演はすべて中止となり、この「ピノキオ」の公演を行うにあたり、本当に安全に公演を行うことができるか、延期や中止も視野に入れながら慎重に検討を重ねました。
「ピノキオ」は、本来であれば今年8月、韓国公演をもって終演となる予定でした。しかし、日韓関係の悪化によりやむなく公演が中止となり、その代わりに日本国内各地の皆さんに呼びかけ、依頼公演が企画されていました。
それらの依頼公演も“コロナ禍”をうけ、中止が相次ぎ、唯一むすび座と会館の共催として企画されていた今回の公演以外のすべてがキャンセルとなりました。
結果的に、この野洲での公演が10年間巡演をつづけてきた「ピノキオ」の最終公演となってしまいました。
こうした経緯もあり、実現させたいという想いが強かった今回の公演。
様々な不安のある中で、でき得る限りの万全な対策をとって公演を行うという決断をし、会館のスタッフの方々の全面的な協力をいただきながら、”感染対策”を検討し、公演が実現しました。
当日の会場の様子を、写真を交えながらご紹介します。
会館に入る前のお客様の動線を考えながら、極力ご負担を少なく、感染対策にご協力いただけるようブースを設置しました。
まず最初に検温のブースでは、非接触型の体温計で体温を測定。
体温に問題がなければ、ホールへの入場の前に手指の消毒にご協力いただきます。
当初は自由席で販売しておりましたが、座席指定に切り替え、客席内でのソーシャルディスタンスを保てるようご案内させていただきました。
雰囲気を和らげられるよう「ピノキオ」バージョンの貼り紙でご協力をお願いしています。
座席指定後、チケットの確認をします。
通常であればチケットの半券はスタッフが切らせていただいていますが、今回はお客様にお願いしました。(むすび座版、疫病退散の妖怪・アマビエの人形に見守ってもらっています)
万一にそなえ「緊急連絡先記入用紙」をお渡しし、会場内に入場される前に回収します。
関係者とご来場の方々の中で感染が確認された場合に、ご連絡する体制を整えました。
受付などでお客様に対応するスタッフは極力人数を絞り、フェイスシールド+マスク+ビニール手袋で対応しました。
客席の様子。ご家族単位で座っていただき、両隣と前後1列分、間を空けています。広い客席だったこともあり、ソーシャルディスタンスを保ちながらも子どもたちに安心して舞台を楽しんでいただくことができました。
上演中も、換気のため客席ドアは開けていました。
劇中、出演者がお客様に接触する場面などでは俳優もマスクを着用しました。
むすび座の作品では子どもたちがより深く物語の世界に入ることができるよう、舞台だけではなく客席も使っているのですが、その想いはそのままに、一部の演出を変える工夫をしました。
公演終了後の記念写真。「ピノキオ」人形たちはこれを最後に、倉庫で眠りについています。
公演が終わってからも、しばらくは安心できませんでしたが、2週間後、そして1か月以上経った現在に至るまで感染は確認されていません。
ご協力いただいた会館のみなさま、そして何より、このような状況下で会場に足を運んでいただき、さまざまな対策に快くご協力いただいたお客様のおかげだと思っております。
本当にありがとうございました!
最後に「ピノキオ」演出、むすび座代表大野のメッセージを紹介させていただきます。
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皆さん、こんにちは!大野正雄です!
10年間、全国各地・韓国でも上演させていただいた「ピノキオ」。
7月23日に無事、最終公演を終えることができました。
この状況下で上演させていただいたことに感謝しています。いろんな想いが込み上げてきて終演後、観ていただいた皆様のお声かけに涙があふれました。
全国の皆さんに発信できなかったのが本当に残念でしたが、現在挑戦中のクラウドファンディング3,000円以上のコースで、「~オーケストラの生演奏で贈る~ ピノキオ」スペシャル公演を、記録映像ではありますが動画で観ていただくことができます。
このスペシャル公演では、先日応援メッセージをいただいたラストラーダカンパニーのLONTOさんとChangさんも共演されています。
クラウドファンディング受付期間がわずかとなってまいりました。是非、ご支援をよろしくお願いいたします!
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