Earth Light Project技術チームです。私たちは、「宇宙に炎を掲げて、その炎越しの地球を撮影する」という人類史上初の試みを実現させるべく、工夫を凝らし、実験を積み重ねながら、装置を開発しています。今回の記事では、宇宙に向けて炎を打ち上げる挑戦の課題とそれを解決する技術を、わかりやすく説明します。
※紹介する装置の仕組みは現在開発中のものです。今後変更する可能性があります。
私たちがつくっているもの
希望の炎を上空30kmまで持っていくために、炎を保護するケースと、ケースを載せる機体を開発しています。機体にはカメラを搭載し、成層圏に浮かぶ炎を記録します。これほど高い高度に炎を運搬するのは前例がありません。そのため、自分たちで考えて、設計製作しています。
私たちに立ちはだかる困難
私たちが目指す上空30kmは、とても過酷な環境です。そこには、地球にない3つの困難があります。その3つの困難と、それに対して私たちが用意した解決策をご紹介します。
一つ目の困難は気圧が低いことです。上空30km地点の気圧は地上のおよそ100分の1。炎の維持に必要な酸素はほとんどありません。そこで我々は炎をケースの中に密閉し、空気ボンベから酸素を供給。さらに、独自に設計した排気機構で、密閉性を保ちながら燃焼後の空気を排出することに成功しました。
上空30kmは-40℃にもなる極寒の環境です。-40℃の世界では燃料のプロパン・ブタン混合ガスが冷えて液体になり、燃料配管に詰まってしまいます。我々は機体の外装に断熱材を使用し、ガスの配管に保温装置を取り付けて燃料のガスが液化する事を防止しました。
風の強さも大きな課題です。上空では常に強風が吹いており、機体は不規則に大きく揺れます。揺れによって炎が消えたり、機体自体が壊れたりしてはいけません。大きな揺れにも耐えられるよう、炎の保護ケースや骨組みは金属を使用し、衝撃が1箇所に集中しないように部品形状や接合の仕方を工夫し、揺れてもバランスを取り戻せるように骨組みを配置するなどの工夫を施しました。
これら①から③の困難を乗り越えて作り上げた機体を、宇宙へ飛ばします。
プロジェクトの実現にむけて
私たち技術チームは、様々な課題に対していろいろな工夫を考えることで克服しています。共生の願いを込めた炎を宇宙に掲げるという目標に向かって、これからも全力で開発を行います。
ここまで読んでくださった方は、是非クラウドファンディングへのご協力をお願いします。