2020/08/19 14:56

総勢130人を超えるEarth Light Project。


メンバーインタビュー企画「130のストーリー」では、メンバーそれぞれの宇宙への情熱やプロジェクトにかける熱い想いをお届けします。


今回は、旧技術チームの中心メンバーだった樋口健さんにインタビューをしました。ELPを技術で支えてきた彼は、いったいどんな景色を見てきたのでしょうか。


ーELPで活動する前は何をしていましたか。

小さい頃から自然科学やものづくりが好きだったので、もともとは環境問題を工学の分野で解決する分野を学びたいと思っていました。しかし、浪人時代に恩師にお世話になった経験から、人の未来をより良くすることに憧れて、教育分野に進みたいと思うようになりました。現在は、千葉大学教育学部で技術科の中学校教員養成課程の4年生をしています。また、NPO法人企業教育研究会では理事を務めており、企業・学生・教育現場を繋ぐ授業づくりをしています。ものづくりの現場に関わりたいという思いが強くなり、卒業後は製造業界の企業に就職予定です。


ーそんな樋口さんがELPに参加したきっかけは?

ELP代表の都築さんに誘われたのは大学3年生のときです。もともとスターウォーズやインターステラーなどのSF映画が大好きだったので、僕にとってELPはロマンがありました。舞台が宇宙であるのはもちろんのこと、史上初の試みであること、熱い思いを込めた挑戦であることに惹かれました。自分が大学で勉強してきた技術の専門性と、企業教育研究会で培った伝える力を使って、自分にも出来ることがあると思ったのでプロジェクトに参加することにしました。


最初はたったの二人

ーELPでは何をやってきましたか。

2019年7月に技術チームに参加してから、2つの燃焼機試作品を制作しました。その過程で主に「低圧・低温・衝撃への耐性」を確かめてきました。最初は僕と旧技術責任者の服部さんの二人三脚だったのですが、思いを共有することで徐々にメンバーが増えました。最終的には機械全体の試作品を完成させ、日本大学の大型真空実験施設で上空の環境を再現した高度な実験をすることができました。沢山の人の協力と知恵が集まってここまでプロジェクトを大きくすることが出来たなと感じています


どんな試みや失敗も世界初

ーやりがいはなんですか。

世界中で誰もやったことがない、最前線を進んでいる」ということです。スペースバルーンで炎を打ち上げるというのは前例がなく、どんな試みや失敗も世界初です。実は今日も実験中に問題が生じ頭を抱えていましたが、失敗を重ねながらも解決することができました(笑)。そんな「誰も見たことのない壁に直面する瞬間」と「その壁を乗り越える瞬間」がやりがいです。


ーこのプロジェクトでの自分の強みは何だと思いますか。

ELPはいろんな分野の人が協力して成り立っていて、技術があるだけではここまで来れていません。僕はこれまで、ものづくりとサービス作りの2つを経験しているので、分野間の橋渡しをすることが出来ます。その強みを生かしたのは、クラファンやWEBのページでわかりやすく技術の説明を書いた時です。課題だらけの中、試行錯誤をしていく現場の様子をリアルに伝えたいですが、コアなことを紹介しても一部の人にしか興味を持ってもらえません。課題の本質をとらえながら、誰でもわかるように工夫して伝えました。


ーELPで伝えたいことは何ですか。

前例がなく、経験が足りない中で「諦めないでやりきる」とここまで頑張ってきました。このプロジェクトを知った次の世代が、目の前の困難なことに対して「頑張れば出来るんじゃないか?」と思えるように勇気づけられたら良いなと思います。宇宙に浮かび上がる炎というのは、そんなメッセージを子供たちにダイレクトに届けられるのではないでしょうか。