2020/08/18 13:49

こんにちは!白峰ボーディングスクール実行委員会の福田です。

「白峰ボーディングスクールを支える人びと」をご覧いただきありがとうございます! また、日々たくさんのご支援感謝申し上げます!

さて、白峰ボーディングスクールの立ち上げに向けて、白峰地域の声や連携先の大学の教職員や学生の声、企業の方々の声を随時お届けする活動報告。第4弾は、72年間ずっと白峰地域に住み続け、白峰の発展に寄与してこられている、白峰地域区長の小田 吉一(こた よしかず)さんです!


--小田さんが区長になられてどれくらい経つのでしょうか?また区長の役割についても教えてください。

白峰の区長を務めて今年で9年目かな。いまは3期目です。


区長という言葉は、みなさん聞き慣れないかと思いますが……。区長とは、白峰地域を代表する立場。簡単に言うと、白峰の長といった感じですかね。地域内からいろいろな苦情や問題を聞き出しながら、一致団結できるようにバランスを取る。これが一番の仕事です。来年からは、白山麓にある5地域の代表も務めないといけないので、さらに大変ですよ。


--区長として、具体的にどのような取り組みをされてこられたのでしょうか?

外部との連携によって、よそ者目線をうまく取り込み、白峰地域の魅力をさらに高めながら、さまざまな取り組みを行っています。大切にしているのは、「これからは地域内だけで取り組んでいく時代ではない」という考え方ですかね。

見ての通り、白峰地域はどんどん少子高齢化が進んでいて、人口も減っていっています。これは、ずいぶん昔から予想していた話。そして、白峰地域の基幹産業である観光事業も、スキー場が閉鎖するなど、徐々に衰退しつつある……。このコロナ禍を含めると、いま動かなければお先真っ暗という感じですよ。

わしらは、以前からこういう時代を少し見据えながら、外部の方々の繋がりを大事にしており、いろいろな取り組みを進めてきたんです。

県内外の大学との連携を強化していき、若い人たちを呼び込んでみたり……。また、地域全体の一体感を出していくために、重要伝統的建造物群保存地区への申請に取り組んでみたりなど……。いろいろと挑戦しながら、着々と前へ進んでいます。

その結果として、今まで白峰にゆかりのなかった若者が、白峰に移住してきてくれるようになりました。また、今では金沢大学、金沢工業大学、東京大学と、3つの大学のサテライト拠点も存在しています。そのおかげで、学生や留学生、教職員が頻繁に白峰に出入りしてくれているんです。

そういう方たちとの新たな交流によって、白峰地域にもさらなる活気があふれ、地域全体が元気になっていきます。難しい研究のことはわかりませんが、学生や留学生、先生方の表情を見ていても、いろいろと楽しんでくれていると思います。


--では、今抱えている地域の最大の課題とはなんでしょう?

ズバリ、空き家問題ですね。

重要伝統的建造物群保存地区に指定いただいていることもあるので、街並みなどの景観は大事に守っていかないといけません。だからこそ、空き家や100年以上存在している古民家を、簡単に解体することはできないんです。せっかくある景観が崩れてしまいますし、地域が衰退している様子がダイレクトに伝わってしまうんですよね。結果として、地域の元気もなくなってしまうんです。

区長という立場とは関係なく、実はいま8軒の空き家を所有しています(笑)

普段は建築業をやっていて、地域内の仕事も多いんですけど……。お金のことだけを考えるのであれば、空き家などは解体してもらった方が断然儲かるんですよね……。でも、それでは地域がどんどんダメになってしまう。空き家を壊すのことがしのびがたい……という気持ちもあるし。

そういった訳もあって、今は個人的に空き家を買い取らせていただき、所有させてもらっている状況です。周りからみたら「アホなことやっとるわい……」と思われていると思いますが(笑)

でも、今後も白峰地域の空き家事情は継続して把握し、管理していかなければならない。私は建築業者であって、不動産屋じゃないんですけどね……。いつの間にか、区長という立場なのか、なんなのかわからないけど、とにかくなんとかしないといけないと日々焦っています。でも、わしもそろそろ限界やな(笑)


--白峰ボーディングスクールに期待するところはどういったことでしょうか?

地域を丸ごと学校にするということで、空き家は先生の居室や実験室になると聞いています。空き家をどうにかしていきたいので、空き家の利活用を積極的に考えてほしい、といっったところですかね。

そして、外部の方との連携がより一層強くなり、多くの方が白峰に訪れるようになってほしいとも思っています。わしらは、みなさんを温かく受け入れる準備はいつでもできていますよ。

それから、もっと新しい仕事を作っていく雰囲気がでると良いなと思っています。今の状況のまま、口を開けて待っているだけでは仕事が降ってくるわけではないので……。聞くところによると、いろいろな企業さんも入ってきているみたいですね! 白峰地域からもいろいろな仕事をクリエイトしないといけないと思っています。

わしらは難しいことはわからないから、とにかく面白そうなことをやって、みんなと楽しくやっていきたいです!


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小田区長ありがとうございました!

「過疎化が加速することをいち早くとらえ、外部を巻き込みながら共に地域全体を活性化させていこう」という、ある種の戦略がずっと取られてきていた。お話を伺いながらそう感じました。

しかし、おひとりで8軒もの空き家を所有するって……。そうとう大変なことだと思います。72年間という長い歳月をずっと。これまでも、そしてこれからも白峰を愛し続けている区長だからこそできることなのだと思いました。皆さんもぜひ一緒に、空き家8軒の利活用を考えていきませんか?


今回のクラウドファンディングでは、限界集落である白峰地域を、自然豊かな学びの最端都市に変えていくための支援を、皆様からご支援いただいております。行かずにはいられないような、面白い地域に必ずしてみせます。

どうかみなさんのお力をお貸しください。そして白山地域に訪れていただけたら幸いです。