私が朝鮮学校に始めて訪れたのは1999年でした。
京都の朝鮮学校にはもちろん、クーラーはなく、扇風機を回しながら、酷暑の夏を、なんとか乗り切ろうとしていた姿が今でも目に焼き付いています。
それから20年。滋賀朝鮮初級学校、京都朝鮮第二初級学校にはいまだクーラーが設置されていなかったことに改めてショックを受けました。年々、異常気象といわれる日が続き、夏の暑さは、命の危険をもたらすほどになっています。
高校・幼保無償化除外という国からの制度的差別を受けるだけでなく、自治体の十分な支援も想定できない中で、70年以上に及ぶ、朝鮮人自身による民族教育を絶やさない試みが、学校をなんとか守り発展させてきました。
しかし、日常では、校舎の雨漏りやバスの老朽化、窓ガラスの補修やペンキの塗り替え、校庭の整備、上下水道の管理など、365日稼働している朝鮮学校の〈日常〉は大変なものがあります。
クラウドファンディングという新たな市民運動の形態を活用して、多くの方々に朝鮮学校の日常―はかり知れない魅力と運営の困難の双方―を知って頂き、ぜひ、この支援運動にご協力頂きたいです。
いま、日本学校はもちろん、ブラジル人学校や中華学校など、多様な「外国人学校」との交流も強まってきています。共生社会のシンボルとしての朝鮮学校の〈日常〉を皆で支えていきたいと思います。
静岡大学准教授 山本崇記