2020/12/10 21:00

「彼岸の二人」完成へ向けての本クラウドファンディング
皆様のご支援心より感謝申し上げます

本作プロデューサーの福本です

プロデュースサイドより今回の映画についての話をお伝えさせていただこうと思います

本作の成り立ちには重要な二つの要素がありました
一つは
「地獄太夫」
もう一つは
「児童養護施設」
です

両方ともとても大事なテーマなのですが、クラウドファンディングの終了を間近に迎え、「児童養護施設」 についてお伝えしたと思います。

2014年のクリスマスに堺のとある児童養護施設のクリスマス会に堺・泉州ご当地アイドルのCulumiをゲストで呼んでいただきました。

それまでもCulumi以外でも様々な施設に慰問などで行かせていただきました。
養護老人ホーム、幼稚園、被災地、少年院などなど。。

児童養護施設に行くのは初めてだったので正直どんなところか全く分からず、どちらかというと少年院などのような「ちょっと世間から違った子供たちがいる施設」というような偏見すら持っていたかも知れません

なので打ち合わせでは、言ってはいけない事や、やってはいけない事など色々と確認をしました(少年院の慰問などでは注意点も多かったので)

しかし特にいけない事などはなく、ただ一点
「家の話、家族の話はしないでください」
と。

そして当日どんな様子になるのかとドキドキしながらライブを始めると。。。
そこにはキラキラした目でライブを楽しむ子供たちで溢れていました。

みんな一緒にクリスマスソングを歌ったり、当時はやってた妖怪体操なんかも一緒に踊ったり。

クリスマスパーティーが終わってからも児童みんなで会場の片づけをしながら手が空いたらメンバーの所に話に来たり握手しに来たり。

施設では一般家庭より娯楽が少ないからか、このような機会は本当に喜んでくれるし、また同じように物が少ないから鉛筆一本も最後の最後まで大事に使うそうです

本当に慎ましく、純粋に生きている子供たちを見て、偏見をもっていた自分を恥ずかしく思い、同時に「家庭の事を話さないでください」という言葉の重みがのしかかってきました

「帰る場所がある」「無条件で受け入れてくれる家族がいる」という事。
それはまるで大地のように揺るがない安定した場所があるのと同じ事で、多くの人には当たり前すぎて気付かないけど、ここで暮らす子供たちは崩れそうな、もしくは崩れている土台の上で生活をしている。

それでも今ある物や楽しみを大事に純粋に生きている子たちに逆に元気をもらった気分でした

その後ご縁もなく数年が経ちましたが、一昨年の暮あたりからニュースでもよく取り上げられていた東京の一等地での児童相談所建設への地元住人の反対運動を見て気になり調べてみると、昨今「治安が悪くなる」などの偏見で“NIMBY(NotIn My Back Yard)と呼ばれる、保育所、児童相談所、障碍者施設、外国人労働者の研修施設などの施設建設をめぐる反対運動が多く発生していることを知り偏見の強さにショックを受けました

そこで映画の題材として決まっていた「地獄太夫」に「児童養護施設」、その元にある「児童虐待」をテーマにして作品にしようとなったのが本作の原点です。

当初はもっとチープなストーリーだったのですが、北口監督の手腕によって、この問題の本質を深く射抜いた作品にまとめ上げられています

社会にインパクトを与え、見た人の心に何かを残す作品になることは間違いありません

完成に向けてのさらなる支援をよろしくお願い致します。