1.はじめに
ごあいさつ
はじめまして。多くのクラウドファンディングページの中から、ご覧いただきましてありがとうございます。私たちは、映画制作を通じて子どもたちの未来を応援する「Future Cinema Project」です。この度、愛知県大府市を舞台にした長編映画『スイッチバック』を制作しました。
スタッフ一同、撮影、編集に全精力を注ぎ込み、いよいよ「おおぶ映画祭2020」でお披露目と意気込んでいた矢先。瞬く間に大流行した新型コロナウイルス感染症。シアター上映、国内外の映画祭出品へという私たちの計画は、すべて白紙状態になりました。
それでも、人々の心に映画という文化が求められるならば、『スイッチバック』は日本中、世界中の観客に求められる作品であろう、そんな想いで上映へ向けて支援を募ることに決めました。
「Future Cinema Project」とは
「Future Cinema Project」は、大府市で学習支援事業を運営するNPO法人アスクネットの山田将人の呼びかけで、市内外のクリエイターが集結したソーシャルプロジェクトです。
・子どもたちを取り巻く環境や社会問題を、映画を切り口に真摯に見つめ、世界に向けて問題提起する。
・子どもたちに、考えるきっかけや未来の選択肢を示す。
・成長していく子どもたちとともに、このプロジェクトもまた、常に成長し進化し続ける。
このような課題を掲げて活動しています。
NPO法人アスクネット
https://asknet.org/
Future Cinema Project
https://www.futurecinemaproject.jp/
2020年8月、市長訪問でさらに進むプロジェクト
大府市制50周年記念事業でもある映画『スイッチバック』の完成報告と、今後の上映に向けた意気込みをお伝えするために、先日岡村市長を訪問してきました。
市長の前でも堂々と想いを語る主演の中学生2人に頼もしさを感じつつ、おおぶ映画祭での上映、さらには全国上映を目指す意気込みをお伝えしてきました。市長からも応援していただき、プロジェクトはさらに次のステージへの挑戦が続きます。
プロデューサー辻から「映画『スイッチバック』の意味」
この映画は、大府市制50周年記念事業として作られています。しかし、当事者たちは「まちえいが」として捉えてはいません。この映画は、「子どもたちの未来を考える」、「大人たちの道標はどこまで必要か」、という論点に注目して作られています。しかし、私はそれだけではないと考えています。
この映画は、これからのアートと地方創生、教育に対しての新しい挑戦だと捉えています。これまでは、プラスαとして捉えられてきたアート。教育現場の中でもその割合や選択肢は決して多いとは言えず、芸術系への進学、就職はいまだに「不安定なこと」として捉えられえています。
その結果、「安全・安心」「確実性」のみが正しいとされる社会。失敗が許されない社会。一度のミスで人格まで否定される社会。人と違うことをしてはいけない社会。なんだか、生きづらいと感じている人は多いのではないでしょうか。「仕方がない」で諦めている、受け容れていることは果たして健全でしょうか。
こういう世の中だからこそ、アートをはじめ、表現という行為には大きな可能性があると考えています。それを子どもの時から経験していく。それが地域の産物にもなっていく。教育機関だけでは補えない領域を、表現者たちと一緒に担っていく。そんな可能性をこの映画は秘めていると考えています。というより、その可能性を開花させるためのプロジェクトです。
アートとクリエイターと地域と子どもの連携は、地域の未来、子どもたちの選択肢、アートの根付き、クリエイターの需要喚起、注目を生み出します。結果、地域活性ということにつながるのだと思います。
これは私が言い続けていることですが、地域の未来、活性は、今10代、20代の若者にかかっています。彼らがワクワクする未来を彼ら自身にデザインしてもらうことが必要で、そのきっかけとしてこういう映画制作やアートの役割が大きいと考えています。映画『スイッチバック』は、そのプロトタイプとして全国の中でも先駆けて成功する必要があるのです。どうか、先見性を感じていただき、一緒にワクワクできる未来の素地を作っていただけますことを切に願っています。
プロデューサー 辻卓馬
2.なぜこのプロジェクトをやるのか
多様性がありのままに成立する、その姿を見てほしい。
世界的に多様性が叫ばれる一方、アメリカの黒人死亡事件など人種差別も浮き彫りになっています。日本でも、外国人労働者が社会を支え、大府のまちにも多くの外国人が居住しています。
この映画のメインキャストは、外国にルーツを持つアルハム、チエミと、日本人家庭の紗花、英一郎。実生活とリンクさせながら、ある時は自分たちの住む集合住宅をロケ地に、またある時は学ラン姿でカメラの前に。クラスメイトと当たり前のように共に過ごし、無垢に、かろやかに、多様性を超えて刺激し合う子どもたち。そうして個々が内包する問題に向き合っていく姿は、すがすがしい驚きと共に、多様性が成立する希望の光にも見えます。
中学生に、スイッチバックは必要か?
この映画のコアにあるのは「大人たちが、子どもの為にと善意で動いた結果、子どもたちの可能性や選択肢を無意識的に狭めているのではないか」という現代社会への課題提起。過保護で過干渉な大人たちが用意する、もっとも合理的で最善の「正解」。果たして、そこに最短距離で導くことが正しいのでしょうか。
この映画のタイトル「スイッチバック」とは、列車が急勾配を登る際に、斜面を切り返しながら少しずつ登る手法のことです。私たちは、このスイッチバックを“生き方の多様性”になぞらえました。
「最短距離で失敗せずにたどり着く道だけが正解ではない」。
そんな想いは、制作側の大人たち自身がスイッチバックを繰り返しながら今の自分を築き上げてきたからに他なりません。今を生きる中学生たちが、どんな未来を選び取るのか。多くの方に観ていただきたい気づきの物語です。
まちの現在、過去をたどって、見える未来。
この映画の舞台、愛知県大府市は、名古屋市に隣接する人口9万人の都市。自動車産業を支える工業都市の一面と、医療、福祉施設等も充実した健康都市としての一面を併せ持ちながら、程よい自然と住宅街が混在した、2018年に住みよさランキング全国6位にもなったまちです。
今回、大府市制50周年記念事業のバックアップを受けて制作されたのが映画『スイッチバック』。大府のまちなみ、大府の自然。そして映画のカギとなる“かつて大府にあった飛行場”。子どもたちは、大府の現在、過去に触れながら、まちを見つめ未来を描き始めます。
それはつまり、今までにない「まちえいが」の形。
まちの魅力を伝えるだけの単なる「まちえいが」にとどまらず、全国に、世界に、「考える」「目を向ける」課題を投げかけ続けます。
フィクションでもあり、ドキュメンタリーでもある。
【あらすじ】
外国にルーツをもつアルハムとチエミ。日本人家庭の紗花と英一郎。東京から来たソーシャルブランディングプランナー岸谷が主宰する映像ワークショップに参加した彼らは、次第に自分たち自身が「何をしたいのか」を考え、動き始める…。
様々な考えをもつ大人たちに翻弄されつつ、知らなかった街の歴史に触れ、変わりゆく街の景色をさまよいながら、近くて遠い隣人をより深く理解しようとするその一歩を描く。
この映画は、実際にプロデューサー(辻)、監督(岩田)が市外からやってきて、子どもたちを映画に関わらせながら、彼らに表現の場を与える行為そのものが描かれています。そういった意味でも「フィクション」でもあり「ドキュメンタリー」でもあるのです。そして、このような映画のつくられ方が、観る側にとって自分ごとに置き換え、共感を生み出すのです。
【監督・脚本】
岩田隼之介
1988年愛知県生まれ。
映画制作を中心にMV、PV、など幅広い分野でディレクションを行う。 また、障がい福祉関係のNPOにてアート講師、専門学校にて非常勤講師など教育関係にも携わる。長編映画「エピローグが待ち遠しい!」(2014)が伏見ミリオン座にて上映、他、短編多数。2018年3月に愛知県大府市で開催された「大府ショートフィルムフェスティバル」にて 開催会場である愛三文化会館を舞台にした短編「おかえり、梅子」を上映。2019年1月の第二回では大府市が主催する歌舞伎教室のドキュメンタリー「動いたように思う」、大府市内の高校の演劇部の面々を主演に迎えた「見て見ぬふり」を監督。
< Works >
CRUNCH "Blue" (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=BzVdHqP1LDU
deadbundy "Doors" (Official Music Video)
https://www.youtube.com/watch?v=Wjpsty8SkUA
映画『エピローグが待ち遠しい!』(予告編)
https://www.youtube.com/watch?v=m7-bbMET77I
【プロデューサー】
辻 卓馬
1980年愛知県生まれ。
2005年まで名古屋大学大学院国際開発研究科にて、フィリピンの貧困問題と解決策を研究し、修了後、名古屋の映像制作会社に就職。プロデューサー、ディレクター、シナリオライターとして、企業プロモーションを中心に年間50本以上の映像制作に携わる。
2016年9月に株式会社フォーカルノートを設立。他にも名古屋芸術大学にて映像制作の非常勤講師を務めた。
2016年には、鎌倉の監督とタッグを組み、脚本、助監督、制作で携わったインディペンデント映画「BAKEMONO」が、ヨーロッパ、北アメリカで5つの映画祭、13部門で受賞。2019年8月にはマドリッド国際映画祭で「撮影賞」を受賞した。
2017年からプロデューサーを務めたインディペンデント映画「ヒノイリの風」が、2019年3月までに8つの映画祭にノミネート。2月のロンドン国際映画祭にて、「外国語短編部門最優秀作品賞」を、5月にはニースで行われたニース国際映画祭にて「審査員賞」、「主演男優賞」を受賞した。
2019年1月には愛知県大府市にて、「大府ショートフィルムフェスティバル」のプロデューサーとして、映画を上映する側にも回り、国内の映画監督、関係者との連携を強化。さらには、愛知県と島根県で2本の映画の制作を企画、上記受賞作品の監督とも長編映画の制作を開始した。
3.プロジェクトの始まりとゴール
始まりは大府市の学習支援
始まりは、大府市の中学生学習支援事業を運営するNPO法人アスクネットの担当者である私、山田将人からでした。最初の目的は、子どもたちに映像制作を通して「本気の大人」と出会わせること。その道の「プロフェッショナル」と手を組んで、子どもたちも本気になることで、どこまで届くのか。そんな想いがスタートでした。
公募で参加した子どもたちは、大府市の普通の中学生。学習支援教室に通う生徒たちや、コーディネーターに背中を押されて説明会にやってきた中学生たちです。演技経験などもちろんありませんでした。
彼らと制作を進めていくと、子どもたちはどんどん変容していきました。始めは渡された台本をほとんど受け身で言われるがままだった子どもたち。いつしか自分なりの解釈や提案、さらにはカメラが回っていない裏での役割や他者への気づかいなど、演じる仕事だけではなくなっていました。そして、そんな彼らとともに、彼らに関わる大人たちもどんどん変容していきました。
最初は本当に少しだけ勇気を出して挑戦した子どもたち。彼らにとって「自分たちの表現が一つの作品になる」ことによる自己実現や自信につながり、彼らの未来の選択肢が一つでも増えることにつながれば、この映画はまずはひとつのゴールを迎えます。
これがもし、いろいろな地域で挑戦する子どもたちが増えれば、いろいろな地域で子どもたちを応援する大人たちが増えれば、その先にある未来はどうなるでしょうか。
私たちはこの映画をきっかけにして、いろいろな地域で未来を考えるきっかけ作りをしたいと考えています。映画を通してそういった「人づくり」をすることが、その先「地域づくり」になると考えるからです。そして、地域の子どもたちが将来、地域の主役となってまちづくりを進めていくのです。
4.資金の使い道
この映画「スイッチバック」は、大府市制50周年記念事業として大府市や後援施設様からも助成金等をいただきながら、そして地域の法人、個人様からもご協賛していただき制作しました。
今回は、完成後の展開(国内外映画祭への出品、大府市や他地域での上映、その後の配給等)の実現に向けて本プロジェクトを立ち上げました。
頂いた資金につきましては、映画祭や上映会、配給等にかかる費用に使用するほか、全国や海外での上映が実現した際には、出演した中学生の渡航費として使用させていただきます。
5.リターンについて
■3,000円コース
・オリジナルクリアファイル
■5,000円コース
・オリジナルクリアファイル
・オリジナルパンフレット
■10,000円コース
・オリジナルクリアファイル
・オリジナルパンフレット
・パンフレット、本編エンドロールにお名前記載
・完成版Blu-rayまたはDVD(本編のみ)
■20,000円コース
・オリジナルクリアファイル
・オリジナルパンフレット
・パンフレット、本編エンドロールにお名前記載
・完成版Blu-rayまたはDVD(本編+オリジナルスピンオフ短編映画)
■30,000円コース
・オリジナルクリアファイル
・オリジナルパンフレット
・パンフレット、本編エンドロールにお名前記載
・完成版Blu-rayまたは DVD(本編+オリジナルスピンオフ短編映画)
・おおぶ映画祭以後のプレミア上映会にご招待(時期は要相談)
■50,000円コース
・オリジナルクリアファイル
・オリジナルパンフレット
・パンフレット、本編エンドロールにお名前記載
・完成版Blu-rayまたは DVD(本編+オリジナルスピンオフ短編映画)
・おおぶ映画祭以後のプレミア上映会にご招待(時期は要相談)
・非営利での上映権
6.実施スケジュール
■8月中旬 クラウドファンディング開始
■9月20日(日) おおぶ映画祭2020にて「スイッチバック」プレミア上映
■10月18日(日) クラウドファンディング終了
■随時 メールにて上映会および劇場公開の予定をご案内(不定期)
■2021年3月頃 返礼品のご送付
7.最後に
出演者からのメッセージ
廣瀬菜都美さん
「近道なんていらない。」「やってみたい。」「自分で決めたい。」という、純粋な気持ちを、彼らを見ていると、ずっと忘れたくない。と、強く思いました。
探りながら、迷いながらでしたが、それでも、やってきたことを信じて、私は間違ってない。と、岸谷と自分を重ねて演じました。
映画も彼らもそして私も、本当に成長していると実感できた作品です。
市川智也さん
子どもたちと同じ目線で自然体。僕がこの「スイッチバック」で意識したことです。子どもたちはキラキラした目で、とても純朴で、そして撮影中にいろいろなことを経験して少年少女から大人にどんどん成長していきました。容姿だけでなく内面も変わっていく子どもたちの姿を親のような気持ちで見守っていました。行動を起こすことで世界を切り開いていく子どもたち!大府から世界に届け!!
入江崇史さん
非常に難しい役どころを仰せつかりました。深い山林の中にある静かな池に石を投げ入れ、波紋を見届けずに立ち去るみたいな…そんな不思議な依頼を受けた男の役どころです。実際、クランクインしてからだいぶ時間が経っていて、地元の中学生キャスト達の中にある種の空気ができ上がっている現場へ一人東京から参加しました。到着当初は挨拶はおろか、目も合わせず、まるで私がそこに存在しないかのように振る舞っていた彼らと、たった一日の間に信頼関係を築き、ある種のきっかけとなるアイテムを足元に置いてクランクアップしなくてはならないという役回りです。しかも説明過多にならず、考え方を押し付ける訳でも無く、存在そのものを提示して変化を促すというシンプル且つ明確で深遠な取り組みが必要な役でした。どんな化学変化が起きたのか、私自身も作品の仕上がりをとても楽しみにしています。
Future Cinema Project 代表 山田将人
制作の間の約半年間、子どもたちの変容が僕の原動力でした。映像制作とは無縁の教育NPOの世界で生きてきた僕にとって、現場のそういった彼らの小さな変化を見ることが楽しみで仕方ありませんでした。そして何より、映画を通して出会う人たちとのつながりや、応援してくださる人たちの声は本当に力になりました。プロジェクトに関わる人たちが増え、プロジェクトそのものがどんどん成長していく。今は彼らと作ったこの作品を多くの人に見ていただき、子どもたちの、そしてプロジェクトそのものの変容を感じていただきたいと思っています。そして、それをきっかけにまた新たな人づくり、まちづくりができれば、それ以上の幸せはありません。ここまで読んでいただいた皆さま、どうか少しでもご支援をよろしくお願いいたします。
大府市制50周年記念事業 長編映画「スイッチバック」
制作:Future Cinema Project
出演:廣瀬菜都美、市川智也、入江崇史、大府市の中学生 他
監督・脚本:岩田隼之介
プロデューサー:辻卓馬
コーディネーター:北井康弘、山田将人
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。
目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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