「そもそも鋳物師の濫ジョウは天竺にをいてフ氏と言人器物に水の凍るを察て始て土を以て形とし金銅を湯と成し之造、而してこのかた天竺震旦日域三国の用器となる也。」
これは当社が所蔵する、鋳物師の由来が書かれた「旧記」のはじめの一節です。
鋳物師の由来を語るのに神話から始まる必要があるのか…?と思いますが、この後数ページはこの神話物語が続きます。
鋳物師は、古の時代に、朝鮮半島から技術者として渡来した人々が祖先であると言われています。
紆余曲折を経て一部は大阪府南部に定住するようになりますが、その中から、朝廷の命により、鋳物師職の繁栄と鋳造技術の流布を目的に全国各地に散らばることになります。
その子孫が五位堂鋳物の源流として活動することになると古文書には記されています。
1000年を超える歴史の流れの一端を知ることはとてもロマンを感じます。
現代のようにすべてのことが詳らかでなく、神秘のベールに包まれた事柄も多くあります。しかし、それも含めて神話、伝承、古文書、文献をつなぎ合わせ、一つの物語を想像することができるのも歴史のいいところではないかと思いました。
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全国そして奈良に息づく鋳物師の歴史は最古の工業人の歴史と言っても過言ではありません。有名な武士や大名もいいですが、脚光を浴びることのない鋳物師という歴史に、少しでも興味を持っていただけましたらぜひこの機会にご支援賜れば幸いです。