どうしてヘルスキャンプを続けているの?
ネパールは貧しい国で、多くの人びとは病院や医師にかかることができません。
現在のネパールでは、大都市には病院もできてきましたが、地方の村や町には医者がいないところがまだまだ多くあります。
病院で治療を受けるためにネパール人にとっては、高額の治療費と薬代がかかり、地方の人が医者へ行くと、移動のために1日がかりで、しかもその治療費と薬代だけでも、かなりのお金が必要となります。
多産と乳幼児死亡率の高さ、それに栄養や衛生などの生活環境の悪さから病気にかかる人は多く、それに輪をかけて医療制度の不備により、病気は慢性化してしまうのです。
東洋医学(鍼灸・あんま)には、高額な薬や高価な治療器具は必要ありません。
わたしたちのヘルスキャンプは、無医村地域の人びとに、副作用なく無料の治療をすることができます。
[ ヘルスキャンプの受付を行うイスワル氏 ]
ネパールでのヘルスキャンプは、どのくらい続いているの?
ネパールで、鍼灸あんまは、24年前に専門学校が設立されたばかりです。
昨年まで長年続けられたヘルスキャンプは、AMAヘルスキャンプ(無料巡回治療)と呼ばれていました。
A = Acupuncture(鍼)
M = Moxibustion(灸)
A = Anma & Acupress(あんま、指圧)
という東洋医学の三大治療法の頭文字を取った名前であり、また、AMAは、ネパール語で「お母さん」という意味があります。
カトマンドゥを中心にポカラ・チトワン等の地方の村々をまわりました。
ヘルスキャンプボランティア・ローカルボランティアには必要に応じてトレーニングやオリエン
テーションを実施し、常に技術向上を目指したトレーニングを行っています。
[ ボランティアにお灸技術向上のトレーニングを行う ]
日本の人にメッセージはありますか?
ネパールで鍼灸が一般的に普及しているとは、まだまだ言えませんが、鍼灸は効果があるので、これから更に広まって行くでしょう。
わたしは、このヘルスキャンプは、鍼灸師の次の世代へと綿々と続けられると考えています。
また、この効果のある鍼灸を次世代に伝えていきたいと思っています。
今年のヘルスキャンプは、7名のネパール人鍼灸師と1名のお手伝い、医療系の学生ボランティアが參加する予定です。
日本とネパールの友情が、ネパールの人びとに伝わるように、またネパールに更に鍼灸を普及させることを目的として、日本人とネパール人鍼灸師のボランティア団体を”N.J (Nepal Japan) Acupuncture Association”と名付けました。
8月のヘルスキャンプ開催まで、準備に忙しい毎日となりますが、カトマンズ空港でみなさまのお越しをお待ちしております。
[ ネパール鍼灸師一同で、お見送り ]
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イスワル・ラズ・バラミ(Ishwar Raj Balami)
ネパール・ヘルスキャンプ主催団体:N.J Acupuncture Association代表
日本語が達者。
1993年2月ネパール赤十字とよもぎの会が共同で「東洋医学専門学校及び付属診療所(OTTC)」を設立。OTTCの一期生で、ネパールの鍼灸あんま師のリーダー的存在。
卒業後、OTTC卒業生として、よもぎの会と共に、AMAヘルスキャンプ(無料巡回治療)の活動し続けるするも、残念ながら、支援者と支援金の減少により昨年で終了する。
私たち、IVAA(国際ボランティア鍼灸師協会)は、「この活動を終わらせてはいけない」という想いからイスワル氏を始めとするネパールの鍼灸師ボランティア団体と協会(N.J Acupuncture Association)を作りました。
そしてお互いに協力しあい、今年もヘルスキャンプを開催する運びとなりました。
私たちIVAAにはできることがあります。
どうぞ私たちにあなたの力をお貸しください。