2015年、僕はこの1日限りの美術館として三陸館を立ち上げる企画に参加していました。
イベントの後、当時ほとんど元気をなくしていた孝一さんが、また絵を描き始めるという嬉しい事件がありました。その結果、三陸館は1日ではなく2020年まで毎週続きました。
みきこさんや孝一さん、一緒に活動した町の人や外の若者たちが「何かアクション起こせば必ず変わることがある」と実感しました。
今回はみきこさんを筆頭に、またひとつ挑戦が始まりました!
主催者のみきこさんのすごいところは、とにかくアイデアがどんどん出てくること。
お金とか歳とか出来ない理由よりも、先にやりたいことを表現して夢をふくらましていく。
持ち合わせた条件に関係なく、挑戦しようと踏み出したみきこさんの姿が僕たちにとっての大きな勇気になっています。
そして、三陸館という場所は、絵が飾られているということ以上に色んな価値のある場所だと思っています。
「40歳の事故がきっかけで漁師をやめて世界中を飛び回りながら絵をかきつづけた…」と、あの絵を中心に孝一さんの人生のストーリーが語られる。
その人生の結晶である絵には魂が宿っていて、私たちは誰かの魂がこもったものに触れることで、「自分はどうなのか?」を考え始める。
三陸館はそういう意味でも、“自分を見つめなおし新しい夢がはじまる場所”であり続けられるといいなと思います。
広田町在住 NPO法人SET職員 石渡博之