<2016年 熊本 西原村にて>
この募金活動を始めた時、クラウドファンディングに詳しい友人から、「1口1万円とか2万円にしてお願いしなければ、目標額の達成は難しい」と言われました。
にもかかわらず、私は1口1000円にこだわりました。できるだけ多くの人に、被災地のことを考えてもらいたいし、支援の輪の中に入っていただきたい、と思ったからです。
災害の時代にあっては、みんなが被災者になりかねないし、みんなが支援者にならないといけない、と思ったからです。寄付の文化、支援の文化を育むうえでは、受援者に隙間をつくってもいけないが、支援者に隙間をつくってもいけない、と思ったからです。
阪神淡路大震災の時、1日1万人以上の高校生や大学生が被災地の神戸に歩いて支援に駆けつけてくれました。若者の笑顔が、被災者に勇気と希望を与えてくれました。ところが若者の暮らしが年々厳しくなり、災害ボランティアに参加する余裕がなくなっています。
しかし、災害時の被災地支援では若者の力が欠かせないし、未来の社会に向けても若者の力が欠かせません。阪神淡路の時のように、若者と一緒に力を合わせたいと考えて、1000円でも高額なのですが、少しでも敷居を低くしようとしました。「志は高く、敷居は低く」です。
とはいえ、私たちの進め方が間違っているのだと思いますが、このクラウドファンディイングの声が、若者に届きません。現在までの20歳代の支援者は3名です。「生活の苦しい若者」が3名も、支援してくれたことを喜ぶべきなのですが、私の気持ちは複雑です。
そこでお願いです。身近にいる若者に声をかけてくれませんか!
輪を広げることが、被災地の学生を激励することになるし、苦しんでいる被災者を助けることになるし、未来の社会を築くことにつながるからです。