熊本学生ボランティアを支援してい頂いている全国の皆様
いつも,ありがとうございます.
熊本大学熊本創生推進機構准教授の田中尚人です.
昨日8月30日(日),Gakuvo(日本財団学生ボランティアセンター)さんとボランティア協力協定を結んでいることから,熊本大学の学生14名,引率2名)が,旧多良木高校と,芦北ボランティアセンターさんの2班に分かれて,ボランティア活動を行いました.
ご存知の通り,令和2年7月豪雨災害に関する熊本大学の学生ボランティア活動は,本学の学生相談室を通して3つの窓口を通して行われています.
①工学部公認サークルの「熊助組(くますけぐみ)」
②教育学部の教育ボランティア
そして,昨日,私が引率したのは,
③熊本創生推進機構(安部美和先生を中心に運営)が,これまで培った地域連携のネットワークを活かして,マッチングしている学生ボランティア
となります.いずれの学生さんも,新型コロナウイルス感染症対策として,
・感染症講習を含む事前講習の受講
・PCR検査
・活動前後の体温測定など含む健康状態の報告
を行ったうえで,現場に入ります.
私は,土木史,景観論,都市地域計画を専門とする大学教員であり,防災・減災については,学びながら対応している状況で,正直よく分かっている,という者ではありません.それでも,熊本地震からの復興に際し,自分なりにできることもあるだろうと考え,実践してきました.しかし,熊本地震から5年が過ぎ,記憶の継承が難しくなってきており,新型コロナウイルス感染症などの影響もあって,今回の7月豪雨災害に対しては,いろいろと忸怩たる思いで向き合っています.
今回,「学生を引率」して,球磨村の「遠隔地避難所として」運営されている旧多良木高校の避難所にてボランティア活動を行ってきましたので,ご報告いたします.
私が引率してうかがった旧多良木高校は,平成29年3月に閉校したばかりの県立高校で,熊本大学からバスで,2時間程度の距離にある熊本県球磨郡多良木町にあります.球磨村からは,車で1時間程度を要し,道路網を寸断されていた当初は,高速を使って迂回して,村と避難所を行き来していたので,2時間半ほどかかったと聞いています.
球磨村の遠隔地避難所ということで,旧多良木高校の避難所は,球磨村から委託を受けた熊本YMCAさんが,一般社団法人ピースボト災害支援センター(PBV)さんと協力して,運営されていました.今回のボランティアも,益城町の避難所運営でも協力させて頂いていた関係で,ボランティアの受け入れをして頂きました.
7:30に大学を出発し現着が9:30過ぎ,10:00-12:00,13:00-14:45の作業時間で,学生7名と職員さん1名がボランティア活動を行いました.15時に現地発,帰学は17:30でした.
【活動内容】
・新型コロナウイルス感染症対応の一時避難所(次の災害に備えての)設営検討
・支援物資の運搬,整理
・食堂の清掃
活動には,YMCA,PBV,球磨村職員さんらが,同行して下さり,暑さが厳しい中,熱中症対策にもご配慮いただき,学生たちも,大汗をかきつつも,時折笑顔も見せ,元気にボランティア活動を完遂できました.
学生の半数ぐらいは初ボランティア,初人吉盆地という,学部も学年も違うメンバーでしたが,昼休みにはそれぞれコロナ禍で置かれた状況や,これからの進路,取り組みたい夢などについて話していました.
コロナ禍での遠隔地避難所運営という難しさについて,運営スタッフの方々にも,少し話を聞かせて頂きました.感染症対策などは,通常の避難所運営でもなされている,とのことで,特に問題は感じませんでした.うかがった話で,たいへんそうだな,と感じたのが,
・炊き出しなど,温かい食事を提供することが難しい
・県外ボランティア,応援スタッフを受け入れることが難しい
という二点でした.
発災から二ヶ月後,8/30現在92世帯167名の方々が避難されている,とのことでしたが,同時期にうかがった熊本地震の際の避難所よりも,静かな印象を受けました.暑さも厳しいので,仕方がないのかもしれません.
以上,散漫な報告となってしまいましたが,引き続き,ご支援頂きますよう,よろしく,お願い申し上げます.
田中尚人拝