熊本学園大学高林秀明先生からのご報告です。恐れていたことが、広範囲に起きようとしています。支援の輪をもっと広げなければなりません。熊本で何が起きているかを、みんなに伝えてください。
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熊本豪雨から2ヶ月半が過ぎ、被災者の健康状態の悪化が心配です。家屋被害が9千軒以上、そのうち5千軒以上が床上浸水。避難所が約5百世帯の1千人、在宅避難や親戚宅避難、ホテル避難などが約4千5百世帯の1万人以上とみられます(行政もどこも把握していないので、被災地での実感です)。
現地でのボランティア活動を通して感じることは次の点です。
1)避難所生活が80日となり、心身の疲労とストレスは耐えがたい状態です。体重減少、菓子パンや揚げ物の多い弁当による栄養の偏り、足腰が弱る、認知機能の低下などがあります。
2)在宅避難者も、風呂やキッチンが使えず、家電製品の購入は追いつかず(置く場所もない)、カセットコンロで調理するなど、通常とは程遠い生活です。胃腸の調子が悪いなどの声を聞きます。高齢者は2階があっても足が不自由なため1階のカビの多い部屋で生活するケースもあります。若い方でもカビの影響のためか咳が出るようになった世帯もあります。
3)建設型仮設住宅とみなし仮設に入居した方々は、安心感がある一方で、自宅から離れた地域での新たな環境に不安を感じています。話し相手がいない、買い物や通院が困難などの声があります。
4)子どもや高齢者の心身の不調が心配されますが、家族の世話をしている30代から50代の働き盛りの人たちも心身の疲労はピークです。働いている人たちは、発災からしばらく仕事を休んだので、もう休めない、職場に迷惑をかけられない、と無理をしています。仕事、家族の世話、住宅再建等の諸々の手続きに奔走する中で、健康への影響がとても心配です。
私たちができることは何かを具体的に考え、地域住民・ボランティアと協力し合い、行政職員や社協職員等とも連携していきます。(写真は仮設住宅で野菜スープを配りながらのおしゃべり)