『自分で決める薬を飲む飲まないキャンペーン』のクラウドファンド募集期間は来週月曜日10月30日までです。残り1週間も切ったのでぜひよろしくお願いします。ここ数日たくさんの支援がありました。ありがとうございます。
さて、「自分で決める」にあたって薬の副作用との付き合い方という問題が絡みます。副作用がつらくても、それを超えるメリットがあるならば薬を飲むという選択は合理的でしょう。ですが、なんでもかんでも我慢すればいいものではない――という話を私のケースで紹介しましょう。
背景を書き出すと非常に長いので、ごくかいつまんで説明すれば、ある治療中に「副作用のない新薬ができた。非常にいいからこれに切り替える」と医師から言われ、処方される薬が変わりました。
本当に出たばかりの新薬で、突然薬局での支払い金額が跳ね上がった驚きも覚えています。医者が進める高価で副作用のない新薬。夢のような条件が揃った薬に見えませんか?
…服用の結果はなんと失業でした。治療には全く役に立ちませんでした。
飲み始めてから、すさまじいまでの不調に襲われ、とてつもない疲労感と気持ち悪さ、吐き気、強烈な眠気が常時でました。少し歩くだけで息がきれ、駅から会社までの10分もかからない距離を何度も休みながら歩くような状態。これだけで異常極まりないですが、ここまで極端に不調が出ると判断力も恐ろしく落ちてしまい異常さに気づけません。
通勤電車の中は、立っているだけで苦しい上にすさまじい眠気に襲われる。睡魔と気持ち悪さが断続的に続く地獄のような時間でした。
朝がまったく起きられず、夜は外食どころか何かを買う気力すら起きず、食事が1日1回になりました。1か月のうちに10kg以上体重が落ちました。当時の写真は我ながら気持ち悪くげっそりしています。
そんな状態でもどうにか出勤はつづけましたが、終わりはある日突然やってきました。
例によって朝は全く寝た気がしないすさまじく強烈な眠気。どうにか立ち上がって着替えるはずが、立ち上がった瞬間に座り込んでしまう。それ以上、身体が動かない。「あ、これはもう無理だ」と直感し欠勤。そのまま欠勤が続き休職に突入。復職するつもりでしたが、早々に会社から執拗な退職勧奨(と脅し)があり、失業に至りました。
治すために飲んでいるのに、薬のせいで状態がひどくなり仕事を失う。副作用の苦しさを周囲の人は気軽に我慢しろというかもしれませんが、これは我慢するものではありません。この記事を書くために当時の状況を思い出すだけで、吐き気がこみ上げるくらいですから、相当な苦しさです。
なんでもかんでも我慢すればいとは言えません。まして周りが強制するものでもありません。もちろん、本人がデメリットも理解したうえで、自主的に服用を選択するなら話は別です。
薬を飲んで得るメリットもデメリットも背負うのは本人なのです。周囲がサポートをすることはあっても、勝手に人の選択を奪ったり決めることはできません。