目次
1.ご挨拶とわたしのこと
2.彼らナイジェリアの染めアーティストの作品群
3.このプロジェクトで実現したいこと
4.リターン
5.資金の使い道とスケジュール
6.最後に
1.ご挨拶とわたしのこと
こんにちは、はじめまして。井上多枝子(いのうえたえこ)と申します。
私はこの度、ナイジェリア北西部地域に住むヨルバ族の、染めのアーティストたちの制作支援として、今回のプロジェクトを立ち上げました。
私はこれまで、日本で障害のある人の制作の支援や社会化(展覧会、グッズの制作など)を仕事とし、全国各地の障害のある人たちに会ってきました。それは私の仕事であると同時に、ライフワークともなっています。
その傍ら二度にわたり長期海外旅行に出ています。旅行先で出会う様々な人たちの生活に触れる度、自分の日本での生活と違うことだらけで驚きでした。初めての長期旅行でネパールの山の中、道に迷っていたところを助けてもらい、泊めてもらったおうちは忘れることができません。電気も水道もない世界。各部屋には窓があり、そこから入る陽の光で一日が始まります。家の中の掃除は掃き掃除ではなく全て拭き掃除。なぜかというと家は土で出来ており、さっと拭くとホコリや細かなゴミと家の土が混じり一体化するからと言われました。段のない家の中、土の緩やかなカーブが美しく、キッチンのエリアにはお母さんが描いた絵が描かれていました。
展覧会を制作している自分の仕事の、最大の妥協点を見せられた気がしました。それは、展覧会場では実現できない、「現場で知る」ことの重要性でした。
2.彼らナイジェリアの染めアーティストの作品群
初めてひとりで海外旅行に出てから8年後。「危険だから」とアフリカ人たちにも行くのを止められた、西アフリカのナイジェリアへ足を踏み入れました。様々な部族の文化、歴史、民俗美術品は私の胸を高鳴らせました。その中でも、南西部に住むヨルバ族の人たちの伝統工芸である、藍染を基本とした「ろうけつ染め」は、日本で見るそれとはデザインが全く違っていて驚きました。彼らヨルバ族はもともと森に住んでいた部族で、精霊を石などで作っては森の中に点在させ、生活していた神秘的な人々です。染めのモチーフとなる太陽や月などの自然物、動物、爬虫類、魚類などはそのひとつひとつに意味をもちます。そういった伝統的な民族の教えに敬意を払いながら、それを取り込み新たなデザインを生み出している、若いアーティストたちに出会いました。
ナイジェリアは西アフリカの中ではGDPも高く、西洋文化も強く根付いていますが都市部を離れると服装はTシャツにGパンではなく、奇抜なデザインの布を全身に羽織っていたり、染めた布で上下お揃いの服を作って着ています。カラフルな大きな布は彼らを強い日差しから守り、また彼ら自身の熱い内面を表現しているように見え、そりゃあとても!カッコイイものでした。
3.このプロジェクトで実現したいこと
私は二度、ナイジェリアを訪れ、彼らと話し、彼らの制作工程を見せてもらったり他の民俗工芸を見せてもらったりしているうちに、彼らの仕事が少ない状況を感じていました。現地の人からはおしゃれに見えてしまう中国製の安価な服を着る人が増えている現状があります。
そんな中、5月に、ナイジェリアの染めアーティストの友人からお知らせが届きました。それは、アラブ諸国であるオマーンという国で、様々な国々から美術工芸が集まるアートフェスティバルを開催するから、ヨルバ族の染めた布を持ってきてくれないか、と言われた、と。ですが、オマーン国内での滞在費は主催者側が出すけども、多くの作家を海外から呼ぶため渡航費は出せないというものでした。ここ数年、ナイジェリア通貨は大幅に下落の一途をたどっており、ドルやユーロが高値となりすぎ彼らからは手が出ない値段になっているため、飛行機のチケットは非常に高価となってしまっています。
▼Salalah tourism festival
https://muscat.grand.hyatt.com/en/hotel/activities/area-activities/salalah-tourism-festival.html/
私はここで諦めるのではなく、今回のことをチャンスと捉えました。彼らの染める恐ろしくカッコいいこの布たちを、このモノクロ化してゆく日本に送り届け、それで集まる資金をオマーンでのフェスティバルの渡航費とすれば、彼らの海外進出につながります。いわば日本とオマーン、二国への進出となるのです。
私は常常、日本がモノクロ化していると感じています。街中には白か黒かシルバーの車しか見かけず、女性の服は歳をとるごとにダークな色になってゆき、実は誰にでも似合うのに男性はカラフルさを衣服に取り込もうとしない。私たちが気にしているほんの小さな「人との違い」を、海外にはいとも簡単に楽しんでいる人たちがいます。彼らの布に触れ、それを生活の中で使うことによって、そんなささいなこだわりから脱却し、色を、形を楽しむ人が増えることを私は確信しています。
4.リターン
ご支援いただいた全ての方に、彼らからのお礼のメッセージをヨルバ語で届けます ※もちろん日本語訳をお付けします。
また、ヨルバ族含めこのあたりの部族は、外海から来た招かれたお客にその部族の名前をプレゼントすることがあります。ご支援いただいた方のお名前とその漢字の意味を彼らに伝え、彼らから皆様に、ヨルバネームをプレゼントします。
また染布は、大きく分けて3つの種類の染布とします。送料を込めると非常に高くなるため、今年の私の三度目の渡航時に持ち帰ってきます。渡航日は年末と決まっているため、皆様にお渡しするのは来年2018年の1月~2月となってしまうこと、大変申し訳ありませんがご容赦ください。
すべてのリターンの染布は藍染か、それとも藍ではないカラフルな色にするかを選んでいただきます。藍染は現地で育てている藍染の元となる木の葉から染めるのでオーガニック。カラフルな色は染料を使っています。
また、柄は持ち帰ってきたものの中から、ご支援いただいた順番に選んでいただきます。※Tシャツのみ、同じサイズの方の申し込みがなかった場合はお選びいただくことができません。
※下記写真は参考写真であり、同じ形、デザインのものとなるわけではありません。
▼手ぬぐい
日本から手ぬぐい用の布を現地へ持ってゆき、現地で染めて持ち帰ってきます。
▼Tシャツ
現地ではクオリティの低いTシャツしか手に入らないため、同じく日本から白いTシャツを現地へ持ってゆき、染めて持ち帰ってきます。リターン購入時にサイズを指定してもらえます。
▼布(横 約5ヤード/約4メートル50センチ : 縦 約1メートル20センチ)
トップバナーにも使っている大きな布です。トップバナーや下記の写真の倍の流さが5ヤード(約4メートル50センチ)となります。
こちらは現地で布を仕入れて染めるか、既に染めてあるものを持って帰ってきます。布は綿もしくは麻で、化学繊維等が入っていることはありません(入っていたら綺麗に染まらないからです)。
▼布(横 約10ヤード/約9メートル10センチ : 縦 約1メートル20センチ)
トップバナーにも使っている布の約4倍の長さのものです。素材について、上記同様です。
これだけ大きいとインテリアに使うにも、一箇所のみならず様々な工夫が楽しめます。
5.資金の使い道とスケジュール
▼資金の使い道
・染めアーティストのオマーンへの渡航費用
〈目標金額以上に集まった場合〉
・20万円...渡航費を引いた金額は、染めへの対価として彼らへ支払う
・30万円...オマーンフェスティバルへ同行し、フェスのレポートを作成
▼スケジュール
8月...染めアーティストがオマーンでのフェスに参加
12月~1月...私がナイジェリアへ渡航し、皆様の染めを彼らに依頼
1月~2月...ご支援いただいた皆様にその順番に連絡し、持ち帰ってきたものの中から選んでいただき、発送
6.最後に
手仕事で食べていけない状況...それは彼らだけではなく、どこでも同じかもしれません。
日本では手間ひま作って作られた手作りの品は高価ですが、各発展途上国ではまだその逆の状況で、小銭を稼ぐために日々せっせと小物を作るお母さんや子どもたちの姿を何度も何度も目にしてきました。それらは驚く程安価でしたが、ひとつひとつの柄が違い、作る楽しみを失わずにいる人たちばかりでした。
ものを購入する消費者が、買うということはその人を「支援する」ことだと気づいたら、世の中の経済は大きく変動するでしょう。昨日自分がどこで何を買ったか思い出してみてください。買ったそのお店や、それを作った人たちのことを、支援したいと思って買ったでしょうか?...きっとそのほとんどが、お店やそれを作った人のことなど知らぬまま購入していると思います。
ものを買うことは自分にも、相手にも行う支援行動です。手仕事で作られたものを買う人がもっと増えたら、みんなが同じものを持つ世界ではなく、みんなが別のものを持って使う世界へとなってゆきます。みんな違ってそれでいい。それが当たり前になり、それを楽しめる世界に住みたい。そんなことへの第一歩となりますように。
スペシャルサンクス
岡本麻里、田矢奈津記、柳村光
写真:田付龍吉
最新の活動報告
もっと見るオマーン:海外アートフェスティバル報告
2017/08/18 17:461.私にとって、初めてのオマーン 皆様のおかげで、この度オマーンでのアートフェスティバルに、ナイジェリアの染め作家ふたりがオマーンへ渡航でき、参加することができました。相当迷ったのですが、フェスティバル主催者が、今後日本を含むほかの国でも同じようなフェスを開催する企画をしていると聞き、その内容を知るため、また現地の状況を見るため自費を出して私もオマーンへ行ってきました! 私はこれまで40カ国以上旅をしてきましたが、国に入るときにこんなふうに自分の名前が書かれたカードを持って待っていただいたことは無かったな...、嬉しくて写真を一枚撮らせていただきました。この男性はフェスティバル主催会社の社員さんです。 2.オマーン第二の都市、サラーラへ ナイジェリアからは私より先にひとり、写真手前にいるダミーが到着していて、奥のイェミィと私は同じ日に到着。ふたりは招待作家なのでホテルの料理は食べ放題。ただし、ナイジェリアは相当に辛い料理の国なので、二人とも辛さには満足していない様子でした、とほほ。 ホテルもレストランも綺麗で、そこは二人ともとても嬉しそうでした。到着してすぐに、二人から服をプレゼントされました(右の私が着ている緑色のトップスがそれです)。 実はこの主催者が企画するフェスティバルに、イェミィは3年前に参加したことがあります。このレストランで、3年前に一緒だったほかの国のアーティストたちと再会!彼は何度もいろんな人たちとハグをし、挨拶していました。その度に私は自分の名刺を差し出すも、ナイジェリアの二人は名刺など持ってきていなくて...。「あなたは彼らのマネージャー?」とほかのアーティストたちに聞かれ、答え方が難しかったですが、私もアーティストたちの仲間にすぐに入れてもらえました。 台湾、カンボジア、ウズベキスタン、イスラエル、セルビア、ナイジェリア、ガーナ。各国の個性豊かなアーティストたち。オマーンの、黒い布を被って顔を見せない女性たちや全身白い服の男性たちに混じって、彼らはより一層の個性を醸し出していました。 3.アートフェスティバルへの参加 持ってきた染布を展示して一枚パシャリ。 各国のブース 驚くことに、フェスティバルはなんと18時頃から始まるとのこと。オマーンは驚く程に暑く、人々は涼しくなる夕方から遊びます。平日は夕方まで仕事をし、18時頃に家族と共にこのフェスティバルへやってくる人たちが多く、それは夜の11時をまわっても人がたくさんいる状況でした。 私たちは夕方4時頃ホテルを出発し、会場へ行ってブースの準備をし、持ってきているそれぞれの作品や工芸品を売るといったスタイルで、基本的にその金額も自由にアーティストが決めることができ、また売上もその100%をアーティストが手に入れられるといった形でした。 前回のフェスティバルに参加したことのあるイェミィは、前回は首都のマスカットでのフェスティバルだったので今回のサラーラでは初めての参加、とのこと。私は彼らと4日間しか一緒にいれませんでしたが、売れ行きはなかなかに厳しいものでした...。イェミィが言うには、マスカットでは多くのヨーロッパ人たちが旅行に来ていて結構な高値で買ってくれたようでしたが、ここサラーラでは現地に住んでいるオマーン人しかほとんどおらず、彼らは宗教的に決まった服装をしているので、ナイジェリアから持ってきたTシャツやスカートなどの服がほとんど売れないといった状況だったのです。 ですが、彼らは大判の布も持ってきており、それはテーブルカバーやシーツなどのつもりで持ってきていたのですが、オマーンのようなムスリムの国の人たちは、食事の際テーブル等を使わず、床に大判の布を敷いて家族全員でまあるく座って食べるので、その時の布として興味を持つ主婦らしき女性がよく見に来て質問していました。また、子どもは服装がある程度自由なので、子どもが気に入った染めTシャツを、「買って~!」とお母さんにねだる様子もありました。 4.オマーンの人々 ムスリムの方々が大勢住んでいる国で言うと、これまでインド、パキスタン、ウズベキスタン、イラン、モロッコ、マリ、ブルキナファソ、エジプトに渡航したことがありますが、その中でもオマーンは街の建物ひとつとってみてもかなり統制されているように見えました。建物はほぼ全て白が基本で、女性は全員黒い布をまとい、男性はムスリムの帽子を被り白い服を着ています。 少しフェスイティバル全体も散歩しましたが、私たち以外には外国人を見かけませんでした。オマーンの方々もいろんなお店を出していて、香水と思われる小さな瓶に入った液体が山積みでした。 ちなみにオマーンの通貨はオマーンリヤル。物価は安くはなく、ホテルなどは日本と変わらない金額です。 5.最後に 今回のフェスティバルに参加したことで、現地ではなかなか売れなかったりとうまくいかないこともあり、やはりそんなうまい話は簡単にはやってこないと思わされましたが、あまり売れ行きが良くない日でも、ナイジェリアから来たふたりはマイペースに店番をし、お客が来ると熱心にナイジェリアの風土や文化、布の染め方などについて説明し、現地のアラビア語を彼らから教えてもらい、日に日にそれを使いこなしていました。 海外から招待作家として呼ばれているのに、国の事情や渡航費が出せないから参加できないという状況を手助けしたいと思い初めたクラウドファンディングでしたが、このオマーンでのフェスティバルだけが、今回の収穫ではなかったと振り返っています。このクラウドファンディングで、多くの方々に彼らの染めたものを写真で見てもらい、また欲しいと言ってくれる人が予想以上に集まりました。現時点で36人の方々に購入していただき、17万7000円が集まっていますが、実は直接購入してくださる方もいて、それを合わせると27万8000円が集まっています。彼らの今回の渡航費を差し引いたら半分位が残るので、それを来年初めに皆様にお渡しする布の報償費として彼らに渡しますが、今回の主催者が来年の1月にオマーンの首都マスカットで、またアートフェスティバルを開催するのでよかったら来て欲しいと言われました。行くかどうかは彼らの判断に任せますが、この残った金額を、その渡航費にも当てられます。(クラウドファンディングが終了し来年に皆様へ布をお送りする際に、集まった金額の使用用途、内訳を報告させていただきます)。 年末、私はナイジェリアへ行き、彼らに皆様の布を染めてもらってきます。今回皆様に買っていただいた布を、お渡しする時がとても楽しみです。また、今回のクラウドファンディングで、彼らの布の魅力を感じるのが私だけではないと知り、これからの日本での展開を私が考えることもできると確信しています。何か形にできることになれば、皆様に必ずお知らせさせていただきます。 購入していただいた皆様には、心からの感謝の気持ちしかありません。 今日でちょうどこのクラウドファンディングもあと一週間。最期の告知をしていきます。 皆様、最後までどうぞよろしくお願い致します。 井上多枝子 この旅のスケジュール 7/10 ダミーがナイジェリアからオマーンへ渡航 // 7/12 ダミーがひとりでブースを作り、販売 // 7/22 私が日本からオマーンへ渡航 // 7/24 イェミィと私がオマーン第二の都市サラーラへ到着 // 7/25 三人でブースを展示し直し、フェスティバルに参加 // 7/28 私がサラーラから日本へ帰国 // 8/5 先に来ていたダミーがナイジェリアへ帰国 // 8/10 イェミィがナイジェリアへ帰国 もっと見る
success致しました!!まだまだ頑張ります!
2017/06/24 21:09ありがとうございます(o^^o)!! 先ほど26人目のパトロンの方のお申し込みで、希望額の13万円に到達しました! クラウドファンディングを初めて開始して17日目…こんなに早くsuccessするとは、まさか想像していませんでした…! これでナイジェリアの染め作家をオマーンのアートフェスへ送れます! また、皆様へ来年にお渡しするリターンに対し、少しでもお金という形で彼らに支払いたいので、目標30万円を目指し予定通り8月25日まで続けます。 最後まで…皆様よろしくお願いしますm(_ _)m 井上多枝子 もっと見る
チラシができました!
2017/06/12 18:59まだクラウドファンディングを始めて1週間も経っていないのに、ただ今の時点で48%の参加率…!! 本当に久しぶりに連絡させていただいた方々も多く見てくださり、本当に感謝、感謝です…! このクラウドファンディングを立ち上げた日、心が上がったまんまチラシをデザインし、夜中に入稿したものが本日仕上がって来ました…! 明日からお会いする人する人へ、お渡ししていきます。また、お店等にもお願いしにまわります。 もし、置いてくださるお店をご存知の方や、チラシを渡したいと思う方がおられましたら、ご連絡ください〜!! 井上多枝子 もっと見る
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