こんにちは、なめ茸と申します。
普段はマンション屋さんをしております。
私は、2018年11月(ちょうど2年前ですね)、当時にはまさかここまでの大騒ぎになると思ってもいなかった『ドリフうどん屋』の投稿を行ったツイッタラーであり、それをきっかけにその年、晴れて全宅ツイの仲間入りをすることができたシンデレラボーイ(おっさん)です。今回のプロジェクトが立地する高円寺にそこそこ長く在住し、そして高円寺を愛するものでもあります。
現在、ドリフうどん屋跡地であり新店舗建設予定地である“例の土地”には、全宅ツイの管理地である旨を知らせる看板と建築計画看板が屹立し、またカラーコーンを通じてストゼロや鬼殺しなどの物々交換が行われるという珍妙なインターネット・ミームが発生しています。
踊る阿呆に見る阿呆、おなじ阿呆なら踊らにゃボラーレと昔から云われております通り、面白いことこの上ないので、ぜひ皆様におかれましても一度訪れて頂き、行き先の無くなったメイドカフェのチェキなどを供養頂きたいものですが、ちょっと、ちょっと待ってください。
まさかそのまま帰るつもりじゃありませんか??
勿体ない。
せっかく大学生でもフリーターでも劇団員でもバンドマンでもないのにわざわざ高円寺まで来たのですから、ぜひ遊んで食べて飲んで歌って、街を味わっていってください。
え??
何があるかよく知らないからどこに行ったらいいかわからない??
情けない。何のために後生大事にスマホを抱えているんですか。
面白い保証がないなら行っても意味がない?
いつからそんなに保守的になったんですか。
仕方ない。食べログにその目を曇らされてしまったあなたのために、特別に私が高円寺を味わう初歩の初歩、高円寺ビギナーに向けたお勧めスポットを紹介しましょう。
ぜひホワイトボードに「15時 客先直帰」と記入したその足で例の土地参りを済ませたら、気になった場所へ訪れてみてください。
■【遊び編】
※高円寺にいい大人が素面で遊べる場所はありません。まずは酒を飲んでください。
話はそれからだ。
■【食事・お酒編】
・「焼き鳥 大将」
http://koenji-yakitori.com/tempo.html
高円寺を代表する駅前酒場にして路上酒場。JR総武線下りホームからも、眼下のロータリーの先でその路上占有ぶりを見下ろすことができる。
とりあえずここで飲んで写メを取れば「高円寺に来たよ☆彡」とアピールすることができる。お勧めは本店よりも2号店。本店より店の前の人通りが少ない分、人目を気にする初心者向けだし路上への店舗空間の拡げ方も堂々としている。
あと焼き鳥は普通においしい。サワーはだいたい濃いのでコスパがいい。おすすめメニューはニンニク(ハツつき)、ねぎ、ボンジリ、スタミナ豆腐。翌日朝から仕事の方は、マスクの存在に感謝してください。
・「沖縄居酒屋 抱瓶」
http://www.dachibin.com/access/
高円寺を飛び越え、東京を代表する沖縄居酒屋。高円寺民を自称する人間に「抱瓶ってどう?」と尋ねて「え?」と聞き返されたらそいつは環七国境線か早稲田通り国境線を乗り越えて不法侵入してきた中野国民である可能性が高い。サンモールにあるよくわからん沖縄そば屋に帰れと追い返そう。
メニューは概ね何を頼んでもうまいので安心感がすごい。人を呼ぶときだいたいここ。ワイの妻との初デートもここでした。
因みに本クラファン支援記事の一つで、大丈夫さんと会長が固い握手を交わしていらしたのもこのお店です。
何を頼んでもうまいと書いたが、ヤギ汁だけは頼んではいけない。いいか。俺はしっかり言い残したからな。自己責任だからな。
店の名前の読み方は「だちびん」である。
・「ベトナム料理 チョップスティックス」
http://namamen.com/?page_id=51
初見さんは概ね自力で辿り着くことが難しい、「大一市場」という屋内飲食店街の一角にある(高円寺外民にとって)隠れた名店。駅から店に向かう際、八百屋(高野成果)の横の狭い通路を潜り抜けて向かうルートからしてアジアを感じる。ぜひ八百屋が営業している18時半頃までに尋ねてほしい。
おすすめメニューは名前が覚えられないから雰囲気でいうと、生春巻きと、エビのから揚げと、隣のベトナム焼き鳥屋で作ってくれる鳥の足の焼き鳥(甘辛くておいしいし見た目がグロい)。フォーは当然にどれもおいしいが汁なしより汁有りがお勧め。ベトナムビールの種類があるので楽しい。
あとさっきからURLは店のHPの地図を張り付けているのだけど、一番店の場所が分かりにくいこの店の地図が一番わかりづらい。そういうとこ。
ちなみにこの店、全宅ボードメンバー、あくのさんがかつて賃付けした店だと聞きました。縁ある。
・「イタリアンっぽい 葡庵」
わしはワインを飲まないので一度も訪れたことがないのだが、わしと同じくらい高円寺に長く住んでる大学の同級生のゲイが、「ここは美味しいのよ~~~」と言っていたのでたぶん美味しいみたい。そもそも金がないくせに味にうるさい高円寺の民を相手取って、多少値の張るイタリアンという商売をかれこれ7、8年以上続けている時点で一定以上の実力がある証になっている。
・「根強いファンに支えられたムーミン谷 ハティフナット」
https://www.hattifnatt.jp/blank-c66t
あかいさんがめすぶたを連れていくのにたぶんおすすめ。
■【麺編】
飲んだ後、苦しくても〆の麺を食わずして真のダメ人間にはなれない。
いいか、泥酔した後は麺。これ。人生から彩りがどんどん消えて、無価値な脂肪が蓄積していく背徳。
・「パスタ ウシータ」
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13223858/dtlmap/
キャプ翼等身のイケメン社長、西新宿社長に教えてもらったイタリアン。浅草開花楼の麺を使用したもちもちパスタがめちゃんこおいしい。パスタ以外のメニューも豊富だしだいたい美味しい。というか〆の麺のコーナーで紹介するお店ではない。1軒目に行くべき。シェフがお一人のため、大人数で訪れるのには向いていません。
・「らーめん 太陽」
https://tabelog.com/tokyo/A1319/A131904/13000732/
高円寺の真夜中に燦然と輝く黄金の太陽にしてサンクチュアリ。常時店内で1~2本のギターケースを観測できる。ちゃきちゃきのおばちゃんがお店を回している。
煮干しをふんだんに使った黄金色の醤油スープは昔ながらの優しい味わいで、痛飲した後の食道に優しく染みわたるのだが、麺の量が180gと太めのハムスター4匹分はあり実際のところ飲酒後の来店は諸刃の剣。30代以上はクズ夜ポートフォリオの1軒目にカウントすることを検討してほしい。
その場合、お勧めメニューはBセット(ジャンボ餃子3ヶ+らーめん)に中瓶。カウンターに腰掛け「中瓶とBセット。麺は後で。」と通っぽく伝えたあと、即座に出てくる中瓶をグラスに注いだ後、なかなか出てこない餃子を待つのが玄人のやり口。
個人的にはこの店のジャンボ餃子が、世の中で一番好きな餃子である。優しい味なので好みは分かれるかもしれないが。
・「らーめん三銃士(コーポカトレヤビル)」
東京都杉並区高円寺南4丁目7 でググって辿り着いてください。高円寺駅南口から通り沿いに下ったところ。ローソンの手前。駅徒歩約3分。阿波おどりのとき2階のテラスで飲んでる人々が羨ましいビル。
ラーメン三銃士を連れてきたよ!!!
インスパイア系チェーン“大”!「うっす!よろしく」
清湯系上品醤油“69”!「がんばります。よろしく」
煮干し中華そば“銀星”!!「よっす!どうも」
ラーメン屋がビルの1階に隣り合わせで三軒連なっていることから、こう呼ばれていない。駅からほど近く、夜中までやっており、真に飲んだ後にお勧めなのはこちら。なおビルのすぐ脇に味噌ラーメンの“一蔵”、通りの正面に豚骨の“風風ラーメン”、ビルの裏手には“天下一品”が控えており、本当はラーメン6レンジャイである。
個人的オススメは69。一品一品の完成度が段違い。出店先は本当に高円寺で良かったんですか。次いで銀星。ドロドロの特濃煮干しスープは飲んだ後にめちゃめちゃ魅力的に映ります。
■【歌編】
飲んだら歌。音。それは切り離せないシステム。
・「JIROKICHI」
“例の土地”から至近。三度の飯より悪ノリが大好きなツイッタラーがカラーコーンへ埋めるストゼロを購入するセブンイレブンの裏手には、高円寺の地で40年以上営業を続け、数々のプロミュージシャンを輩出した伝説的老舗ライブハウスがあります。悪ノリしている場合じゃない。縦ノリや。縦ノリしにいくんや。
わしはこの店に通い詰めるような生活に憧れて高円寺で一人暮らしを始めたはずなのに、住み始めたら満足してしまって結局1,2度しか行ったことがない。
・「キャバクラ」
キャバクラ。駅前のキャバクラはだいたいカラオケがある。キャッチのお兄さんと1セット3,500円で合意して地下への階段を下るとそこは、漏れなくおしぼりとハイボールとおっぱい鑑賞権が付いたカラオケ。1時間ほとんど歌いっぱなしでロクにキャストと会話しないと、ほとんどLINE聞かれないのでとても健全だぞ!
・「アルカナクラン」
アニメ&コスプレバー。つまりガールズバー。1時間飲み放題2,500円、カラオケがたぶん1曲200円だが月曜は無料というバグシステム。だが真の価値はここからで、この形態としては非常に珍しいことだが山賊がいない。ノーアマゾネス。治安がいい。錦糸町で、新橋で、新宿で、東京のありとあらゆる繁華街で強奪され続けた我々が安心して飲んで歌えるサンクチュアリ。オフで紹介した人だいたい気に入ってる。アニソン以外もぜんぜん歌っていい。
・「路上」
そこら辺の路上。20時を過ぎるとちらほらストリートミュージシャンが出現し始める。
「歌がなりやまぬ町」「音楽に包まれた町」小学生が作ったポスターに踊りそうなそのコピーが、当てはまる町がどこかにあるとしたらそれはやはり高円寺である。
真夜中の駅前ロータリーの喫煙所脇で。高架下で。駅南口バス停の前で。アーケードの靴屋のシャッターの前で。そこかしこから聞こえるギターの音と歌声。町に集まったダメ人間と音楽の相性がよすぎる。路上には高円寺の醍醐味が詰まっている。
お勧めスポットは高架下のマクドナルド横。京樽とケンタッキーが営業を終えた22時過ぎからミュージシャンが集い始める。誰が来るかはその時までわからない。完全にガチャだが当たりを引くと一緒に歌って騒げます。たのしいよ。
■【締め括り編】
楽しい夜にもいつか終わりはくる。それが分かっていないと明け方のアーケードをヨレヨレになりながら肩組んで歩くアラフィフのカップルみたいな姿を、通勤中のわしの目の前に晒すことになります。
時計は夜中の1時を指しています。
あなたには3つの選択肢があります。
・タクシーに乗って帰るか。
・小杉湯に寄ってサッパリしてから漫喫にこもるか。
・福来門で餃子とビールを頼んだあと机に突っ伏して気を喪うか。
どれを選んでもあなたの人生です。
そして、 『ひどい夜だった』 そう呟いた翌月、いや翌週。
気づいたらまた同じような夜を過ごしているのが高円寺マジック。
どうぞこの街に惹かれ、虜になり、取り込まれてください。
我々はその姿を、心より応援するものです。
2020年10月28日
なめ茸
編集部より:高円寺ではこんな楽しいこともあるらしいぞ!(なめ茸さんの実体験)