俺は怒っている。
なんで俺達はこんな細い土地に大金を注ぎ込んで、
飲食未経験の総帥を修行に出し、
膨大な時間を費やしてまで、
全然儲かりそうにないプロジェクトをやっているんだ。
どう考えてもおかしいだろ。
奥行き1.1m、幅10mの土地。
いくらでも他にいい土地売ってるだろ。
REINS見てみろって。
そもそも、なんで新築してるんだ?
坪350万もかけて。
新丸ビルでもそんなに建築坪単価かかってないと思うんだけど。
うち、10年定借だよ?
大体、収支計算せずに地主に提案するってどういうことだよ。
「自販機いくらですか?じゃあその倍で!」
じゃないよ!
どんぶり勘定にもほどがあるでしょ。
地主さんニッコニコだよ?
俺もあの立場だったら爆笑するもん。
「本当にwwww借りたwwww」
建築費もいくらかわからず、
地代もえいやーで決め、
実際収支を叩いてみたら全く回らず、
社名がエキセントリックなため調達もまともに出来ない。
全然プロフェッショナル感がないんだけど。
こんなどうしようもないプロジェクトなのに、
500人を超える方々が大金を投げてくれている。
意味がわからない。
何を期待してるんだ、
我々はただの大喜利がちょっと得意なおっさんだぞ。
さっき管理地看板の裏に広告を出す権利が10万円で売れた。
そのお金で新宿駅に2週間広告出せるんだけど。
もうちょっと考えたほうがいい。
狂ってる。
みんな狂ってる。
でも、誰より俺が1番狂ってるんだ。
家から決して近いわけでもないこの街に、
毎週行って仲間と打ち合わせをし、
地主さんや近隣に挨拶をし、
飯を食い酒を飲み、
深夜のロータリーで大声で歌ってる。
睡眠時間削ってイベントの企画考えたり、
Twitterでウホウホ言ったりしてる。
1円も給料もらってないのに、本業よりのめり込んでる。
誰よりも俺がこのプロジェクトを楽しんでいるんだ。
あの小さな土地には、人を惹きつけるなにかが、確かにある。
この薄い薄ーい店にパンパンに人が詰まってて、
金と不動産と女の話が溢れてて、
うまい飯と酒が一日の疲れを癒やしてくれる。
そこに行けば総帥がいて、
Twitterの仲間と、
高円寺の愉快な人々に会える。
こんな素敵な空間を、Twitterで出会った仲間と一緒に創れるなんて。
そして、甲区に『合同会社全国宅地建物取引ツイッタラー協会』の名前を刻めるなんて。
今まで数十棟の建物を建て、
東京ドームを超える床をこの世に供給してきたけど、
今回のプロジェクトはたった3坪です。
でも、今まで作ってきたどの物件よりもワクワクしてます。
不動産を開発するって、こんなに楽しいことだったんだ。
まるで、文化祭の前日のような日々が続いています。
もうだいぶおっさんになっちゃったけど、
俺達はまだまだときめくことができる。
このプロジェクトに関わってくれた全ての人々と、
そのときめきを分かち合い、
高円寺の光景(シーン)となる象徴(シンボル)を、
ともに育てていこう。
たった3坪の店から、
全宅ツイ飲食事業部の大冒険が始まる。
その、記念すべき1号店の店名をここで発表します。
ご唱和下さい。
サワーを中心に、幅広いアルコールと気軽につまめる手作りお惣菜を出す立ち呑み屋です。
今夜ちょっと飲みたいな、と思ったときはTwitterで「酒チャンスありますか?」とつぶやいてお店に来て下さい。
きっと今夜のお相手が見つかることでしょう。
きっと私もすごい頻度でいると思う。
1人で寂しそうに飲んでるゴリラに声掛けてくれたら一杯奢ります。
皆さん、桜の頃に会いましょう!
2020年11月11日
かずお君
※酒チャンス公式アカウントはこちら→@sakechance_knj