こんにちは。大丈夫くんです。
風薫る爽やかな季節が近づいてきている今日この頃、皆様はいかがお過ごしでしょうか。私は本業そっちのけで連日高円寺酒チャンスに訪れあーでもないこーでもないと頭を巡らせております。ほったらかしになっている私の会社は大丈夫でしょうか。
さて、今回は完成間近に迫った高円寺クソ物件再建PJ『酒チャンス』が何屋になるのかお前の口から説明する文章を書け。すぐ。明日までに。と会長からのお達しがありましたので簡潔に説明させて頂きたいと思います。
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Q、なんのお店なの
A、立飲み屋さんです
Q、ドリンクについて
A、サワーを中心に400円〜500円のものが20種類くらいあります。クラファン支援者の方が命名したカクテルも10種類あります。ソフトドリンクはありません(ストックとオペレーションの関係上です。自販機で買ってください。
Q、フードについて
A、簡単なホットスナックが5品程度あります。全部200円です。
Q、提供について
A、全て紙コップでの提供とさせていただきます。なので酒を持って高円寺の街を練り歩けます。
Q、会計について
A、キャッシュオンシステム、完全キャッシュレスになっております。キャッシュオンが面倒な人は金券を販売します。三為とかしないでシンプルに使ってください。余計なことをすると店主がパニクります。いつも会長は見ておられますよ。
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このPJ開始時、私に託されたカードは2枚です。
①3坪1フロアの薄いスペース
(頼むから2フロアにしてくれ!という願いは却下された
②無職になった素人のおっさん
(経験者がいればやれます!という私の言葉は高円寺の喧騒の中に消えた
Kずお会長「店舗展開したい」
Aくのふどうさん「上場したい」
2人「女の子にモテたい」
悪名高い全宅ツイボードメンバーは、私にこの2枚のカードとそれぞれの熱い想いを託し本業へと帰っていきました。他のメンバーもかわいそうに...という目をするだけで助けてはくれませんでした。(たぶんオープンしたらたくさん売上に貢献する方を担当してくれてるんだと思います
私も数々の不利な条件をひっくり返して繁盛店を作ってきた男です。このくらいどうにでもしてやろうと思い意気込みましたがしばらく何も思いつきませんでした。
とりあえず私がした事
①→お鯛先生に任せよう
②→知人のお店に放り込もう
そして時間稼ぎをしている間に私は考えました。創業時、このエリアで仕事をしていた事があったので当初は知人のお店からフードの調達をすれば良いかなと考えておりました。クラファンの解説時にもそう書かれていたと思います。ところがこの路線を突き詰めていくと色々な懸念事項が。
しっかりしたフードを用意しても食べるスペースが無い事。遠方に住む店主が1人しかいないので実際に調達してくると拘束時間が長くなる→仮に調達してきても物をストックできない→ストックできないと調達する回数が増える→その時間が足りないのループになる事。コロナ禍において協力店舗の営業が不安定になり調達がそれに準じてしまう事。なにより周辺店舗の環境に依存する業態になるので他店舗展開に不向きになってしまう事。
これに一番頭を悩ませました。出した結論は簡単な物でもいいから店内調理で対応しよう。という方法でした。こうして産まれたのが200円のフードです。立ちながら摘むには丁度良いと思います。駄菓子感覚でお楽しみください。
さて、次はドリンク。ドリンクは良い。作る人によってクオリティの差が少ない(正確にはめちゃくちゃあるんですけど)、不慣れな店主のオペレーションを助ける為に客席側に冷蔵庫を置いてお客さんにはセルフで楽しんでもらおう。クラファンが始まった頃はそう決めて冷蔵庫に放り込むお酒のチョイスを始めてました。
ある朝目覚めてTwitterを除いてみると、TLがにわかに盛り上がってるんですよ。
酒チャンスオリジナルカクテル命名権が凄いスピードで売れている。
私の元にそんな情報が届いた頃には既に10口売れていました。そんな幻みたいなものにお金出して...支援者のみんなは本当に最高だな。私は目頭が熱くなりました。そしてすぐに会長に連絡して売止にしてもらいました。
こんな経緯から無事にドリンクメニューが充実する事になり、同時に3坪のお店に少し大きめの炭酸サーバーが導入される事が決まりました。
お客様にはセルフでやってもらうつもりでしたが店主が心を込めて色々なドリンクを作ります。たくさん呑んでください。
お酒も食べ物も紙コップでの提供となります。理由としては限られたスペースにテーブルを置く事ができないので食器が使えません。また半分くらいのお客様が前面道路で棒立ちで飲食する事になると思われます。
座りたい方はお酒を買ってロータリーでお喋りなんかも良いと思います。あの街はそういう街です。その際、グラス等を返却しにお店に戻ってこなくていいように紙コップにしています。
飲食店の仕事って一つ一つはとても簡単なんですが、それを1人で回すとなると接客、調理、会計、片付け、など色々な事を複数のお客様相手に同時にやっていかないといけなくなりベテランであってもお客様に満足してもらう事はなかなか困難な事でございます。それに加え、お世辞にも働きやすい環境とは言えないサイズ感のお店の中で、店主は少しでも皆様に喜んでもらおうと意気込んでおります。
私はその手伝いとして店主が少しでも作業負担が減るように。そして少しでもお客様が喜んでもらえるようにと工夫してみたつもりです。
この文章を読んでいる皆様は日頃外食の際に美味しいお店や気配りバッチリ店主のお店でお酒や食事を楽しんでいらっしゃる方が多いと思います。しかし今私達が取り組んでいるお店はそれらと比べると以上の理由から非常に拙いお店に感じるかと思われます。
酒チャンスって何屋なの?同業の仲間に聞かれる事も増えました。私が考える酒チャンスは『クロスオーバー屋』さんです。
私個人の意見になってしまい大変恐縮ですが今回のこのお店はオンラインとオフラインの狭間を楽しめるスポットである事が最大の魅力だと感じております。
匿名で顔も出さない不動産屋の人間達が、実際のプロジェクトとしてオンラインを通じて知り合った建築士の先生やたくさんの職人さんと建物を建築し、クラファンで多くの人間と関わって、思いっきりアナログな商売をしている私まで巻き込んで、時代遅れと言われてもおかしくない立飲み屋さんを実際に作って運営していく。
オンラインもオフラインも時代も超越したこのお店がきっかけでTwitterだけの付き合いだった人と実際に顔を合わせたり、友達になったり、ディールがあってもいいし、ブロックしてもいいし、裁判があったりしてもそれはそれで面白いんじゃないかなって思います。
色々な人間が交差して出会っては別れていく大人の社交場、酒チャンス。主役は皆様です。お酒とつまみは脇役程度に捉えて頂いて、しっかりマナーを守って『拙いお店』の楽しみ方を皆様なりに見つけて頂ればと思います。
おしまい
2021年3月18日
大丈夫くん