2020/10/16 15:46

まいど。NPO法人Reジョブ大阪の中の人です(笑)

このクラウドファンディングは、高次脳機能障害や失語症のある方たちが出演したり実行委員になったりして文化祭を開こう!というイベント資金の一部を集めるためのものです。


今日は、岡崎さんという男性を紹介しますね。写真左側の人です。

岡崎さんは17歳の時にバイクの事故で意識不明の重体になりました。99%助からないと言われてからの、生還です。リハビリを受けて、退院しましたが、どうもそのあとうまくいかない。人と衝突する。いけないと思っても言ってしまうやってしまう。物忘れも激しいので、若年性認知症ではないかということで、病院に行き、そこで高次脳機能障害だと初めて診断されたそうです。

NPOを運営

今、岡崎さんは、NPO法人エスペランサで代表を務めています。養護施設に暮らす子供たちに笑顔を届けたいと、100名以上のボランティアを束ねて活動しています。高次脳機能障害者がNPO法人?と思うかもしれませんが、私はここ数年の経験から、むしろこのような社会貢献活動には高次脳機能障害者は向いているのでは?と感じる点があるように思います。

それは、こうだと思ったら突っ走ってしまう力、エネルギーです。


ブレーキの壊れた車

岡崎さん自身も自分のことを「ブレーキの壊れた車」だと表現します。こうだ!やるのだ!と思ったら突き進む。途中に障害があってもそれがなんやねん!と。

私たちはとかく始める前に準備をしすぎたり、動き出しても慎重になりすぎたりして、目標に向かうのにすごく時間がかかってしまうことがあります。

資金はどうするの? 他に良い方法はないのかな? この方法で困る人はいないかな?

もちろん、そういうことも大切ですけど、意外とこういうことこそ、動いてみないと分からないことが多いです。

動いてみたら援助者が出てきた、動いてみたら悪い方法が分かり、その分良い方法が見えてきた、動いてみて困ったことが出てきた人と一緒に困りながら対応を考えていく。

案外、こんな方法でスーッと進むことがあるんです。


先を見通す力がないからできる

これも私は明言だと思うのですが、岡崎さんのNPO活動について、岡崎さんは「ぼくは、障害のせいで先を見通す力がないんです。だからできる」とおっしゃっています。

私が最近読んだ本で、現代の人間は「未来」を心配し過ぎて「今」を生きていないと書いてありました。「先の見えない不安」によって、悪い未来が来るとは限らないのに不安に思い、実際に神経をすり減らしたり、挙句の果てには心配が過ぎて精神を病んだりする現代人。その証拠に狩猟民族のような、今を大事に生きる、ある意味マインドフルネスな人種は、「不安」「心配」という言語を持たないくらい、未来を恐れないそう。将来のために今の幸せにお金を使わない、貯金信仰が強い日本人には耳が痛い話ですね。

ここで大事なのは「悪い未来が来るとは限らないのに、心配して、行動を制御してしまう」という点です。その結果、今を100%楽しめず、結局予測通りの未来が来るというパラドックスです。

岡崎さんには、障害の為、先を見通す力がないので、活発で前向きな行動ができるとのこと。

私はもともとちょっとそういうところがありますが(笑) さらに磨きをかけなくては!と思いました(笑)


奥さんに頭が上がらない

もちろん、支えてくれる人がいなければ、ブレーキの壊れた車さんは大変です。岡崎さんの場合は、素敵な奥さんがいらっしゃって、「もう、ほんと、大変なんですよー!」と言いながらも笑顔で活動をささえてくれているとのこと。お子さんが4人もいらっしゃるのですが、奥さんは岡崎さんのことを「一番手のかかる一番大きな子」と呼んでいるそう。


脳への刺激がいい

バイクの事故で生死をさまよった岡崎さん。意識が戻った時には歩くこともできず「こんな体になってしまった。五体満足に生んでくれたのにごめんなさい」とお母さんに言ったそうです。

今では、障害があるように見えないほど、話ができる岡崎さん。文化祭当日も動画で登場しますので、お楽しみに。何が脳のリハビリになったのかというと、脳への刺激で、岡崎さんの場合、子どもの笑顔なのだそうです。なので、この養護施設に暮らす子供たちに笑顔を届ける活動が、リハビリにもぴったりだと考えているようです。


目に見えない障害の人のバリアフリーを

岡崎さんが私たち支援者に望むのは、バリアフリーです。

目に見える障害の方たちにはバリアフリーがある。僕たちにもそれがほしい。そうおっしゃっていました。

何がそれで叶えられるのか、私たちと一緒に考えていきませんか?

クラウドファンディングは18日で終了です。