はじめて訪れたのは2年前ですが、その姿が目に映った瞬間に、あ、かっこいいと思わず声が出てしまいました。
デザイン、建材が良いからなのでしょうか。重厚なたたずまいに迫力があり、また経年変化が雰囲気により厚みを持たせていました。内装も素敵でしたね。ロイアルレストランをはじめ、壁や天井、ソファなど、どれも心奪われる魅力的なものでした。見れるところはくまなく見てまわりました。
長い間海外を転々と住み歩き、好きで色々な建物を見てきましたが、帰国してから良い建物見かけることが少なかったので、歩き回っていて嬉しくなったのを覚えています。
私は自分で服を製作し、セレクトショップに卸しています。
そのPRでモデルに着せて撮影をするのですが、ここで撮影したいと強く思いました。
訪れた当日に、既に取り壊しが決まっていると聞き、かなりショックを受けました。
使用する方々の意見や老朽化、維持費、地域を取り巻く何かしら等、当事者目線の意向によるものなのでしょうか。
ただ、外野である私としては、それを差し引いても、次世代、その次、その次へと残していくべき存在であると思うのです。
建物から良いものと良くないものを見分ける、感じ取る事を学べるはずです。
私個人としてはどうすることも出来ないもどかしさがあったのですが、せめて僕なりに記録に残したいという思いが湧き、市職員の柏瀬さんにお願いし、撮影は実現しました。感謝しております。
フォトグラファー、モデル共に友人ですが、二人とも初めて訪れたロケーション(会館)にワクワクしていました。僕と同じように。
良い写真が撮れたのは言うまでもありません。
ワクワク出来る建物というのは、日本ではどんどん少なくなっているのではないでしょうか。
柏瀬さん、中村さんから未来へつづく本プロジェクトのお話を聞きました。その姿勢に建物への愛情をとても感じます。私も微力ながらプロジェクトを応援させて頂きます。
この本を通して,今一度モダニズム建築を始め、日本の古き良きかっこよしを見つめ直してみて欲しいです。
そして、そこで行われてきた,
人の交流を知って欲しいと思っています。
人の交流こそが、この建物の存在意義であったとも思うのです。