梅の花が咲きました
あっという間に今年最初の月も終わってしまいましたね。平井ではここ数日暖かい日が続いています。山では梅の花が咲いており、少しずつですが春が近づいているようです。一方、山は花粉のせいか赤く色づいており、花粉症が心配です…。
間伐作業の進捗
間伐は、当初の予定よりもかなり早いスピードで進んでおり、昨日で丁度半分が終わりました!スタッフの方の腕が上がっているようで、とても感謝しております。今日は別の山の試験地に移り、林道用地の伐採作業に入っていました。こちらの山は斜面が急なので作業が難しいと思いますが、安全第一で進めてまいります!
リターンの制作
通常は山での作業がメインですが、天気の悪い日などを利用してリターンの準備も着々と進んでいます!この木工作業も和歌山研究林の施設を利用して行っており、研究室にも時折作業の音や木の匂いがしてきます。木工場には様々な樹種が置かれていて、見ているだけでも面白いかもしれません。コースターはこの中にある樹種から選ばれるます。発送は4月中となっております!どうぞお楽しみに!
低下した国産材の木材価格
今日は拡大造林期のお話の続きをしたいと思います。前々回までに拡大造林が行われたところまで話しましたが、その後日本では急速に木材価格が低下してしまいました。この理由については様々に言われていますが、特に大きかったのは外材の輸入自由化だと言われています(※1)。高度経済成長の木材需要に応えるという目的もあった拡大造林ですが、その成長を待っていてはとても需要を賄うことができず、1964年から外材の輸入が自由化されました。すると、外材は安く大量に手に入ることから注目を集めます。さらにその後、1949年以降1ドル360円で維持されていた円相場が維持できなくなり、変動相場制が導入されると円高が進み、さらに外材への依存度が高くなってしまいました。
しかし外材の輸入自由化に伴ってすぐに木材価格が低下したわけではありません。実際には1980年まで国産材価格は上昇しました。これは国産材は柱材、外国産材は合板材という住み分けがなされていたためです。ところが、時代の変化に伴い住宅建設の工法も変化してしまいました。従来の柱を中心とした工法(在来軸組工法)に代わり壁面を中心とした工法(2×4工法)の着工数が増加したのです。その結果、外材にシェアを奪われ価格の低迷期に入ってしまいました。
安ければ喜ばれるのでは?
ところで安いことは良いことではないの?と感じる方もいらっしゃると思います。ごもっともな話で、品質が良く安定供給可能であれば、消費者も安い方を選ぶでしょう。ところが、国産材の場合そう上手くは行きませんでした。ここには2つの原因が挙げられます。
1つは量の問題です。
価格が低迷している状況になると伐採しても利益が出にくいので、積極的に伐採しようとする林家さんは増えません。その結果、必然的に出材量が減り安定供給が難しくなります。一方で、ハウスメーカーなど大規模な需要者は、コスト面において原木の安定供給を望んでいます。そのため、出材量が不安定な国産材に依存するのはリスクが伴うことになってしまうのです。
2つ目の問題は乾燥処理です。
木材は湿った状態のまま材として用いると、割れや歪みといった問題が生じます。そのため、予め乾燥させておいた材が必要となります。しかし、この乾燥処理をする設備は投資に対し、すぐに製品価格の向上につながるわけではないので、大規模な業者でなければ積極的に導入することが出来ません。その結果、乾燥設備が整っており乾燥材を入手できる外国産材がさらにシェアを高めてしまいました。
ここまでが木材価格が低下した経緯となります。次回は2月中旬を予定しています!お楽しみに!
※1:農林水産委員会調査室 稲熊利和. 2010.
林業活性化の課題~路網整備と木の徹底的な利用の促進~. 立法と調査. 2010.1. No.300