2021年もどうぞよろしくお願いします!
昨年はご支援有難うございました!今年も引き続き活動報告をしてまいりますので、どうぞよろしくお願い致します!
寒い日が続いていますが皆様いかがお過ごしでしょうか?平井も今年に入ってからか何回か雪がちらついています。元日も夜に降った雪が薄っすらと積もっていました。雪は滅多に降らないと聞いていたので、何回も雪景色を見ることが出来たのはむしろラッキーかもしれません。
峯薬師の御開帳
1月12日は古座川町内にある峯集落の薬師如来堂が年一回の御開帳をしていました。峯集落は平井と串本の中間地点付近にある集落です。その名の通り山の峰付近にあるため、川沿いを走る国道からは全くその姿が見えず、狭い山道を暫く通らなければいけません。
地図をご覧いただくとその位置関係が想像しやすいかと思います。「矢倉神社」と書いてあるところが峯集落です。
このように山間部にひっそりと存在する集落につきものなのが平家の落人伝説ですが、この集落も例外はありません。 集落住民のご親戚に伺った話によると、平家の落人が厨子を担いでここまで逃れてきたとのことでした。その厨子を祀っているのが、この峯薬師です。普段は秘仏とされ閉じられていますが、1年に1回、1月12日だけ御開帳されます。
古座川町史によると、この御開帳の当番は集落住民によって順番に決まっていたそうで、当番になった人は精進料理等の費用を負担したり、餅まきやぜんざいづくりをしたりするそうです。もともと規模の小さな集落だった峯集落ですが、現在では3名の方しか残っておらず、こういった祭礼の継承も難しくなってしまうかもしれません。
しかしながら、実際に訪問してみると代わる代わる人がやって来ていました。聞けば、古座川や串本に檀家の方々がある程度いらっしゃって、年一回のこの日には必ず参拝する方も多いそうです。また、薬師堂の近くには、サクラとしては100年ぶりの野生新種として注目を集めたクマノザクラがあり、春にはそれを見に来る人もいるそうです。小さい集落ですが、見どころが多い峯。今後も文化が継承されていくことを願います。
平井を作ったのは平家か?源氏か?
ところで平井集落も峯同様、平家の落人伝説があります。ところが、平井では源氏の落人伝説も伝わっています。前林長がまとめた論文によると、集落住民に平家の落人伝説が伝わっている一方で、周辺の神社の由緒書には源氏の一派が切り拓いたとする2通りの記述が残っているそうです。また、集落の神社である八幡神社は源氏の信仰対称であったことからも、どうやら源氏の末裔らしいとされています。
いずれにせよ、長い時間の中で真逆のルーツが混在することになった経緯を是非知りたいものです。案外、全国に散らばる平家の落人伝説も一部は源氏由来だったりするのかもしれませんね。
間伐の進捗状況
間伐作業はいよいよ1セット目(5・10・20m×40m)が終了しました!
5m幅は林道のような雰囲気。10m幅は2車線道路の雰囲気。20m幅はちょっとした公園程度の開き具合となっています。このセットを残り3セット、計4セット作ることで反復としています。事前に行った調査では、林床にサカキやシキミ、アカガシなどの実生が見られました。今後、数年かけてどのように変化するか、非常に気長な実験ですが、今からとても楽しみです!
参考文献
古座川町史編纂委員会. 2010. 古座川町史 民俗編
森平さと. 1999. 熊野紀行 鮎の道・古座川. (新和歌山新報社)
揚妻直樹 小西富美代. 2019. 熊野地方・古座川流域最奥部の平井集落に伝わる屋号. 北海道大学演習林研究報告, 71(1), 39-46