2020/11/03 21:07
糸から日本製

本プロジェクトで使っている糸はウール糸を芯にして、そのまわりにふわふわコットンを巻きつけるという特殊な糸作りをしています。ちょうど、上のイラストの様なイメージです。

この糸は私の発案で、日本の紡績工場で特別に作ってもらいました。最初に作ったのは8年前。それを私が製品化して日刊イトイ新聞さんにご提案し採用いただいたのがこの糸のデビューです。ほぼ日の糸井重里さんが、中羊糸と命名されました。さすがのネーミングですね。

この動画は、この糸の特長をほぼ日さんに説明して作成されました。


紡績の工程で、最後に糸にする精紡機という機械があるのですが、その精紡機で綿を紡ぐところの最後の撚りがかかる直前にウール糸を挿入してこのウールコアコットン糸を作ります。

ウール糸が切れやすいので、速度を落として精紡機を動かします。したがって生産性を上げるのが難しくどうしてもコスト高の糸になってしまいます。でも、この糸は日本でしか作ることができません。


八王子で生産

織工程は八王子の旧式織機でゆっくり織っています。糸に余計な力が掛からないので、ストレスが生地に残らないサラッとふんわりした風合いの生地が出来上がります。この旧式織機はシャトル織機といって、緯糸を巻いた杼という器具が左右に動くことで生地が織り上がります(最後の動画をご覧ください)。この製法によって、左右の生地の端がスッキリしています。着物の反物と同じ出来上がりです。こんな感じです。

 左がシャトル織機製(本プロジェクトのストール)、右が新しい織機製です。シャトル織機では緯糸が入ったシャトルが左右に往復運動をするので生地の耳が綺麗です。対して新しい織機の場合は緯糸が一本一本入る毎にカットされるので、ふさ状の耳となります。


糸でもゆっくり、織でもゆっくりなのででちょっとお高い

こうして、日本の良さを丸ごと取り込んだストールが出来上がりました。純日本製の素晴らしいストールです。ぜひご支援ください!

こころばせ 大窪