こんにちは。
MODRINAEを企画しましたソマノベース クリエイティブディレクターの西来路(サイライジ)と申します。
たくさんの人にお声がけいただき、支援をいただきまして、心から感謝いたします。
少し長くなりますが、本文中には書ききれなかったMODRINAEの企画背景についてお伝えしたいと思います。
私は今年で26歳になります。
年齢を重ねるにつれて大切な友人や知人が、結婚や出産を迎え、祝いごとに関わる機会が多くなりました。
それに伴って贈り物を選ぶ機会も多くなっていたのですが、
誕生日とは違って一生のうちで大きなものとなるタイミングに
どんなものを送ってあげたら喜んでくれるのかと頭を悩ませていました。
出産祝いの定番といえば、おむつケーキや子供服などがありますが、
誰かと被らずに、ずっと使い続けてもらえるものがあればいいのになあと思いながら
結局スタンダードなものを選んでいました。
ある林業家の方からこんな話を聞きました。
「嫁入り道具って、あるでしょう?その素材の木は、親が自分で育てていたんだよ。」
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江戸時代の農村には、女の子が生まれると庭に「桐の木」を植える慣わしがあったそうです。
私の祖母の庭にも植えられていたそうで、昭和の時代までは続いていて、
もしかすると今でも行われているかもしれません。
いつか来る娘の旅立ちに思いを馳せて植えられたその木は、
子供と共に成長し、その姿を見守り続けていました。
結婚を迎える頃、その木は家族を見守る役目を終えて、
嫁入り道具として贈られる箪笥や棚の素材として用いられました。
赤いリボンが結ばれた箪笥は、縁起のいいものとしてご近所さんや親戚にも披露され、皆で結婚を祝い、お嫁さんとともに送り出されてきました。
嫁入り道具はその後も長く大切に使い続けられました。
遠く離れてしまった親や兄妹を、
家族の愛情がしっかりと詰まった嫁入り道具を通して思い出し
安心を感じていたといいます。
連絡手段が発達していない時代の、絆のカタチでした。
木を中心とした、人と人の繋がりは確かに存在していました。
昭和から平成に移り変わるとともに嫁入り道具の文化は薄れていきました。
現在のライフスタイルにそぐわなくなってしまったことも事実だと思います。
ですが、その絆は無くなってはいません。
”育てて、植えて、想いと共に使い続けていく。”
嫁入り道具という文化の中にあるそんな循環を現代版にアップデートしたい。
そのような発想から、
「木と生を共有する。」
というコンセプトのもとMODRINAEを形にしました。
MODRINAEは苗を自分で育てていただき、返ってきた木材製品を使っていただくサービスです。
未来の自分や、大切な誰かなど、
木を中心として人と人の繋がりを生み出すプロダクトになる
ようにとの思いを込めています。