はじめに・ご挨拶
皆さんは山内盛彬という音楽家をご存じでしょうか?
沖縄の新民謡「ヒヤミカチ節」の作曲者といえばお分かりになるかもしれません。
戦禍で多くの文化・財産が失われながら、アメリカ占領下で生きた沖縄の人々に音楽を通して勇気付けた音楽家の一人です。
実は私は本名を「山内盛貴」と言い、「山内盛彬(やまのうちせいひん)」の曾孫にあたります。私は、「日琉芸能プロジェクト」という団体で、日本本土と沖縄の伝統芸能を発信する活動を行っている※三線(さんしん)奏者530(ゴサマル)として活動しております。山内盛彬生誕周年記念コンサートや東京で行われる沖縄芸能フェスティバルなどの出演と並行し、小学校や地域の三線クラブにて子どもたちに伝統工芸を体験する取組の講師や、福祉会館での演奏披露など社会貢献や伝統芸能の普及活動にも力を注いでいます。
※三線・・・沖縄の三味線
この度の新型コロナウイルスの影響により、予定されていた機会もキャンセルとなってしまい、十分に活動ができていない現状ではございますが。琉球音楽の継承に努めた曽祖父の願いを成し遂げると共に、日本・沖縄の貴重な伝統文化を未来へ託すための保存を目的としており、盛彬が研究を遺してから約70年という年月がかかったこのプロジェクトを、私の代で完成させたいと考えています。
皆様のご協力心よりお待ちしております。
曽祖父の研究に触れたキッカケ
私が曽祖父の存在を知ったのは、15歳の時でした。家族旅行という名目で初めて訪れた沖縄で、たまたま入った民謡居酒屋で流れた≪ヒヤミカチ節≫。その時突然父が「この曲は曾お祖父さんが作った曲で、ウチナーンチュ(沖縄出身者)なら、誰でも知っている」と言われたことに、衝撃を受けたことは今でも鮮明に覚えています。
なぜなら、ひ孫の私はその曲を知らなかったのです。
その後、会ったことがない親戚や曽祖父のお弟子さん達と対面し、曽祖父が沖縄の音楽にどれほどの功績を残してきたか、その偉大さを初めて知ることになりました。気がつけば、旅の最後にプレゼントされた三線を持って、千葉の自宅で夢中になって≪ヒヤミカチ節≫を練習していました。
それから、沖縄との繋がりが生まれ、素人の私を舞台に招いて頂くこともありました。私は次第に、『琉球の音楽』という未知なる世界への魅力と偉大な曽祖父の想いを知っていく中で、徐々に山内盛彬の直系として、私にしかできない使命を意識するようになりました。
それまで、大学卒業後は公務員を目指していたのですが、少しでも沖縄に関わる勉強がしたいと心境が一変。在学中から沖縄に関するあらゆる勉強を行い。さらに深めるために、沖縄県立芸術大学院へと入学。琉球音楽の研究に没頭し、この分野に生涯を捧げようと決心するのに、抵抗はありませんでした。むしろ、この奇跡的な巡り合わせの連続に、曽祖父が私に研究の続きをやってほしいと言っているのではないかとさえ疑うほどです。
曽祖父が遺した琉球音楽を現代の人たちが聴けるようにしたい
当時千葉県にあった我が家には、盛彬が遺した貴重な著書や音源等が、数多く残されていましたが私だけではなく親族もあまり重要視はしていませんでした。
私自身が沖縄の音楽とかかわりはじめ、 研究を続けていく中で、初めは勉強不足のため読み解くことができなかったものもわかるようになり、それらの貴重性に気づくことになりました。琉球王府時代に演奏された楽曲そのままを録音した音源や古謡を研究した書物など。それらは、琉球王府の廃朝や戦争などで、ほとんどの記録や伝承が失われてしまった内容だったのです。
生前、盛彬は著書の中でこのような事を記していました。「私は琉球の文化を守るために、財産を全部使い果たした。研究だ調査だと言って沖縄を離れている間に、たくさんの土地、家屋、屋敷が不在地主となって他人のものとなった。だが惜しいと思ったことはない。金や土地は失っても、私の体の中には学問が資産となって残っている。私に課せられた使命を後世に残すには、まだ生き足りない。(私の戦後史)」
これらの貴重な資料を個人で所有することは、今後埋没する恐れもありました。そのため私は盛彬の遺志を汲み、沖縄へ移住してからは長い時間をかけて、少しずつ博物館や大学図書館などへ寄贈を試みました。しかし、諸々の事情のために引き取って頂くことは容易ではありませんでした。
このプロジェクトで実現したいこと
「沖縄の音楽を沖縄の人々に還す」
そして可能な手段を使い、世界中に沖縄の音楽の魅力を伝える。
新型コロナウイルスにより、現代に活動する文化芸術に携わる実演家も非常に苦しい状況があります。しかし、私たちは先人たちが紡いだ伝統文化が多少の形を変えようとも、次の世代へと繋げていかなければなりません。盛彬が生涯をかけた研究の内容や、多くの人が初めて触れる幻の楽曲を現代へ復元し、琉球音楽・民族音楽を愛する全ての方に届けることが、曾孫である私にしかできない使命だと思っています。
今を生きる人が受け取りやすく、わかりやすく、そして次の世代にも引き継がれるような形で紡ぐことによって、盛彬の研究が成就されると確信しています。
私に出来ることを必死に考えた結果、今回のプロジェクトとなりました。
資金の使い道
頂いたご支援につきましては、寄贈を目的としたCDの制作費用に使用させて頂きます。
当時オープンリールという媒体で少数販売され、今は絶版となってしまっている山内盛彬の『民俗芸能全集 全22巻 付録音源』をCDへと復刻し、琉球音楽の継承と普及、そして発展を皆様に支援いただきたく存じます。
今回の「民俗芸能全集」の復刻にあたっては、音源のMIX(約90万円)、CDプレス(約70万)、その他配送料を含め、凡そ200万円程かかります。
制作されたCDは、県内外の図書館・博物館、国内外の県人会などに寄贈を試み、沖縄の音楽を愛する方々へ届くようにいたします。そして、なるべく多くの方々の手に取ってもらえるように、一般販売・ダウンロード販売も行う予定です。
リターンについて
ご支援いただいた方に、下記の通りリターンをさせて頂きます。
3,000円コース
・プロジェクト主催者(山内盛貴)から御礼の手紙
5,000円コース
・3,000円コースのリターン
・クラウドファンディング限定 民俗芸能全集山内盛貴セレクト CD-R(20曲収録)
10,000円コース
・3,000円コースのリターン
・民俗芸能全集付録音源復刻盤その1 『琉球王朝古謡秘曲の研究』(通常価格9,800円)
・民俗芸能全集収録曲 工工四(一部収録曲分)
・民俗芸能全集復刻保存協力として、お名前のクレジット記載
・プロジェクト主催者(山内盛貴)による、民俗芸能全集収録曲の解説 限定公開動画URL
30,000円 Aコース
・10,000円コースリターン
・クラウドファンディング限定 山内盛彬 名言集ブックレット(P16予定)
30,000円 Bコース
・10,000円コースリターン
・クラウドファンディング限定 山内盛彬の記録映像 DVD-R
50,000円コース(10名様限定)
・10,000円コースリターン
・クラウドファンディング限定 山内盛彬 名言集ブックレット(P16予定)
・クラウドファンディング限定 民俗芸能全集付録映像
・民俗芸能全集付録音源復刻盤その1~その6(通常価格36,800円)
・プロジェクト主催者(山内盛貴)による、オンライン個別実演権
最後に
琉球音楽はとても奥深く、世界的に見ても貴重な文化で、間違いなく人類の重要な遺産です。この遺産を保存、継承していくことはもちろんですが、今を生きる全ての人々にとって生きる指針となるような活用・発展が期待できるポテンシャルを持っています。
音楽はただの娯楽に終始するものではなく、無形だからこそ存在し続ける確かな意思の集合体だと私は思います。
そしてそれは一人だけの力では未来につなげることは、非常に困難です。
盛彬は沖縄音楽の伝承者・教育者として、また研究者としてその生涯を賭して自らの使命を遂行した人物です。王府時代の多様な伝統音楽の継承に努め、沖縄の次の世代のための新音楽を創作し、琉球音楽の学際的な価値を世界に伝道しました。
琉球王府に音楽家として代々仕えてきた山内家に生まれた私も、曽祖父に倣い琉球音楽の道を一生涯かけて究めて行きたいと思っています。
これは私のご先祖さまに対する孝行でもあり、人類の英智の一つである琉球文化への貢献に資するものだと信じています。
※本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
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