プチ対談シリーズ「根ほられ葉ほられ」第2回!
本日の対談の伴走者のなおこです。
今回のゲストは井上岳一さん。
「日本列島回復論」の著者であり、2016年にサンボーの遺跡と村を訪ねたこともある井上さん。
今回は「なんでこの場所なの?」
というはじまりの問いを用意してなぜこのカンボジアのコンポントムという場所で、旅屋、そしてホテルをやっていくのかを掘り下げていただきました。
”この場所には「大地とつながる豊かなエネルギー」があるから”。
そもそもカンボジア、そしてサンボーを初めて訪れた時「“発展途上国”と聞いていたのに、なんでこんなにエネルギッシュなの?なんだろこのパワーは?」というある種のカルチャーショックを受けたという。
「ご飯作れるんだよね?19歳でもう大きいんだし。火も起こせるでしょ?」
と村のおばちゃん。
村ではガスや炊飯器ではなく、七輪に火をつけて火加減を調節しながらご飯を炊きます。隣では9歳の子供が当たり前のように、火を起こし、ご飯を炊いてお手伝いをしている。
一方で、“発展した国”からきた舞さんは炊飯器のボタンを押すことはできるけど、その人たちの暮らしの技のなかに手も足も出なかったそう。
また生活の道具で何か壊れた時、すぐ買い替えよう!と考えるのが私たちの当たり前。でも村のお父さんたちが「そこにあるもの」で元どおり。自分たちの暮らしを自分でなんとかできる姿に、とても度肝を抜かれた。
その時に強く感じた「そこにある大地とつながって生きるエネルギー」。
当時はその豊かさをどう言葉にすればいいかがわからなかったけれど、とにかくそのゆたかなエネルギーを学びたい、教えてもらいたい!と思って、住み始めて12年。
最近ようやく言葉にできるようになったかな、というタイミングで『日本列島回復論』に出会い、読んでみたら、現場で感じている『ゆたかさ』には自然環境が与えてくれるものと、その自然を暮らしに取り入れるための知恵や技術のゆたかさからつくられているんだ、と目から鱗が。
かつての世界が良かったと言いたいのではなく、今世界中で失われつつある自然をお借りしてその恵を受け取りながら生きる知恵や力強さと、デジタル化などの最新技術のどちらもに価値がある。
そして、その両輪があると実はとっても安定するんじゃないか?
その私たちが忘れかけ、失いかけている知恵と暮らしの技を、この村の人たちは持っていて、そこから生まれてくる心の在り方がある。
その土俵にちょっとお邪魔させてもらうことで、自分たちが今抱えるちょっとした生きづらさに気づいたりします。
”このホテルは、村への入り口であり、地域の人たちにとって外への扉。”
今回引き継ぐホテルは、ちょうど村と町の境界線になる空間。
木がゴソゴソと夜中に生え回るような生命力のある村へいきなりいくのは、なかなかハードルが高いという人たちへ間口が広がるだけでなく、カンボジアの都市に住む現代的価値に目が向いている人たちにも広がる可能性があります。
ホテルという空間は、そこを訪れた人と地域の人たちの一瞬一瞬の記憶が重なっていく、そのエネルギーが溜まっていく場所。
そして実は、「土地に宿るゆたかさ」を大切にしている地域の人たちは、彼らの社会ではマイノリティになりつつあるのも事実です。訪れた人たちが「お父さん素敵だよ!それ!」ってお互いに大切なものを確認しあえる、そんな地域の人たちが自分たちの暮らしを肯定できる場所でもありたい。
そして、その場所のゆたかさを失わずに、自分たちも進化していけるような場所としてみんなで育ててきたい、と。
今回のクラウドファンディングで仲間になっていただくみなさんにも、みんなで育ち、育てていくの輪の中にいてもらえたらうれしいなと思っています!
当日のライブ配信はこちらから!
次回はマル秘ゲストをお迎えして、
第3回 根掘られ葉掘られ
11/28(土)日本時間11:00-11:30
です!
それでは、今日も素敵な1日を!