ネパールについて学ぶシリーズ第2弾!!
今回は「労働」についてご紹介します。
ネパールでは多くの労働に関する問題が存在しています。
まず、ネパールは昔から移民労働者の多い国として知られていて、2018年の統計によると、世界各地で働くネパール人から祖国へ送られるお金は81億ドルに及びます。これは、世界で19番目に多い額と言われています。そしてこの「海外送金」は、ネパールのGDPの3分の1に当たることから、この国の人々の暮らしが、海外移民労働に頼っていることが分かります。
しかし、その出稼ぎにはいくつもの障害があり、例えば海外移民労働するための費用、仲介業者への手数料、入国ビザや航空機の費用、さらには受入国での健康診断費用など、多額の支度金が必要になります。また、給料が当初言われていた額よりも少ないこともしばしばあります。こうした障害のすべてが、海外移民労働者の経済状況や健康に大きな影響を与えています。
また、職業下層カーストやカマイヤ(先住住民のタルー族の農業労働者)が存在しています。職業下層カーストは今も残る差別的なカースト制度であり、現在も根強く残っています。靴の修理人や伝統的仕立て屋、鍛冶屋などの職業がそれにあたり、所得が低く成人識字率なども国内水準を大きく下回る傾向にあります。また、カマイヤは自らの土地を持たず返済できるあてのない債務を背負って地主の下で日々重労働を強いられる農業労働者の人々を指します。こうした職業下層カーストやカマイヤがネパール固有の貧困層として問題になっています。
こうした問題に取り組むため、支援団体の活動により少しずつ改善に進みつつありますが、まだまだ課題は残っています。
今後も活動を通じてネパールとはどんな国なのか、沢山の人に知っていただけたらと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました!