隣町への道すがらに峠で消えゆく虹を発見。綺麗だなと思いつつも、新型こけしは消滅させたくないと活動を始めたことを改めて思い起こしていました。
寂しいお知らせ
ブランディングへの道を進むなか、恐れていたその現実が訪れました。
8月末で白石市内の新型こけし工房が1軒廃業、さらには、新作のこけし制作も得意な伝統こけし工人が急逝してしまったことです。
この写真の新型こけしは「こけしのカガヌマ」勝子工人作の第42回全日本こけしコンクールで県知事賞を受賞した「白石わらべ」です。いま販売されているこけしは、弥治郎こけし村と白石城に残るだけとなりました。71年作り続けてきて内閣総理大臣賞の受賞歴がある加賀沼昌行工人も87歳となりロクロを手放し廃業を決めたそうです。一緒に作っていた甥っ子も歳を取り、もう後を次ぐ人はおらず、新型こけしを専門に制作している工房はついに佐々木こけし工房だけとなりました。
ゆこけし研究所は何を目指すのか
加賀沼さん曰く、こけしを作り始めた昭和25年には100軒の工房があり、独立した昭和48年でも30軒ほどは工房があった。当時は旧型も新型も区別なく「こけし」とし制作していた。その後、旧型は伝統こけしとなり大人の鑑賞品へ。新型こけしは価格競争となり厳しい環境のなか後継者はできず現在に至る。
こうなったら、二足の草鞋でも構わないから新たに工人が現れることを願って制作環境を変えていきたい。このためのブランディング活動をより一層推し進めます。
クラウドファンディングで制作した冊子「新作・猫型こけしができるまで」を使って販路開拓、クラウドファンディングの支援者が集まったコミュニティサロン「あとなる」を通して商品ラインアップを開発、クラウドファンディングCAMPFIREと姉妹関係にあるBASEでネットショップを開設、チームメンバーとの連携で開催する小さなこけし展。やるべきことは決まりました。これをひとつひとつ深堀して実現させていきます。
目指す目標は白石市内に工房を増やすこと。まずは3軒、いずれは30軒へ。世界を展望に入れてブランディング活動を進めてまいります。
あらたな大きな虹が次々と現れるように。