どんぐりすてーしょん活動で、新しくわかったことがあります。それは、日本の山の近代史が、若い生態学の研究者にさえほぼ伝わっていない事実です。
タイトルの画像は、昭和時代に国民的趣味と言っても良いほど普及した、お茶漬けのオマケ集めの絵です。
石油以前、燃料を森林資源に依存していた日本では、この江戸時代に描かれた東海道五十三次の絵のようにハゲ山が多く、さらに石川県の白山でさえ、皆伐の痕跡が見られます。
そして明治時代には治山事業が進み、広葉樹が大量に植樹されました。左図の昭和18年に出版された「森林と文化」鳥羽正雄著では、他府県から大量のどんぐり含む広葉樹が本州、四国、九州に植樹された記録を紹介しています。
もちろん現代も韓国産含む、他国、他府県のどんぐりが植樹されています。日本の山の原生林率は多少の誤差はあるでしょうが、0、25%と言われています。どんぐりすてーしょんが支援する、山のクマへの給餌は、勿論原生林ではありません。そんなものはなく、とんでもない誤解があるのです。
そして、山のクマへの給餌は、素人には危険ですし、机上の研究者にもできません。熟練者から方法を受け継ぎ、奥山に精通する稀な研究者のアドヴァイザー、現場観察と知識に優れたスタッフの指導があってできることです。
勿論、クマを本来の奥山に帰して山を守ってもらうことが大事であり、再生に取り組みたい。給餌は緊急事態対応です。
クマがたくさん出てくる理由は、人間活動による部分はなかなか伝えられていません。現在東北では1250ヶ所も大規模な自然エネルギー開発が進んでいます。現地の人はクマは環境省の数字以上に殺されていると言います。
どうぞ皆さま、日本の山の環境について、ご自身と子孫のために考えてください。クマが絶滅した山で災害が多く、クマが少なくなった山では保水力が低下しています。世界中で増える山火事が日本でも起こり、山の土壌が涸れているのでしょう。私たちの暮らしは山に支えられ、クマが守っていました。人間がクマより賢いとか、自然環境を支配できるとか、科学技術で補えるから大丈夫とか、それらは大変危険な非現実的な思想です。
山の虫の数が激減していることを指摘する昆虫研究者もいますが、今の山の状況さえ全く把握できていない、見てもわからない生態学の研究者も多いようです。これだけ虫が減ると受粉も減る、クマのごはんも激減しているということです。
日本に暮らすみんなのために、私たちはどんぐりすてーしょんでクマ緊急宣言をしました。