はじめまして。あしなが学生募金事務局の菊池留衣と申します。
コロナ禍で窮地に立たされている学生は少なくありません。飲食店の休業、時短営業が相次いだことにより、アルバイトの収入が減少し、生活していくのがやっとの状況で大学の休学・退学を考える学生や、学びたいこと・叶えたい夢を諦めかけている学生が多くいます。
また、街頭募金の中止により奨学金の原資確保が困難になったことで、遺児家庭の進学支援を継続できない可能性があります。現在、大学・短大・専門学校などに在籍する学生や、進学の希望を持つ遺児の支援を継続するため、クラウドファンディングを実施させていただくことになりました。
一般の学生にとっては当たり前でも、親を亡くしたり親に障がいがある家庭の学生にとっては決して当たり前でないことがあります。ここでは、ひとりの遺児としての私の経験や、思いを踏まえながら遺児にとって何が当たり前ではないのかを書いていきます。
私は、小学生の時に母をがんで亡くしました。
もともと母子家庭で、さらに病気の治療費も重なり、貧しい家庭で育ちました。
周囲の友人は好きなゲームや洋服を両親に買ってもらえるなか、欲しい物を我慢しなければいけないことも多くありました。
普通の家庭との違いは感じつつも、母が通院や入退院を繰り返しながら必死になって働き、私を育ててくれていることは子どもだった私なりに理解していましたし、私に寂しい思いをさせないよう、母は弱い姿は見せず気丈にふるまってくれていたため、嫌だとは思いませんでした。
薬の副作用や、病気の痛みに耐えながら闘病していた母を間近でみているうちに看護師になろうと思いました。
高校入学後は、看護師になるため進学をしたいと考えていました。
看護師になるには、専門学校か大学進学する必要があります。
私は、専門分野以外にも教養を身に着け、視野を広げられる4年制大学への進学を希望していました。
祖父と叔父は、私が大学へ進学したいと伝えると応援すると言ってくれましたが、家計を考えると学費の心配は強くありました。祖父の年金、叔父の収入だけでは生活が苦しくなってしまうことも分かっていたため、大学へ進学したい思いと経済的な不安を抱え、本当に大学へ進学して良いかとても悩みました。
私を含め、遺児家庭の学生たちは進学するのが当たり前ではありません。
家庭のことを考え、進学を諦めてしまう子どももいる一方で、進学が当たり前、深く考えずに進学を決める周囲の友人を見て、とても複雑な思いになりました。
一般の学生にとっても、進学は人生を左右する大きな決断であり悩みを抱えるものであると理解はしていました。
しかし、自分で奨学金を申請しながら、両親がいる家庭では当たり前のことが遺児学生にとっては当たり前ではないと実感せざるを得ませんでした。
高校三年生の間は、とにかく受験勉強に没頭しましたが、第一志望には届きませんでした。
経済的な余裕がない家庭で、浪人しても負担になってしまうことは私もよく分かっていましたが、一緒に生活する祖父と叔父に、浪人させてほしいと頭を下げました。
最初は、早く看護師になって就職してほしいと反対されましたが、最終的には一年だけ、という約束で承諾してくれました。
しかし、承諾してくれたとはいえ予備校に行く余裕はなく、大手予備校の価格の低い週一回90分の授業だけを受け、その他は独学で受験勉強をしました。
また、無理を言って浪人させてもらったため出来るだけ負担にならないよう、アルバイトを二つ掛け持ちしながら勉強をしました。
アルバイト代は模試の受験料、参考書代などに充て、大学の受験料は祖父と叔父が出してくれました。
新型コロナウイルスの影響で制約の多い大学生活を送る中で、後輩遺児を支援する街頭募金を通して、遺児の現状を訴えたいと思いあしなが学生募金事務局に入局しました。
入局した理由は、出来る限りあしながに関わっていたいと思ったからです。
高校からあしなが育英会の奨学金を借り、高校奨学生のつどいに参加するうち、この先も可能な限りあしながに関わっていたいという思いを持つようになりました。
あしながの存在のおかげで、私と同じように家庭に複雑な問題を抱える学生、私よりも苦労している学生に出会い、苦しいのは自分だけではないと、とても勇気づけられました。
あしながに出会う前の私は、引っ込み思案で周囲の顔色を窺い、自分の意見も押し殺してしまう性格でした。
ですが、あしながに出会ってからは、自分の考えも話せるようになり、「やらないで後悔するよりやって後悔しよう」と物事に積極的に取り組めるようになりました。
私が変われたのも、夢を諦めず進学できたのも奨学金のおかげです。
親を亡くした遺児学生や、親に障がいがある家庭の子どもたちは、普通の家庭とは違うとコンプレックスを抱えている場合も多く、経済的な理由から進学を諦めて就職を選ぶ子どもたちがいるのが現実です。
遺児学生にとって進学は当たり前ではありません。自分の進学したいという希望と、複雑な家庭との間でたくさん葛藤しながら、自身の進路を決めていきます。
私はまだ大学一年生ですが、進学ができて本当に良かったと感じています。進学ができなければ、看護師になる夢も諦めなければいけませんでした。
現在私は、ドクターヘリ業務を行うフライトナースを目指しています。
また、大学に入ってから、看護師と保健師のダブルライセンス取得に挑戦しようと新たな目標を持ちました。
今後のあしなが学生募金事務局の活動では、街頭募金が再開できるようになった際には、社会へ遺児の現状を訴えながら、自分がこれまでやったことのない分野の活動にも積極的に取り組んでいきたいです。
そして、進学したいという希望を持つ遺児の背中を押せる人になっていきたいです。
奨学金は遺児学生の希望です。奨学金のおかげで、夢を追いかけることができます。
遺児学生の持つ進学したいという希望や将来の夢を、経済的な理由で諦めずにすむ社会の実現のために様のご理解とご協力が必要です。
よろしくお願いいたします。
本キャンペーンでいただいたご寄付は全額、一般財団法人あしなが育英会への寄付となり、あしなが育英会が支援する遺児学生(日本・アフリカ)のための奨学金として使われます。
※今回の取り組みはAshinaga Global 100 Challengeの一環であり、一般財団法人あしなが育英会と連携して取り組んでおります
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
本プロジェクトでいただきましたご支援は、病気や災害・自死で親を亡くしたり親に障がいがある家庭の学生たちの奨学金として、全額を一般財団法人あしなが育英会に寄付し、大切に使用させていただきます。
ご支援者情報を一般財団法人あしなが育英会に提供のうえ、あしなが育英会より「年間活動報告書」と「寄付金受領証明書」を発送いたします。
※GoodMorningからの支援金の入金が2021年2月頃となりますため、リターンの発送は2022年2~3月頃となります。
※①2020年中にご支援いただいた方で2020年1~12月分の活動報告書の受け取りをご希望される方、または②本プロジェクトへの寄付金の「領収書」を2021年3月以降早期に受け取りたい方がいらっしゃいましたら、備考欄にその旨をご記入ください。
※本クラウドファンディングへのご支援は税制上の優遇措置の対象とはなりません。あらかじめご注意ください。
50年の歴史を持つ、遺児支援のための募金活動に取り組む学生団体です。毎年春と秋の4日間、全国約200か所で実施している街頭募金は、毎回のべ1万人のボランティアスタッフが参加する国内最大規模の募金活動で年間約2億5千万円のご寄付が寄せられます。
いただいた募金はすべて一般財団法人あしなが育英会へ寄付し、あしなが育英会の奨学金事業(国内奨学生事業・アフリカ遺児支援事業)のために使われています。
ウェブサイトはこちら:https://www.ashinaga-gakuseibokin.org/
◆あしなが学生募金公式サイトよりご寄付いただいた方には、あしなが学生募金事務局より領収証とお礼状をお送りいたします。
病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親に障がいがあり働けない家庭の子どもたちを支えている非営利の財団法人です。国などからの補助金・助成金は受けず、全事業を寄付によって運営しています。半世紀におよぶあしなが運動によって、これまでに11万人以上の遺児たちが高校・大学への進学を果たしてきました。 現在、日本国内では約6,500名(高校・短大・専門学校・大学・大学院)、サブサハラ・アフリカ教育支援事業では世界各地あわせて約120名の奨学生に奨学金支援(貸与・給付)と心のケア、リーダーシップ育成プログラムを提供しています。
ウェブサイトはこちら:https://www.ashinaga.org/
キャンペーン特設サイトはこちら:https://camp-fire.jp/goodmorning/channels/ashinaga
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