はじめまして。あしなが学生募金・関西エリア滋賀ブロックに所属している山本和弥(やまもとかずや)と申します。
「あしなが学生募金」は毎年、春と秋に全国で行われる街頭募金で約2億5000万円のご寄付をいただき、一般財団法人あしなが育英会を通じて病院・災害・自死などで親を亡くした子どもや、親に障がいがあるために働くことのできない家庭の子どもたち約7500人の奨学金を支援している団体です。また、募金活動は有志の大学生たちを中心に、募金活動拠点の確保や、募金終了後の集計までを主体的に行っています。今年度は新型コロナウイルスの影響で全面中止となり、街頭で遺児の現状や、金銭的な問題だけでなく精神的な問題を抱える遺児たちの存在を知っていただく機会を失ってしまいました。そこで、少しでも多くの人に、遺児学生にとってのあしなが支援の必要性や学生たちの想い・現状を伝えられるようクラウドファンディングでのプロジェクトを始めるに至りました。
このプロジェクトページで私自身の経験や想い・遺児学生たちの現状を掲載しています。ぜひ最後までご覧ください。
あしなが学生募金が支援している「遺児」とは、病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親が重度の障害のために働くことのできない家庭の子どもたちを指します。
私自身も、あしなが育英会の支援を受けることで大学進学を果たすことのできた遺児の一人です。
私は元々、父に障がいがあることからあしなが育英会の支援を受けていました。父は精神的な疾患を抱えていて、私が高校生のころから家の外に出ることをとても苦しく感じていたと思います。それでも父は短い時間ではあるものの頑張って仕事に行き、家計を支えてくれていました。大学進学には多額のお金が必要になるため、様々な奨学金を探してゆく中で、あしなが育英会の支援を受けることにしました。本当に情けない話なのですが、借りられると決まった当時は、親を失っていないのにも関わらず奨学金を受け取ることができるため、父の苦しみを知ることなく「ラッキー」だと考えていました。
しかし父親の病気に全く関心のないままの大学生活を過ごしていたある日、父は自ら命を絶ってしまいました。それまで、人が自殺するということはニュースやドラマの中の話でしかないと思っていたため、全く現実に起こっていることが理解できませんでした。徐々に時間がたって、父が死んでしまったという実感が湧いてきたとき、今までの自分の行い全てに後悔しました。それをきっかけに私は自分に全く自信が持てなくなってしまい、かなり消極的になりました。そんな中、初めてあしなが活動に関わることになります。
大学1年生の夏休み、私はあしなが育英会のプログラムの一つである「高校生のつどい」に参加しました。高校生のつどいは、あしなが学生募金で活動する大学生が主体となって、遺児の高校生とともに3泊4日のサマーキャンプを過ごし、全力で遊んで楽しんだり、自分の人生を深く考えたりするプログラムです。本来であれば大学生は高校生の心のケアを行うことが目的のプログラムですが、逆に私が高校生や大学生の想いに心を救われました。あしながの活動に参加するまでは、自分と似たような「遺児」は自分の周りにはおらず、そういった仲間と真剣に価値観を話し合う機会があまりなかったため、つどいの参加は私にとってのターニングポイントになりました。遺児の高校生の中には大学進学を経済的な理由で迷っているという子もおり、そういった子どもたちを自分自身でも支えていきたいという想いから、私は「あしなが学生募金」に参加するようになりました。
あしなが学生募金事務局の局員として初めて街頭募金に参加したのは、大学1年生の秋です。はじめのうちは不安がいっぱいで、自分から声を上げることができませんでした。そんなときに支えてくれたのが、同じ局員の先輩でした。その先輩の良い部分を少しずつ真似して、最終的には自分なりの言葉で呼びかけをすることができました。私の呼びかけを聞いてご寄付をしてくださった方が、「大変だと思うけど、がんばってね。」と声をかけてくださったことは、今でも覚えています。活動を続けていくうちに、仲間と意見が食い違ったりして、言い争うこともありました。しかし、言い争うほど真剣に試行錯誤したおかげで、大きな目標を達成したときには、何事にも代えられない喜びがありました。そして、街頭の皆様の温かさや似たような境遇で困っている遺児をほぼ直接支えることができるというやりがいから、私はこの活動を4年間続けることができました。
私が活動を4年間続けるにあたって、大切にしてきた「恩送り」という言葉があります。一般的に用いられるのは「恩返し」という、与えてもらった恩をそのまま返すという意味の言葉ですが、「恩送り」は上の世代から頂いた恩を次の世代の子どもたちへ繋いでゆくという意味で使っています。私たちが行っているあしなが学生募金の活動は、本来であれば無い方がいい活動です。しかし、親を失った子どもたちがいなくなることはあり得ないことであり、そのような境遇の遺児が教育を望む限り、活動は続けていくべきだと思います。もちろん、活動は楽しくやりがいがあるものだけではありません。時には涙を流したこともありました。先輩方の暖かい雰囲気づくりやノウハウの共有などがなければ、決してこの活動はここまで長く続くことはなかったと思います。私は今年で局員を卒業しますが、引き続き活動を続ける局員にはいままでの先輩が残してくれた温かい雰囲気を新しい局員へと繋いでいってほしいです。そして結束を固め、「恩送り」の精神を体現してもらいたいと思います。
あしなが育英会が行う遺児への支援の素晴らしいところは、経済的なものだけでなく精神的なものでもあると私は考えています。他の奨学金支援ではお金を振り込んで貰って終わり。もちろんそれだけでも助かるのですが、あしなが育英会の支援は同じ境遇の仲間と知り合える機会を与えてくれます。普段はできない相談事を親身になって聞いてくれる仲間は、私の大学生活で大きな支えになりました。これは、親を失った「当事者」だからこそわかる利点であると考えています。この支援は必要です。過去50年間の先輩が私たちに残してくださった「恩」を、次の世代の子どもたちへ「送る」、あしなが学生募金の「恩送り」に協力していただけないでしょうか?
ここまで読んでいただき本当にありがとうございます。
私にとっての最後の年は、新型コロナウイルスの影響で思うように動くことはできませんでしたが、このページを残すことで一人でも多くの方に遺児の現状を知っていただけたなら幸いです。
一人でも多くの遺児たちが進学を果たすことができますよう、みなさまの温かいご協力をよろしくお願いいたします。
本キャンペーンでいただいたご寄付は全額、一般財団法人あしなが育英会への寄付となり、あしなが育英会が支援する遺児学生(日本・アフリカ)のための奨学金として使われます。
※今回の取り組みはAshinaga Global 100 Challengeの一環であり、一般財団法人あしなが育英会と連携して取り組んでおります
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
本プロジェクトでいただきましたご支援は、病気や災害・自死で親を亡くしたり親に障がいがある家庭の学生たちの奨学金として、全額を一般財団法人あしなが育英会に寄付し、大切に使用させていただきます。
ご支援者情報を一般財団法人あしなが育英会に提供のうえ、あしなが育英会より「年間活動報告書」と「寄付金受領証明書」を発送いたします。
※GoodMorningからの支援金の入金が2021年2月頃となりますため、リターンの発送は2022年2~3月頃となります。
※①2020年中にご支援いただいた方で2020年1~12月分の活動報告書の受け取りをご希望される方、または②本プロジェクトへの寄付金の「領収書」を2021年3月以降早期に受け取りたい方がいらっしゃいましたら、備考欄にその旨をご記入ください。
50年の歴史を持つ、遺児支援のための募金活動に取り組む学生団体です。毎年春と秋の4日間、全国約200か所で実施している街頭募金は、毎回のべ1万人のボランティアスタッフが参加する国内最大規模の募金活動で年間約2億5千万円のご寄付が寄せられます。
いただいた募金はすべて一般財団法人あしなが育英会へ寄付し、あしなが育英会の奨学金事業(国内奨学生事業・アフリカ遺児支援事業)のために使われています。
ウェブサイトはこちらhttps://www.ashinaga-gakuseibokin.org/
◆あしなが学生募金公式サイトよりご寄付いただいた方には、あしなが学生募金事務局より領収証とお礼状をお送りいたします。
病気や災害、自死(自殺)などで親を亡くした子どもたちや、親に障がいがあり働けない家庭の子どもたちを支えている非営利の財団法人です。国などからの補助金・助成金は受けず、全事業を寄付によって運営しています。半世紀におよぶあしなが運動によって、これまでに11万人以上の遺児たちが高校・大学への進学を果たしてきました。 現在、日本国内では約6,500名(高校・短大・専門学校・大学・大学院)、サブサハラ・アフリカ教育支援事業では世界各地あわせて約120名の奨学生に奨学金支援(貸与・給付)と心のケア、リーダーシップ育成プログラムを提供しています。
ウェブサイトはこちら:https://www.ashinaga.org/
キャンペーン特設サイトはこちら:https://camp-fire.jp/goodmorning/channels/ashinaga
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