2021/02/18 15:25

こんにちは!

潮音寺の偏った歴史家の阿部です。


先日、16日に当寺住職の村上がi-fm茨城放送の『MUSIC STATE』に生出演しました。放送エリアの方はradikoで1週間は聞けますので是非。エリア外の方はradikoプレミアムで聞ける筈ですので会員の方はお聞きいただければ...。(https://radiko.jp/#!/ts/IBS/20210216130000)

またそのまま急遽ラジオつくばへも出演しました!


電信技術のはじまり

ラヂオ、テレビ、放送、etc...。今や普通に使うこの言葉たち、もともとはイタリア語ですので翻訳した人がいるはずです。日本人が電波電信技術を学んだ時は、ほぼ英語でしたが。

日本人で最初に電波電信技術を学んだのは苫米地貢(とまべち みつぎ)という人で、グリエルモ・マルコーニの下で技術を学び、日本へ紹介した人物です。ちなみに、マルコーニが開発したモールス電信機はあのタイタニック号にも搭載されていました。

↑苫米地貢氏

電信技術会の有名兄弟

この苫米地氏の弟に苫米地俊之(としゆき) がおります。当時、三井物産に務めてて九州帝大で法学部出身で多少ドイツ語と英語が使えたので、兄の貢氏に「法律に詳しく独語英語も使えるから電波電信技術を日本に広げるのを手伝ってほしい」と言われ、二人でアンテナや機器を持って日本中を行脚しました。長野高等女学校も訪れ、後に俊之氏の妻になる原文子も目撃したそうです。この兄弟が後に苫米地兄弟として有名になりました。

放送という言葉

それまで専門用語は全て英語で当初はそのまま発音していたそうですが日本人には難しく学校などで講義(今で言うデモンストレーション)で広く浸透させる為には、簡単もしくは翻訳する必要が出てきました。しかし兄の貢氏は研究と日本初の放送局設立に奔走していたので忙しく、 時間がなかったので弟の俊之氏が20歳ほど年上の長兄、苫米地英俊氏に相談したそうです。

この苫米地英俊氏は日本でレルヒ少佐と共に初めてスキーをしたうちの一人であり、小樽高等商業学校の第3代校長、講道館理事、衆参両議院を歴任された方で、東京MXのニッポン・ダンディに2014年まで出演していたドクター苫米地(苫米地英人)氏の祖父になります。

そもそも、長野出身の俊之氏が東京の郁文館中学へ出て来れたのは当時、講道館にいた兄を頼ったからでした。俊之氏は後に水戸高等学校を経て九州帝大へ進みました。なお英俊、俊之は柔道界でも苫米地兄弟として有名だったそうです。

話しがそれましたので元に戻すと、当初俊之氏はRadioを『受信機』と訳したものの「難しくて浸透しにくいだろう...」と考え、結局そのまま日本人の発音に合わせたラヂオとし、Broadcastingは難しいので前述の英俊氏と相談のうえ『放送』と訳しました。 後にTelevisionも『受像機』と訳したものの同じ理由でテレビとしています。 

研究者故の無欲

1933年11月突如マルコーニが日本を訪れました。

当時、(社)東京放送局(現NHK)の企画課長だった貢氏がイタリア大使、大倉組総帥と共に出迎えの栄誉を受けたのはマルコーニ氏と面識があった為と思われます。

電波電信技術を日本で初めて学び日本に紹介した苫米地兄弟ですが、東京放送局発足時に総裁や理事長などの要職には就きませんでした。結局二人とも研究者でしたので、椅子に座っているよりも現場で研究していたかった様です。俊之氏は後に昭南(現シンガポール)放送局長、富山放送局長、熊本放送局放送部長を歴任されてます。富山放送局長時代には棟方志功と親交があり、「立山連峰を望む海岸風景」 を寄贈されました。富山放送局長を退任する際には「この絵は富山放送局長として贈られたのだから、放送局へ置いていく!」と言い現在はNHK所蔵のまま南砺市立 福光美術館に寄託されてます。

進歩の影

後に二人はテレビの開発にも携わり、東京は世田谷区砧(きぬた)にある技術研究所(現:NHK放送技術研究所)へ通い詰めていたそうでうす。現在も技研では最新の放送技術が研究され続けていますが技研にも愛宕山の博物館にも苫米地兄弟の話は一切なく、名前も見つかりません。こうして知っている人間が少しずつ語り続けるしかないのかもしれません。放送に限らず技術が発展する陰には作り上げた人たちの努力があった事を忘れてはいけないでしょう。

放送進化で誰でも配信できる時代

しかし発展の結果、遠くの事がリアルタイムで分かるようになりテレビやスマホなどで楽しめる様になってきました。 youtubeやインスタグラムなど様々なアプリによりスマホなど簡単な機材されあればだれでも『放送局長』になれる時代が来ました。

今回の『花あかり』はyoutubeで生配信され、リターン品に含まれる当日DVDには含まれない生配信を見た方だけしか見られない特別コンテンツもあります。

遠くにお住まいで当日来れない方はぜひともyoutube liveでお楽しみください!!

慈母観音潮音寺チャンネル 

https://www.youtube.com/channel/UC8N7RPZok97mX2gOmXOL_Xg