竜平少年は、言いたいことを言えず、
自分を表現することも出来ず、
いつも我慢していました。
「自分の意思くらい自分で示せ!」、
「もっと自分を出せ!」と言われ続けてきました。
でもそんな言葉でそうなるはずもなく、
逆に自信を無くしていくばかりでした。
そんな竜平少年も
マンガ『はじめの一歩』が切っ掛けでボクシングを始め、
次第に自信を取り戻し、
ある程度言いたいことも言えるようになってきました。
そして大人になった杉田竜平はこう思っています。
竜平少年はあの頃我慢していたのではなく、
辛抱すること、感情を抑えること、
耐え忍ぶことを
そこで学んだのではないかと。
『論語』の中で孔子がこんな一説を残しています。
【巧言令色鮮し仁】(こうげんれいしょくすくなしじん)
巧みな方便を用いて
媚びへつらう人物にろくなものはいないということ。
【剛毅木訥仁に近し】(ごうきぼくとつじんにちかし)
飾り気はないが
自分の意思がはっきりとしている者は
ひとかどの人物であるということ。
日本人は思ったことを口に出して言わないと揶揄されますが、
決してそれは悪いことではない。
自分自身、立て板に水の如く
理路整然と話せるようになりたいと思っていましたが、
必ずしもそれが良いわけではなく、
むしろ今のままでいいのだと気付かされました。
竜平少年のような子、たくさんいると思います。
杉田ジムではボクシングはもとより、
そういったことも伝えていけたらと思います。
子供達には叱責ではなく、
勇気を与えられるような言葉を掛けてあげたいです。