街じゅうが
朝なのだった
店を出て
これから眠る
僕ら以外は
ゆうべから今朝にかけては小雨の中、
自転車で新宿から阿佐ヶ谷まで帰りました。
途中、雨脚が強くなり、
ファミレスで雨やどりしました。
そしてツイッターで、
以下のようなつぶやきを見ました。
《枡野さんの短歌Tシャツ、
XXXLサイズ申し込んだらワンピースみたいに着れないかなあ。
下にショートパンツ履いて。》
奈良絵里子さんのツイートです。
お答えします。
「着られます!」
この記事のトップ写真の
サイズ感をご参照ください。
(XXXLサイズ着用の長井短さんは身長172cm)
ショートパンツとか
レギンスとか合わせるといいですよね。
*
P.18「街じゅうが朝」の短歌には、
P.16「毎日のように手紙」の短歌と同じ
「以外」という言葉が出てきます。
だから20首を選ぶとき
当初は外していたのですが、
デザイナー谷田浩氏の一声で復活しました。
*
昨今はこのようなレトリックの「以外」、
けっこうよく見る気がしますが、
P.16「毎日のように手紙」を詠んだ二十歳のころは、
ちょっとした発見だと自分では思っていました。
もちろん短歌は歴史があるから、
たいてい前例はあるものですが。
P.18「街じゅうが朝」のほうが比較的新しく、
最初の歌集を出す直前くらい、
つまり二十八歳くらいで詠んだ短歌のはず。
階段に
すわって朝を
待ちながら
ゆうべの夢を
うちあけ合った
という1首と、
作者の中では対になっている1首です。
(短歌と文=枡野浩一、撮影=植本一子)