先週の火曜日に、10時間ちかくかけてやった映画「唇からナイフ」のビデオコンテ製作初日は、とにかく手探り状態で、発見もあったが、ロスタイムも多かった。ビデオコンテは、映像としての精度を上げることではなく、最終的にどういった映画を目指すために全員がどういった演技をし、何を準備すればいいのかということがわかればいい。
あれから1週間そのコミニュケーションツールとしてのビデオコンテは何かと言うことをずっと考えていた。本当に身悶えする位に。そして今日も半日あれこれ考えていて、ついにひらめいた。
すべて出来上がった後に理由付けするならばそれはこういったことだ。島本和彦さんの漫画「アオイホノ」の中に、学生時代庵野秀明さんが自主制作した、ウルトラマンの話が出てくる。そこでホノオくんが驚嘆したのは、実際にウルトラマンで使われている音に映像はめ込んでいくということでやる気を出したと言うことだった。
私が今やろうとしてる、いちど演劇で上演したビデオ素材はあるわけで、そのビデオ素材から音声だけを抜き出し、これからやろうとしているカット割の映像をその上に乗せていけば、ビデオコンテが作れるはずである。
音声データは、約1ヵ月以上稽古し、適正な間で、適正なニュアンスで上演された芝居の音声データであり、これを新たにプレスコと言う形で録り直すとしても、おそらくこのクオリティーのものを得ることができない。
しかし我々はそれを持っている。
それに合わせてあらかじめ字コンテを考え、レゴでセット組み、そのカット割の静止画に乗せていくと言う事で、完成品はどういう方向のどういったものになるのか、そのカットの意味は、どう見えるのか、といったことが一目瞭然のものができると思った時に少し震えた。
もちろん、全部が全部この方法でやるわけではないが、1つの指針として何か終えた気がする。
最初から最後まで全部作ってあるのだが、これが完成品だと思われても困るし(笑)なんだ「マイキー」で見たよと思われるのも嫌なので、1部だけYouTubeに上げたものを公開します。
いやあ、これはなかなかすごい思いつきだと思う。