皆様、多くのご支援をありがとうございます。
今日は、アクティビティのご報告ではなく、私たちボランティアにとっても一番嬉しい出来事のご報告です!
野良猫の命は、家で飼われている猫達より短いと言われていますが、栄養不足、病気、交通事故いろいろな困難の中で生き延びていける猫達は、やはり少ないですよね。
ですが、私が猫達にご飯を上げているモールには長い間、顔馴染になっている猫が何匹かいます。その猫達の中でも、際立って高齢(人間でいっても、米寿も近いかも)だった”オールドさん”が今年の1月、偶然モールに立ち寄った娘さんとお母さんの親子に、引き取られていったのです。そんなラッキーな事は今までで初めてです。(ほとんどの人は可愛い子猫を飼いたいという人が多いですよね。)
引き取られる前のオールドさんは、過酷な生活で身体も汚れて、ご飯を食べることもようやくといった感じの日がよくありました。私がご飯をあげても、ご飯ではなくずっと誰かを待っているかのような風情でした。
(オールドさんは、モールでも有名なボス猫で、気にかけている方も何人かいました。その中でも2年前に高齢のためメキシコに帰ってしまったマリアさんは週に何度か遠い所からバスを乗り継ぎ、モールにご飯とお水を持ってきてくれていましたが、そのマリアさんとオールドさんは不思議な絆で結ばれていたような感じで、そのマリアさんにオールドさんはもう一度会いたいとずっと待っているような気がしていたのです。)
しかし、そんなオールドさんの頑張りを神様がわかってくれたのか、薄汚れてしまった手や、片目も色が変わってしまったオールドさんを引き取りたいと言ってくださった方が突然現れたのです。その親子の方のお母さんのお名前は、ラストネームが日本の名字なのでもしかしたら日系の方なのかもしれません。
オールドさんを引き取られた後、すぐに病院で健康診断に行ってくださったり、安眠できるようなベッドを用意してくださったり本当に自分の子供のように面倒を見てくれています。
オールドさんの片目は残念な事に数年前に見えなくなってしまっており、回復の見込みはないそうです。両耳は何年か前に、誰かの手によって切られてしまったのではないかと先生の診断だったそうです。猫エイズにもかかっているので、他の猫とは一緒にはできませんが、自由に歩き回れるスペースも用意してくれて、ゆったりご隠居生活を楽しんでいるようです。
オールドさんという名前は、私が勝手につけた名前ですが、今は”KAZU”と呼ばれているそうです。そのお母さんに”どうしてオールドさんを引き取りたいと思われたんですか?”と聞くと、”子猫や若い猫は、飼うのは簡単じゃないですか!せっかく飼ってあげるのならば、もしも短い命だとしてもなんとかしてあげたいと努力できるでしょう”というお返事に胸が熱くなりました。
こんなに嬉しい事があると、ボランティアをやっていて本当に良かったと報われた気持ちになります。やはり毎日ご飯をきちんと食べていけることで、猫達の寿命も格段に違うでしょうし、もしかしたらオールドさんのように幸せな毎日が突然やってくるかもしれないんです!
人間も同じで、どんなに年をとっても諦めないでいる事で、人生は実りあるものに変わるのかもしれません。
*そのお母さんから、KAZUの写真がたまに送られてきます。その数枚を今日はご紹介したいと思い、投稿させていただきました。
モールの猫達にいっぱいご飯をあげられる様に皆様のご支援を大切に使わせていただきます!Mahalo!
*このイラストは、日本で猫ちゃん達の絵を描いてくれている”Moe Kozaki"さんにお願いしてオールドさんを描いてもらいました。オールドさんにはお達者で”米寿”を迎えていただきたい思いを込めて、黄色のちゃんちゃんこを着ています。