お礼の品のイラストを描いたニコの母です。
ニコは、お絵描きが大好きな小学1年生のダウン症がある男の子です。
毎朝、起きるとすぐに「おえかき!!」と言い、紙にのびのびとペンを走らせています。まだお話が上手ではないのですが、心の中は空想であふれているんだなと、描かれる絵をみては、嬉しい気持ちになります。今回はこのようにバッグやタオルのお礼品にニコのイラストを使っていただいて、とても良い記念になりました。
ニコは、地元の公立小学校の通常の学級に在籍しています。
ダウン症のあるニコをクラスに迎えるにあたり、先生や支援者らははじめのうち不安顔でした。それもそのはず。都内の小学校の通常学級で「愛の手帳」を所有する知的障害児は、児童1万人に1人しかいないんですって。おそらく長い教員人生で1度あるかないかの出来事なのだと思います。
ニコの外見は3-4歳ということもあり、幼児のように扱われてしまう場面がよくありました。心は育っているニコとしては、それが不満なようで、声をあげて怒り、逃げ回って会話に応じないなど、学校での最初の日々はなかなかハードでした。
しかし、学校で過ごす時間が増えてくると、ニコがお話はできなくてとも、周りの様子を見ていることや、お話を聞こうとしていることに気がついてくれるようになり、先生や支援者ともやりとりがスムーズになっていきました。
もし「あいちゃんのひみつ」が先生たちの手元に早く届いていたら、もう少しニコのことを先生や学校も早くわかってくれていたのかもしれないなと思います。ダウン症のある子を迎えてくださる保育所や学校等で、この本を手に取っていただくことで、理解が深まっていくことを願っています。
龍円あいり