2021/04/25 14:00

「ご飯茶碗に付いたお米も大事に食べるんだよ」と小さい頃から教わってきました。

お米を大切にする気持ちが、この地域には古くから伝わっています。


 お米づくりは食べて終わりではありません。

稲わら、もみ殻、米ぬか等を燻炭にしたり田畑にすき込んだり、

余すことなく使い切ります。


収穫作業の時にでる残渣でさえもゴミとして捨てるのではなく、 

堆肥として無駄なく活用してきました。

それらをこの地域では、

「ぼっちゃら」という方言で呼んでいました。


今では、その言葉を知る人もほとんどいません。

語り継がれてきた昔話や民話、縄もじりや俵の編み方等、

一旦途切れてしまったら、取り戻せないものがたくさんあります。


日本にある、物や方言、食べ物を大切にする文化。

これらも「ぼっちゃら」のひとつとして、ぜひ守り紡いでいきたいですね。

人ひとりの力は小さいものですが、

できるだけ多く聞いて、触れて、感じて、

大切なものをしっかりと伝え残していけたらと思います。


後藤 千夏