はじめに・ご挨拶
栃薮啓太(とちやぶ・けいた)と申します。2019年秋、広島に本社がある地方新聞社を65歳定年で退職しました。現在パーシモンという個人経営体をつくり代表を務めています。現役の41年半は報道にかかわることが多かったのですが、退職後は身体を使って直接地域に役立つ活動がしたく、かねてより気になっていた柿の実の放置の解消に取り組んでいます。
このプロジェクトで実現したいこと
プロジェクト名は「熊こないで柿酢づくり」です。
最近、クマが民家そばや町なかで目撃されたり人に危害を加えたりするニュースが全国的によく聞かれますね。山にエサが乏しくなり人里に下りてくるのですが、熟して放置されっぱなしの柿の実もクマを誘引する一因になっているんです。私たちの柿を食べる習慣が薄れたうえ、里山はお年寄りばかりになりなかなか柿もぎができないのです。
そこで、代わりに柿をもいであげ、せっかくの柿の実を有効に活用するため健康にいい柿酢をつくる。酢を造るのは加工方法で一番手間がかからないからです。その柿酢を販売し翌年の柿もぎ・運搬・醸造の費用に充て持続可能な「熊よけ」サイクルを築けないか、を最大の目的にプロジェクトを立ち上げました。
私たちの地域のご紹介
私の住む広島市は人口120万人。中四国随一の都市でカキと言えば、海の牡蠣(カキ)で有名ですが、少し中国山地に入れば山が深くクマが出没したり、柿が鈴なりになったりする地域も多くあります。広島県内のクマの目撃件数は2020年1,196件と、前年(638件)の2倍近くに増え、人身被害も4件とこの数年では最多でした。人とクマの境い目がなくなりつつあります。
プロジェクトを立ち上げた背景
秋の澄んだ青空に赤い柿の実が映えます。とても美しい光景なのですがそのまま熟して落下しているのをみて「もったいない」と思ったのが着想の始まりです。この柿の実を集めて何かに使えないだろうか。しかもクマを人家近くに誘引する一因になっているなら、事態は「もったいない」ではすみません。もったいない問題を解決しながら里山の安心安全につなげたい、この一石二鳥を目的にしています。
これまでの活動
退職直後の2019年秋、広島市安佐北区の知り合いの農家で採らせてもらった約70ℓの渋柿を尾道市の造酢会社に持ち込み、翌年春に35ℓの柿酢ができました。試験醸造でしたがまずまずの出来栄えでした。
2020年秋は、広島市のほかクマが生息する中国山地の山県郡安芸太田町、北広島町、安芸高田市でも農家の協力を得て、知り合い・親戚やこうした問題に関心がある都市生活者に手伝ってもらい計700ℓを収穫。ヘタをとって65ℓ入り容器12個に漬け込みました。柿は発酵して約400ℓの液状となり今年3月現在安芸太田町で熟成中です。ふたを開けるとアルコールのにおいに混じって酢っぱい香りも漂います。2021年秋はさらに協力農家を増やして漬け込み量も1,000ℓを目指したい。
資金の使い道・実施スケジュール
支援金の目標額は80万円(手数料除く手取り)です。使途の内訳は以下の通りで一部は本人貸しにより既に購入ずみです
【資金使途】
・柿もぎ器具、ヘルメット、かご、漬け込み容器など購入費 150,000円
・柿もぎ、輸送、漬け込み費用(日当、弁当代、レンタカーなど) 150,000円
・ホームページ作成、商品名考案、ラベル作成費用 150,000円
・最終醸造加工・ボトリング委託費 350,000円
【実施スケジュール】
20年10~11月 柿もぎ、柿漬け込み
21年 2月 プロジェクトPR用HP開設
3月 柿酢の商品名、ラベルデザインなど内定
4月~5月 食酢メーカーに柿酢になる前の液を持ち込み最終加工を委託
5月14日 クラウドファンディング終了
6月 里山イベントがあればブース展開でPR
6月~7月 リターン発送
リターンのご紹介
リターンは出来上がった柿酢を考えています。
柿は収穫後、ヘタをとり軽く拭いた後65ℓ容器に漬け込み発酵させます。液化し「柿ワイン」状態になった約半年後の4月か5月に、柿酢醸造では実績のある老舗食酢メーカー「尾道造酢株式会社」(広島県尾道市)に持ち込みます。再発酵と食品衛生上の工程を経てボトリングされたものをこちらで引き取り、リターンの作業に入ります。できた酢は、水一滴加えていない柿100%。柿は栽培ものではないので農薬は全く使っていません。 水で8~10倍に薄めて健康ドリンクに、上品な甘さを生かして酢の物やドレッシング用としてお使いください。
柿酢はほかの酢に比べあまりなじみがないかもしれませんが、主に高級食品スーパーに置いてあり500ml入りで1,500円から2,000円が一般的な売価です。プロジェクトでは500ml入りと300ml入りの2種のボトルをつくる予定です。価格は未定ですが商品名は「鈴」(すず)と決めております。「柿は鈴なり、クマよけには鈴」がネーミングの由来です。
試作段階のラベル、空瓶(500ml)です
最後に
私自身も柿ができる中山間地域の出身です。里山のたいていの農家には1本2本の柿の木があり、どうということもない風景です。しかし実は1本1本に「おじいさんが生まれた時に記念で植えた」「おばあちゃんが嫁入りした時に植えたらしい」など、甘いものが貴重だった時代の家族のヒストリーがあります。クマによる被害が増えてきた昨今、行政サイドは相談を受けたら伐倒を進めています。仕方がありません。ただ私たちがもう少し柿の木に注目し、その価値をもう一度再認識できたら少しは後世に残せるかもしれません。まずはこのプロジェクトを成功させ、次は全国各地にこの手法が広がるよう普及活動を実施したいと思っています。なお、完成したばかりのホームページのアドレスを以下に掲載します。一度目を通していただければ幸いです。
https://kakisu.wixsite.com/kakisu-suzu
<All-in方式の場合>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
最新の活動報告
もっと見る柿酢出来上がりました
2021/06/26 06:44こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
柿ワイン尾道到着
2021/04/27 19:01「熊こないで柿酢づくりプロジェクト」の進み具合のご報告です。広島県の山間部、安芸太田町で昨年秋から発酵させていた柿酢の原液を、東に約100㌔離れた尾道市の尾道造酢さんに持ち込ませていただきました。ここで圧搾、殺菌処理、再発酵を経て順調なら5月下旬に柿酢が完成しボトルに詰められる予定です。原液の「柿ワイン」は計約400ℓになりました。容器のふたを取るとアルコールと酸っぱいにおいが充満します。工場の方はひと目見て「きれいにできていますね。いい酢ができそうですよ」とうれしいことを言ってくださいました。いい柿酢ができ、応援していただいている皆さんに届けられる日を楽しみにしています。 パーシモン 栃薮啓太 もっと見る
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