前回は、インテリアジュエリーの初期の作品について説明しましたが、今回は、[tree]のイメージに行き着いた過程を紹介します。
初期の作品は、浮遊感をどう表現するか?どう、室内に置かれるかを考え、「フレーム」がキーワードだったのですが、ある時、そのフレームを窓際に置いたところ、窓の向こうに景色が見えたのです。フレーム越しに見える景色は、切り取られた景色で、その中に、木があると、景色が増幅するのかな?と、思い、作り始めました。
このイメージが、タイミングよく、2019年秋から神奈川県立近代美術館で開催される「カイ・フランク展」のミュージアムショップで展示販売したいというお話を頂きました。
カイ・フランクは、フィンランドの有名なプロダクトデザイナーで、北欧好きの方なら知っているiittala(イッタラ)の食器をたくさんデザインしているデザイナーです。
もちろん、私もフィンランドで生活をしていて、デザインにかかわっていたので、喜んで展示販売させて頂きました。
しかし、初期のフレームタイプの真鍮のtreeは、技術的に難易度が高く、価格が10万円前後になってしまうものでした。
■真鍮は熱膨張が大きく、1か所ずつろう付け(溶接)していくと、フレームの線が伸び、最後の1か所をろう付けするとき、ズレが生じることがあるという難しさ。
■細かな細工のtree部分と、熱容量が大きいフレームの部分をろう付けするのは、神技レベル。フレームを温めている間に、treeに使われているパーツが溶けてしまうことがあり、完成間近でボツになってしまうことがある難しさ。
■フレームがあることにより、tree部分を磨くには、大きな機械で一挙に磨くことが難しく、手磨きという時間がかかる大変さ。
■フレームの外側を磨くのは簡単ですが、内側を磨くのは、treeの繊細な装飾が邪魔をするので、磨くのをあきらめ、内側だけは、あえて燻し加工にする。
以上のように、とてつもなく、時間と技術がかかるため、多くの人に届けるというより、アート作品となっていました。(これは、これで、続けていくつもりですが!)
新しい「真鍮のtree」は、これまでこだわっていた「フレーム」から離れ、異素材の「本物の木」を見出したことにより、もっと木のデザインを楽しめるようになり、製造工程も抑えることが出来ました。そのことは、多くの方に、「よせもの」作品を届け、クラウドファンディングで紹介できる価格帯になり、「よせもの」を知って頂くことが出来るようになったと思っています。
簡単に書くつもりが、長文になってしまいましたね!
フレームタイプの作品は、今後、時期を決めて、個展などを開催し、販売するアート作品とする予定です。ご興味ある方は、ぜひ、MASAAKi TAKAHASHiのサイトで、メルマガ登録をしていただけると、情報を発信させて頂きます。
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