2021/04/07 13:48

昨年夏、「おのみち展」という企画展を2週間かけてやりました。最初は元気がなくなっていた尾道を勝手に盛り上げて、GWに行きたいと思う人を増やそうと、4月に計画していました。

もともと尾道は、個人的にとても思い入れのある場所。尾道という場所を知ったのは、大学生の頃。大林宣彦監督の映画作品と、そこに出てきたあの情景に、一目惚れしてしまいました。初めて足を踏み入れたのは、社会人になってからで、1986年の夏でした。その頃は当然、デジカメなどなく、銀塩で撮りました(https://www.instagram.com/p/CBMJ3x-g6iM/)。倉敷出張のついでに足を伸ばしての撮影です。

2回目の訪問はちょっと間があいてしまいましたが、2013年夏でした。言い訳にしかなりませんが、仕事が内勤になって、遠方に行くついでがなくなってしまったからで、職場が変わりまた出張のついでに旅行に行けるようになりました。でも、27年たってもほとんど変わらぬ街に、驚きを感じたとともに、さらにノスタルジーを感じるようになりました。確かに坂の街で、家の建て替えが難しいということはあるのでしょうが、行くと落ち着きます。

3回目の訪問は2018年夏。この年は6月に大水害があって、あらかじめ計画していた倉敷・尾道旅行をいったんは中止しようと考えたのですが、地元にお金が落ちた方が復興つながると敢行しました。行ってみて、街の様子がちょっと違いました。商店街がなんとなく暗く活気があまりないんです。閉店がとても目立ちました。

こりゃ、なんとかしなくちゃと、思い立ったのが、「おのみち展」でした。

「おのみち展」はもともと、Instagramにあるように、今から8年前に撮った活気のある尾道の写真を展示する予定で、正月の段階には計画に入れていました。さらに、写真だけでなく、尾道に行ってもらおうと、歓呼医協会にお願いして、パンフレットやマップを送ってもらおうと思っていました。ところが計画を立てた途端に、コロナが始まりました。観光協会への連絡するどころではなくなってしまいました。

いったん中止した「おのみち展」でしたが、コロナが少し収まってきたころを見計らって、再度検討し、今度は自分の写真だけでなく、自分と同じ尾道好きに声をかけて、一般公募で作品(データ)を送ってもらい、こちらでプリントして、それを展示しました。実は準備期間も短かったので、集まるかなと思っていましたが、7人の方が送ってこられ、A4サイズのプリントを展示しました。初めて事前予約システムもつかいました。また、実際には使われませんでしたが、出展者と来場者をつなぐためのパソコンも、展示スペースに設置しました。終わった後は、出展者全員に展示で使ったプリントと全員の写真作品が入った図録を作成し、1部ずつお送りしました。

またやりたい。コロナ禍でますます観光客が減ってしまった尾道を盛り上げたい。第2弾を計画していました。4月3〜24日の約3週間というロングランを予定していました。初回よりさらに撮影場所を広げ(いわゆる尾道市内ということで、向島、因島、生口島もOKにしました)、商店をやっている方も出展しやすくするため、景色より「物」を重視した写真を募りことにしました。

ところが、3月の頭に、柳之森を閉じざるを得ない状況に陥り、「おのみち展ⅱ」を急きょ中止することになったのです。すでにお二方からの写真の応募があり、お詫び致しました。

実は今回、写真の集まりがあまりよくなく、例の宣言明けに尾道に写真を撮りに行くことにしていました。なるべく人に会わない手段で行こうと、寝台を使うことに決めました。もし、切符が取れなかったらそれも諦める予定でしたが、現地に一泊もしないで往復できる切符が取れました。その後に「おのみち展ⅱ」中止。尾道を写真を撮る必要がなくなってしまいました

でも、尾道行きにはもう一つの目的がありました。前回出展者の中に、ある人形を作る地元アーティストの方がいたのです。その方に会って、柳之森で、人形を撮った写真か人形そのものを柳之森で展示しないか、交渉に行く予定で連絡もしていました。直前になって柳之森を閉めることになり、展示ができなくなったことをさすがにメール一本で伝えるのはまずいと思い、尾道行きは敢行しました。そして、尾道でお会いすることができました。天気も良かったので、お寺の縁側で、人形を作られたいきさつや、その思想いを直に伺うことができました。

ギャラリー閉鎖を考え直すきっかけにもなりました。

柳之森を続けていなければ、尾道を盛り上げることはできない。その方のように、地方で頑張っておられるアーティストを応援することができない。

コロナで日本中、世界中が大変なことは分かっています。でも、いま柳之森がなくなってしまうと、尾道も地方のアーティストを応援することができなくなってしまいます。今しかありません。尾道に関わりのある方、地方のアーティストの方、ぜひ、柳之森存続のためのご支援をお願いします。必ず恩返しいたします。