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小説好きのあなたに近未来を届けます。

お届けする作品は『未来探検隊』の他三つです。四作品とも未発表。何れもワープロ原稿をワードの添付メールで送信。僕に送り先のメルアドが届き次第、直ちに送ります。スマホや他の携帯には送れても容量が大き過ぎて開けません。パソコンは大丈夫。ワードで圧縮せずに送るので今までの経験では問題なしでした。

現在の支援総額

18,000

1%

目標金額は1,000,000円

支援者数

4

募集終了まで残り

終了

このプロジェクトは、2021/04/05に募集を開始し、 4人の支援により 18,000円の資金を集め、 2021/06/04に募集を終了しました

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―氷空ゆめさま。

 返信。ありがとう。

『Casablanca』はCafe&ShotBar。食事も提

供しています。それで事務局を置くのに都合良し。一八日の一八時

には全員が揃います。七人が揃うことは滅多にありません。みんな

君たちに会うのを楽しみにしています。

 私が抱いているイメージは、同じ名称が二つあると、君たちと私

どもが、同一視されてしまう。それを避けたい。例えば『未来探検

隊Under一八』に対して『未来探検隊Over六九』とかの使

い分け。住み分け。もう一つは『Explorations Pa

rty on The Future』。略して『EPF』をどちら

かに付ける。こんな風に考えています。

 それと意見交換。互いのHPの感想を伝え合うと、それだけで意

見交換になるはずです。『未来探検隊』が私どもの他に、もうひと

つ立ち上がった。これは偶然ですが、偶然を大切にしたいとの想い

は七人の一致でした。この文面で合点して頂きましたでしょうか…。                                

                          岸部実 ―


 恐い目に会いそうにない。HPの内容に反して優しいお爺さんっ

て云う感じ。『EPF』はわたしも考えていた。『カサブランカ』

が気になる。何処かで聞いたような名前。七人の結束の秘密が『カ

サブランカ』にあるのでは…。氷空ゆめは鍵は此処に在ると確信。


―岸部実さま。

 気になって昨夜カサブランカを調べました。ネットで検索すると

映画のタイトル。これは観なければ…と近所のレンタルビデオに走

りました。ところが古い映画なのでDVDを置いていないとのこと。

ガックリしていると店長が調べてくれ、狸小路三丁目店に置いてあ

ると言われ、わたしは再びダッシュ。地下鉄の中でもダッシュ。

 在りました。

 白黒の映画を初めて観ました。

 時代はナチスドイツのパリ占領後まもなく。占領は一九四○年六

月一四日だから映画の設定はそれ以降。カサブランカはフランス領

モロッコの街の名前。『Casablanca』には、アメリカへ

の亡命を試みる、自由を求めアメリカに渡ろうとする白人で溢れて

いた。白人はみんな訳あり人。それとお金持ちみたい。お金が無い

とアメリカには辿り着けない。その白人たちをフランス警察とゲシ

ュタポが監視。フランス領だから地下抵抗組織はレジスタンス。フ

ランス警察はレジスタンスに寛容との印象。

 陽気なJazzが流れる店内。サムのピアノと管楽器が陽気を盛

り上げている。なのに映像から伝わってくるのは強い緊張感。

 わたしは息を止めていた。

『Casalbanca』のオーナーはリック。

 この店でリックはかつての恋人イルザと再会する。ここまではよ

くあるラヴロマンス。イルザはアメリカに逃げようとする夫とこの

街に辿り着いた。夫には常時尾行が…。

 こうなると次の展開が読めない。わたしは呼吸を整えた。

 イルザがサムにリクエスト。『As time goes by』。

 イルザのパリでの想い出の曲。

 勿論サムも覚えている。躊躇いながらもサムが弾き唄う。

 この曲は父が持っている映画音楽大全集で聴いたことあり。 

 リックはパリ占領の日にサムとパリから脱出。脱出を約束したイ

ルザはサムに手紙を残し駅に現れなかった。イルザはレジスタンス

の指導者の妻。共にナチに追われる身。

 イルザがパリでリックと出逢った時には、夫は捕まり、収容所に

入れられ、死亡記事が五回も載った。失意の時に出逢ったのがリッ

ク。ところが夫は生きていた。パリ郊外に匿われていた。イルザが

それを知ったのがパリから脱出する前日。

 

 イルザはリックに「貴方から離れない」。

 翌日飛行場でリックは、イルザに別れを告げ、夫と共にリスボン

行きの飛行機に乗るよう説得する。当時のポルトガルは中立国。

「もし私と君が此処に残ったら二人とも収容所行きだ」。

 リックは二人を追って来たゲシュタポを拳銃で撃つ。

 リックがイルザに別れを告げた。このシーンが山場。観せ場。

「俺たち三人の想いなど豆の小山にも値しない。それは君にも直に

分かるはず。俺には仕事がある。君は夫の事業を助けられる。君は

俺の仕事を助けられない」

 リックはイルザに男を見せた。

 わたしはまた息を止めていた。ナチに占領されたパリの現況とレ

ジスタンスは教科書で知っていた。地下に潜りナチと闘う人たち。

恋にも命がかかっていた。身を焦がす恋とは命がかかっている。身

を焦がす恋に憧れてしまうわたし。

 良かったのはイルザが「私たちどうなるの」。「パリでの想い出

がある」とリック。頂けないのが「君の瞳に乾杯」。

 この映画は名作のひとつなんだと思いました。

 先ずはアメリカのモンロー主義へのアメリカ人による批判。リッ

クはアメリカ国籍。スペイン内戦に参加。フランスでの地下活動。                        

リックはナチが嫌いなんだ。登場する白人は男も女も全員がお洒落。

特にイングリッドバーグマンは知性的な美人。その美人を引き立た

せていたのが衣装。今でも眼を惹くファッション。

 映画が創られていたのが一九四一年後半から。日本の真珠湾攻撃

は一九四一年十二月八日。映画を創っている最中にアメリカはモン

ロー主義を捨て対日独伊に参戦。

 日本で公開されたのが一九四六年六月十三日。恐らく東京。敗戦

から一年も経っていない。焼け野原の東京。東京ならば映画館は浅

草と思う。この映画を観た日本人は、何を感じ、何を想ったのか。

 ひとつだけ分かるのが新しい時代の到来。男はイングリットバー

グマンに痺れ、女はハンフリーボガードに熱狂。そしてサムが唄う

ように『As time goes by』を口ずさんだ。 日本人は

平和を実感。映画の時代が始まった。それは自由。                                  

 仲美子にも映画を観てもらい『Casablanca』に行きま

す。岸部さんが店に『Casablanca』と命名した背景が少

し分かりました。寄り道をしてしまいましたが、頑張って残りの五

作品を読みます。                 

                        氷空ゆめ ―

                                             

 『Over六九age』とは団塊の世代の二年後の人たち。氷空

ゆめは団塊の世代と二年後の人たちの違いが分からなかった。

 一九四七年…二、六七八、七九二人

 一九四八年…二、六八一、六二四人

 一九四九年…二、六六九、九三八人

 団塊の世代の新生児数がもの凄い。平成二九年の二.八倍強。団

塊とは地層の堆積岩の固い塊り。きっと競争の激しい時代を生き抜

いてきたんだ。

翌日、氷空ゆめは木村の教員室のドアを開いた。   

「先生。また教えて欲しくって」

「なんだ。またおっかない顔して」

「団塊の世代って、どんな人たちなの。一九四七年から四九年の間

に人口が急増しているのはどうして」

「『未来探検隊』の反響はどうだ」

「けっこう凄い。大半は応援と激励。中には冷やかしもある。それ

と女子高生に何ができるんだとの嘲りも。そんなのは無視」

「ゆめは自分の言葉で書いている。これが良い。悠久遥かも遥らし

い。継続は力だ。止めたらダメだぞ。先生も応援しているからな」

「先生。ありがとう」

「急激な新生児の増加は戦争だ。日本は戦争に敗けた。生き残った

兵隊は日本に大挙して引き上げて来た。その数はおよそ三〇〇万人。

食料も物資もなく混乱した敗戦直後。しかし平和になった。『欲し

がりません勝つまでは』が、遠い忌まわしい時代になり、日本人は

自由を実感したんだ。それで子供がたくさん生まれた」                           

「そうなんだ。娯楽もなく貧しいと子供が増える。それとは逆に娯

楽が満ち溢れ、食べ物にも困らない今は子供が減ってゆく」

「そうだ。団塊の世代は長らく日本の高度成長を牽引したんだ」                                                 

 氷空ゆめは読む次を決めかねていた。

 七つの作品はタイトルを読んでも見当がつかない。どれもタイト

ルを調べなければ書かれているタイトルすら理解できない。タイト

ルを調べても次から次へと分からない、初めて眼にする単語が出て

くる。それと文体が重厚。でもこれらは論文ではない。論理だけで

書いていない。自分に引き付けて書かれている。論文でなければ評

論…?…。評論を調べると『物事の価値・善悪・優劣などを批評し

論ずる』と広辞苑に書かれていた。何か違う。

 氷空ゆめは何か違うのか、その違いがハッキリしなかった。

 物事の価値・善悪・優劣などを批判的に評する人は偉いみたい。

まるで物事の価値・善悪・優劣を決める決定者のようだ。評論を書

く人は偉いのだ。評価を決められる人なのだ。しかし隊長さんもリ

ックさんも偉そうに書いていない。

 広辞苑は頼りにならない。

 タイトルが人の名前だと調べやすい。アウトラインが掴み易い。

先ずは『宮本顕治』。次は『福居良』に決めた。早速『宮本顕治』

と『福居良』をネットで検索した。他の三つはその後にじっくり読

むのが良し。『Casalbanca』まで五日も在る。


■4月12日にリターンを考えました。アップしています。


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