2022/03/22 16:35

Instagramにチタン製ダッチオーブンへの質問を頂いたのでお答えします

Q.チタン製だとこげつきませんか?

A. 他の金属(鋳物・鉄・ステンレス)と比べるとチタンはその傾向にありますが、ただしチタンの薄板製品と比較すると厚板のダッチオーブンははるかに焦げにくいです。
また、他の金属製ダッチオーブンを元々愛用していますが、チタン製ダッチオーブンだから焦げやすい印象は全くありません。

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チタンへの熱い思いから長文になります! 以下、説明です。

焦げはニガくて食べられなかったり、スープなど汁物だと全体に味が回り不味くなったり、臭いが料理に移ったり手間隙かけた料理が台無し、なんてこと、よくありますよね。また、食後の処理も大変です。

鍋調理やオーブン調理では、条件によっては火が鍋底の中心部に集中し中の食材が局所的に焦げてしまいがちです。

【焦げの仕組み】
金属の種類に限らずクッカーのような薄板の調理器具は底面に集中した熱が器具の側面などに伝達する前に、食材の鍋底に直接触れている部分に熱が入る為、局所的に高温になり、そのまま熱を与え続けると食材全体に伝わる前にその箇所が焦げてしまいます。
中身が液体の場合にも、中身を動かさないまま熱を与え続けると、熱が逃げず局所的に高温になり焦げてしまいます。熱で固まる内容だとその傾向は顕著です。

【チタンの特性】
銅やアルミなど熱伝導が比較的高い金属に比べると、熱伝導が低いチタンは他の金属製品に比べその傾向はさらに高まる為、「チタンは焦げやすい」という認識が広がっていて「それは間違いではない」と言えます。

「チタン製だとこげつきませんか?」という質問は「その傾向にあります」と答えることになりそうです・・汗

【チタン製ダッチオーブン】
しかし、このチタン製ダッチオーブンは底面にチタンの厚板を贅沢に使った作りなので、伝導率が低いチタンでも板からすぐに食材へ熱が移らず、底板全体や側面まで伝え焚き火の熱を分散しジンワリと温めることができます。

その点で、厚板のチタン製調理器具(あまり出会ったことがありません)ではなく、薄板(一般的に売られている0.5〜1.5mmなど)のチタン製クッカーなどと比較すると「焦げにくい」と言えます。
※軽さを追求している製品や中華鍋など取り回しを重視している製品には別のメリットがあり、用途が違います。
チタン製中華鍋は軽いので振る際大変楽です。振ることで、底面に当たる火を動かしたり中身を常に動かすこで局所的に熱くなるのを防ぎ満遍なく温め焦げも防ぎ、またチタンの特徴で熱をロスなく逃さず鍋が高温になるので、食材が水分を失う前に料理を完成させるので合理的な製品だと言えます。

実際に調理してみると使用感は全くの別物です!目の前でお見せできず残念ですが、是非手に取って体験して頂きたいです。

また、他の金属(鋳物・鉄・ステンレス)製ダッチオーブンも元々愛用していますが、チタン製ダッチオーブンだから焦げやすい印象は全くありません。
軽さやケアの簡単さ、金属臭がしないなどメリットを比べて頂けると幸いです。

【焦げ付かせないコツ】
①「混ぜる」や「ひっくり返す」という動作は熱を分散したり、逃がしたり焦げ付きを防止するのに効果があります。無水調理やオーブン調理などでも上記を適宜に行うことをおすすめします。原始的だけど合理的です!
➁炭火や熾火で火力を安定させ、距離を調整し満遍なく適度な温度で調理する。原始的だけど合理的です!
③薪や炭を焚き火台に広く配置して調理することで、中央に熱を集中させず底面を万遍なく温めます。
④オーブン調理ではオーブンシートなどを敷くことで、底面に直接触れない・液体が漏れないように敷くことで食材から出る脂や燻製の汁など、焦げる原因が食材から出ても焦げない。

①~④はチタン製だけではなく、他の金属製ダッチオーブンでも使えるコツです。
➁や③にはチタン製「ならでは」の調整があり、それを探るのがとても難しいですがとても楽しいです。制作サイドでも様々な失敗を何度も重ねた後コツを掴みました。
お手元に届いた際にはぜひ楽しんで下さい。(工夫をSNSなどで共有頂けると嬉しいです)

【焦げてしまった】
チタン製なのでガシガシ洗えます!ヘラや金束子で思いっきり擦る事ができ、チタンはそれらの素材より強い事が多いため、傷が付きづらく、対錆性が大変強い為、細かい事を気にする必要もありません。

「食洗機も使えシーズニング不要の為、ケアは他の金属に比べ楽になり、何よりめちゃくちゃ軽いのでキャンプの際は毎回持っていくようになりました」(製作者の経験談)

回答が長文になりすいません。
みなさまに使ってもらえる日を心から楽しみしています!