はじめに
「(認定)特定非営利活動法人ラオスのこども」は、ラオス出身のチャンタソンが日本の仲間たちとともに、1982年に活動を始めた団体です。私たちは、子どもたちが自らの力を伸ばし、人生を主体的に選択できるよう、日本とラオスの人々が共同しながら、読書に親しむ環境をつくることをめざしています。
おもに、「ラオス語図書や紙芝居の出版」「学校・地域での図書室の開設」「教員向けの図書室運営と図書活用の研修」「作家の発掘と育成」子どもが集い遊び学べる「子どもセンター」の運営支援などを行なっています。
このプロジェクトで実現したいこと
【ラオスの教育の現状、課題】
ラオスでは植民地時代の教育政策やベトナム戦争の影響など、歴史的・経済的・地理的なさまざまな要因で、教育環境の整備が不十分です。近年、ラオスの経済は首都ヴィエンチャンを中心に急速に成長していますが、教育の質の改善はまだ十分には進んでいません。とくに地方では書店や図書館がほとんどなく、家庭で本を読んだりする習慣もないため、子どもが本に親しむ機会が限られています。このような中、子ども達が十分な読み書きの能力や思考力、表現力を身につけることは難しく、子どもたちが人生を主体的に生きることが困難な状況が続いています。
【学校を拠点に子どもの読書の機会を拡げる】
私たちは、1995年からラオスで学校図書室の開設支援に取り組んでいます。ラオス国内に小中学校は11,000校あり、図書室が設置されている学校は10%程度とまだまだ圧倒的に少ないのが現状です。このプロジェクトは、学校を拠点に読書の機会を拡げ、読書の習慣を根付かせることで、子どもたちの成長を支援し、教育の充実に貢献するものです。
【ラオスの小中学校2校で図書室を開設】
当会ラオス事務所にはラオス各地から、学校に図書室を開設して欲しいというリクエストが寄せられています。その中から、中部のカムアン県またはヴィエンチャン県の2か所で学校図書室を開設します。学校の選定にあたっては、管轄する県の教育スポーツ局と連携し、「図書室とするための充分なスペースを確保できるか」「図書室を運営する担当教員を配置し、研修を実施できるか」「校長をはじめととした学校関係者が責任を持ち運営できるか」「近隣の図書室の設置状況」などの基準をもとに、最終的に図書室を寄贈する学校を選びます。
図書室にする部屋は、必要に応じて簡単な補修します。本棚、読書用の椅子などの家具、書籍400~450冊、図書室の運営に必要な文房具、本の補修に必要な道具を提供します。子どもの年齢に併せた図書を準備する他、教員や地域住民も活用出来るように大人向けの図書も入れます。
開設にあたり、図書室運営を担当する先生やボランティア生徒(=図書委員の役割)を対象に、図書室運営と図書の活用方法を理解し実習するセミナーを2日間に渡り実施します。先生も生徒も、教科書以外の本に触れたり図書室を利用した経験がほとんどないため、図書室の役割や運営方法を基礎から学んでもらいます。具体的には、本の登録や貸出カードの記入法、本の補修の仕方や、貸出の練習を繰り返し、子どもの興味をかき立てるための読み聞かせやゲームなどのノウハウを伝え、練習します。
このプロジェクトをやろうと思った理由
6歳になれば小学校に入り、卒業すれば中学校に入学出来るのが日本です。しかしラオスでは状況が違います。学校が遠い、授業がつまらない、先生の話す言葉(公用語であるラオ語)と自分が家で話す言葉(民族の言葉)が違い理解できないなどの理由から、十分に学べずに学校をドロップアウトしてしまうこともあるからです。小学校の卒業率は全国平均79.8%で(ラオス教育スポーツ省2019-2020)、入学した子どものうち5人に1人は卒業できずにいます。地方部では66%のところもあり、そのうちの約半数は低学年の1~2年生のうちにやめてしまっています。その結果、子どもたちは、社会で生きてゆく術を持てず、限られた仕事しか選べないなど、可能性を広げることがむずかしいまま育つことになります。この状況を少しでも改善するために、そして、ラオスの子どもたちの「学びたい」に応え、彼らがいきいきと成長することが出来るようにと、本を手がかりに教育環境を改善したいと思いました。
これまでの活動
1982年に仲間と始まった活動は、多くの皆さまのご支援により、これまでに、ラオス語図書226タイトル、約92万冊をラオスで出版し、配付してきました。また、329 校で図書室の開設を支援して、先生や生徒たち向けに図書室運営研修を行い、本を読む楽しさを伝えてきました。
実施した学校からは、「読書によって、子どもが授業を理解するのが早くなった」「文字の習得がスムーズになった」「図書活動があることで、子どもたちが学校を欠席しなくなってきた」「ラオス語はもちろんほかの教科の成績も伸びた」という効果を感じる声が寄せられています。
私たちが今取り組んでいるのは、子どもたちの「もっと読みたい」「もっと学びたい」を支える活動が、ラオスの人々自らにより担われ、広がりと深さを持つようになることです。
資金の使い道
【学校図書室開設費用2校分】以下の費用が含まれます
図書購入費(400~450冊)
本棚・椅子・床マット購入費
看板作成費
図書室管理用文具費
図書室運営開設セミナー実施費(図書輸送費、ガソリン代、講師料、講師スタッフ宿泊費等
事業管理費(手数料)
実施スケジュール
2021年6月~7月:学校の選定(県行政機関と共に、 候補校から選びます)
2021年7月~8月: 図書・備品購入、図書登録準備作業
2021年9月~11月:図書室の開設
(ラオスの新学期は9月から。学校と相談し開設日を決定します)
2021年12月:報告書(リターン)発送
最後に
身近にいつも本がある環境が出来ることで、子どもたちが新しい本、いろいろな種類の本を読むことができ、読書習慣を持つことができます。読書を通して、生きる上で欠かせない識字能力を獲得し、自分の可能性を広げることにつながります。子どもたちの生きる権利を守り、育つために必要な環境をつくる活動は、多くの皆さんにご支援をいただいて初めてなし得るものです。
ラオスの子どもたちの「学びたい」に応えるべく、ご支援ください。
<All-in方式で実施します。>
本プロジェクトはAll-in方式で実施します。目標金額に満たない場合も、計画を実行し、リターンをお届けします。
<寄付型クラウドファンディングの税制優遇について>
個人が非営利の特定の法人に対し、事業に関連する寄附をした場合には、 所得税(国税)の計算において、寄附金控除(所得控除)又は税額控除のいずれかを選択して確定申告を行うことにより、所得税の控除を受けられることがあります。税制上の優遇措置がこのプロジェクトにあるかどうか、また優遇措置の試算の詳細は当団体にお問い合わせください。
※「寄附金控除」「税額控除」をお受けいただくためには、確定申告の際に、当団体が発行した「領収証」の提出が必要となります。領収証は2021年12月頃にお送りする予定です。すぐに領収証が必要な方はご連絡ください。
※領収証はGoodMorning又はCAMPFIREではなく当団体が発行・郵送いたします。
【お問合せ先】
(認定)特定非営利活動法人ラオスのこども゙事務局
E-mail: alctk@deknoylao.net
最新の活動報告
もっと見る図書室が無事に開設できました。
2022/03/23 18:40こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
図書室開設日が決まりました!
2022/02/14 21:37プロジェクトにご支援いただいた皆様大変長らくお待たせしましたが、ご支援による学校図書室がようやく開設出来ることとなりましたので、ご報告致します。過日ご連絡しましたように、ラオスでは、新型コロナウイルスの影響により、全国的に移動制限の措置がとられ、学校では(一部ではオンライン授業を実施していましたが)、殆どの学校が9月から12月まで閉校となっていました。その後、徐々に制限が解除され、学校は1月から地域毎に様子をみながら再開されはじめました。そこで、ヴィエンチャン事務所の所長が対象地のカムワン県に赴き、学校現場の視察と教育局とスケジュールの打合せをしました。教育局での打合せの様子(左手前:現地事務所所長スラピー)打合せの結果、以下の日程で図書室を開設することが決まりました。・カムワン県ブアラパー郡 ブアラパー小学校:2月16-17日・カムワン県ニョムマラート郡 カムへー小学校:2月18-19日(なお、前回のご連絡で、学校名の表記を間違えていました。大変失礼しました)各学校の様子を少しご紹介します。■カムへー小学校:児童数140人(女子60人男子80人)キエンカム校長学校での先生方との打合せの様子図書室開設予定の建物■ブアラパー小学校:児童数201人(女子97人男子104人)チャンタノーム校長図書室を開設する教室内部のようす室内には教科書や教材などが机の上に重ねて置かれていました。図書室がオープンしたら、本棚に整理して入れて使えるように先生とスタッフが打ち合わせています。どちらの学校も、訪問時はまだ子どもたちが登校していませんでしたが、今は子どもたちが通い始めているそうです。図書室が無事に開設できましたら、その様子を皆様にご報告致します。引き続き、どうぞよろしくお願い致します。 もっと見る
図書室開設 延期のお知らせ
2021/10/09 15:00こちらの活動報告は支援者限定の公開です。
「なぜ2ヶ所なの?」という質問がありましたのでお答えします。 私たちは、年間3か所の図書室開設を計画していますが、次年度開設するための費用が、現時点でまだ1校分の資金しか集められていません。そこで、あと2校分の費用をこちらで集めたいと考えています。 図書室を作って欲しいというリクエストはたくさんきていて、3校だけで充分足りるというわけではありません。ただ、私たちの団体は小さく、現地事務所が駐在と現地スタッフを6名のみで全ての事業を動かしているため、出来ることには限りがあります。 一つの学校の図書室を開設するには、とても時間がかかります。図書室に必要な本を準備するにしても、ラオスでは大きな書店や卸売業者があるわけではないので、各出版元や小売り店をまわって、本を購入しなければなりません。 本は購入してくるだけではなく、図書室で管理や貸出ができるように、ラベルを貼ったり貸出カードを作ったりと、図書室に本を置くまでに準備しなければなりません。また、これまでに図書室を使ったことがない先生たちのために、運営の仕方をトレーニングします。 このように、ひとつの図書室を開設するためには、とても時間がかかります。 また、ラオスの学校は6月~8月の約3か月間は休みとなり、それ以外も、試験(小学校でも進級試験があります)の時期や、イベントの時期などは、図書室を開くことが出来ません。 このようなことから、1年間でたくさんの数を作ることができないため、まずは、年間で実施出来る数を決めて活動しています。