MUKUの愛するヒーローたちのプロダクトをご紹介です。
◆工藤みどり
ある時はふわふわと、夢見るように周囲の誰かに笑顔で話しかけたり。またある時は、一人自分の内側の世界に深く意識を沈めていたり。工藤のまなざしは、彼女の心だけに映る何かを追いかけてたゆたう。心を満たす幸福なイメージが浮かぶのか。それとも痛みや悲しみを心に映さないようにするためなのか。それとも。
工藤の製作は、瞑想から生み出されるような果てしなさがある。自分が今なにかを作り出しているという意識はあるのだろうかーー。彼女が描く時、縫う時、あるいはよくわからない「なにか」をしている時。ふとそんな疑問を感じさせる、不思議な空気が彼女の製作には漂っている。
◆高橋南
クーピーペンシルやクレヨンを塗り重ねることで作り上げられた作品は、一見すると、素早い鉛筆の動きを要する激しい制作態度を連想させる。
しかし実は、彼女の製作は非常にゆっくりと穏やかである。彼女の描きだすひとつひとつの色は、お互いに交じり合うことなく、それぞれにその美しさを主張しながら画面の上に現れ、激しさと静けさが不思議に同居しており、心を惹きつけられずにはいられない。
◆八重樫道代
ブラシマーカーを用い、躍動に満ちた膨大な形と色彩がひしめく緻密な画面を生み出す。小さな頃から塗り絵が好きだったが、初めて「自分の絵」を描き始めたのは19歳の時。以来、堰を切ったように鮮烈な色彩と精緻な構成からなる作品を次々に生み出していった。その後体調を崩したのをきっかけに、現在は制作をおこなっていない。
◆佐々木早苗
絵のみならず織り物、切り紙、刺繍など、いずれも緻密で色彩と構成の妙に富む様々な表現をおこなって来た。そして現在彼女が打ち込んでいるのは、通販カタログを1ページずつ、ボールペンの不思議な書き込みでじわじわと埋め尽くしていくこと。彼女は一つの仕事に数か月から数年集中して取り組んだあと、不意にやめて別の仕事に移るのが常。次はいつ、どんな制作が始まるのか。
◆小林覚
好きな音楽家はビリー・ジョエル、クイーン、井上陽水、スピッツ、THE BOOM...などなど。そして散歩が大好き。小林は養護学校中等部の在学中に、日記も作文もすべての文字を独特の形にアレンジして書くようになった。初め学校の先生も何とか直せないかと苦心したが、やがてこれを魅力的な造形表現ととらえることに切り替える。これを転機に、彼の表現は多くの人に喜びを与えるアートとして羽ばたき始めた。
◆八重樫季良
一見抽象的な幾何学パターンを描いたように見える絵だが、それが独自のアレンジによって描かれた建築物だと知ったら多くの人が驚くだろう。この表現様式を八重樫は子どもの頃、誰に習うことなく独創によって生み出し、以来半世紀余りにわたってこのただ一つのスタイルで創作し続けて来た。作品数はおそらく数千点に及ぶと思われる。その制作は、彼と色彩の間で永遠に交わされる睦まじい会話のようだ。