2023/03/03 16:51

フォークロアの宝庫であるトランシルヴァニア地方。

現地では手仕事の担い手が高齢化し、その存続が危ぶまれています。

このコロナ危機の中、お年寄りのおばあさんたちは 

人々との交流の機会も失われている現状ですが、

現地のおばあさんたちを元気にしつつ、 私たちも手仕事のメッセージを受け取り、

お互いを活気づけるプロジェクト。


今回はカロタセグ地方、シク村、バルツァシャーグ地方、 

ウドヴァルヘイ地方へと出かけます。

現地に15年在住の伝統手芸研究家が皆さまと 

トランシルヴァニアのおばあさんたちとの 橋渡しをして、

皆さまに手仕事の素晴らしさをお伝えます。

こちらの企画も、今回で第4回を迎えることになります。



プロジェクトが成立しましたら、

4月に現地のおばあさんたちから 手仕事のレクチャーをしてもらえる

ワークショップを企画いたします。

お忙しい方でもご参加いただけるよう、日にちもいくつかお選びいただけます。

日本にいながらにして、まるでトランシルヴァニアの村々を旅するような

そんな体験をしていただけます。

またワークショップの後にワークショップを編集した映像を、お送りさせていただきます。

たくさんの方々のご応募をお待ちしております。


講習費 2時間2500円 (ご希望の方には、簡易キットとして材料をお届けします。)



第1日 カロタセグのイーラーショシュ
4月15日(土)午後8時~10時 (現地時間午後2時~4時)


トランシルヴァニア西部、カロタセグに伝わる伝統刺繍イーラーショシュ。
その魅力は、赤や黒、青、白による単色のステッチと、
太いコードのようなラインを生かしたヴァリエーション豊かな図案にあります。
イーラーショシュの本場と呼べる上地方の村から、
イーラーショシュの研究で知られるシンコー・カタリンさんをお迎えします。
今回制作するのは、結婚式に使うロングクロスの伝統図案。
昔ながらの手織布を使い、型を使って実際に図案を描くやり方と、
一本の線にそって刺繍していく伝統的なイーラーショシュのステッチをお教えいたします。


第2日 シク村のアウトライン刺繍
4月16日(日)午後8時~10時 (現地時間午後2時~4時)


トランシルヴァニア西部、山のふもとにひっそりとたたずむシク村。
ハンガリーでは言わずとも知れたフォークロアの宝庫。
アコーディオンプリーツの袖がふくらむシャツやブラウス、
黒と赤を基調をするシックな衣装は人々の手によって大切に受け継がれています。
この村に伝わる古い刺繍、アウトライン刺しゅう。
普通は輪郭をえがくアウトラインステッチで、面をびっしりと密に埋めていく刺しゅうです。
今回は村で一番の刺繍職人ジュジおばあさんをお招きして、
職人芸と呼ぶにふさわしい刺繍の技を見せていただきます。
制作するのは、モミの枝、またはロウソクと呼ばれる伝統図案です。
アウトライン刺繍の醍醐味である、ステッチの流れにより、
空白が浮き上がる部分に焦点を当てて、
アウトラインで面の埋め方、線の描き方、網目のようなクロスのステッチをご紹介いたします。



第3日 バルツァシャーグのクロスステッチ
4月22日(土)午後8時~10時 (現地時間午後2時~4時)


バルツァシャーグは、トランシルヴァニア地方の東の果て、
中世から交易の拠点として栄えたブラショフの近くにあります。
ここでは古くからルーマニア人、ハンガリー人、ドイツ系ザクセン人が共存し、
互いに影響しあって、独特の文化が生まれました。
衣装職人でいらっしゃるグドゥリ・アンナおばあさんは、
20世紀はじめで途絶えた伝統衣装の制作を1から始め、
民俗衣装を村に根付かせた方です。
伝統の絵付け家具で彩られた美しい部屋が、ワークショップの舞台となります。
今回制作するのは、カーネーションの伝統図案をあしらった巾着です。
昔、冬の伝統行事で子供たちがお金を入れて持ち歩くのに使っていたものです。
クロスステッチ用布にパステルオレンジ色で刺繍をしていきます。



第4日 ウドヴァルヘイの刺繍

4月23日(日)午後8時~10時 (現地時間午後2時~4時)


カルパチア山脈の国境を守る兵士であったセーケイ人の末裔が暮らす、セーケイ地方。

その中でも、ウドヴァルヘイ地方はハンガリー人が多く暮らす地域として知られています。

1970年代に出版された「ウドヴァルヘイ地方の刺繍」の著者、

ゲルゲイ・ギゼッラさんのお弟子でおられるトードル・ヴィルマさんをお迎えします。

ウドヴァルヘイ地方の刺繍は、チェーンステッチだけと、

アウトライン刺繍に様々な技法を合わせたものとがありますが、

今回は後者のほうをお教えいたします。

制作するのは、鳥の図案の円形パースです。

輪郭の刺し方、空間の埋め方、ななめ格子と、格子の埋め方をお教えいたします。

またヴィルマさんに、ウドヴァルヘイ地方の衣装なども見せていただきます。



*参加者の方々にはZOOMミーティングをダウンロードしていただき、
それを通じてワークショップを行います。(1回につき100名まで参加可能)
ワークショップ数日前に一度テストをいたします。


*資金の関係上、1つのWSにつき24名以上集まった時点で決行とさせていただきます。
最低募集人数24名さまが集まった時点で

こちらからご入金先のメールをお送りさせていただきます。

それで、お申し込み完了となります。


*材料込みか、ご自身で用意される場合は材料なしをお選びください。
材料の発送は3月半ばごろを予定しております。

*図案はあらかじめメールにてお送りいたしますので、講習日までに布に写してください。

*ご事情により、当日にワークショップに参加することができなかった方には、
ご返金の代わりに、当ショップでのみ使うことのできるクーポン券を

配布させていただきますため、ワークショップ前日までにメールにてご連絡くださいませ。
(こちらをお選びになった際には、映像はお送りできませんのでご了承くださいませ。)


谷崎 聖子(たにざき せいこ)

伝統刺繍研究家、民俗衣装コレクター。
大阪外国語大学ハンガリー語科卒業後、
ハンガリー政府奨学生として2002~2004年までハンガリーのブダペスト大学フォークロア学科在籍。
2008年にルーマニア、トランシルヴァニアに移住。
現地の伝統刺繍ならびに民俗衣装を収集し、伝統刺繍の担い手を訪ね、研究をしている。
2012年から定期的に日本、台湾で展示会、刺繍のワークショップを主催している。
トランシルヴァニアの村に暮らす女性たちの手仕事を支援すべく、
展示会などで刺繍の作品を販売している。
クチュリエのイーラーショシュ、ビーズ刺繍、アウトライン刺繍など、
手芸キットの開発にも携わっている。
現地で手芸ツアーの企画、案内人としても活動中。
2021年より現地のおばあさんたちと一緒に本場の刺繍の楽しさを伝える、
「トランシルヴァニアから伝統刺繍を広めたい!」と題したオンラインワークショップを

企画している。

HP 「森の彼方-Transylvaniaへの扉」

著書 
文化出版局 「トランシルヴァニアの伝統刺繍イーラーショシュ」   
誠文堂新光社 「カロタセグのきらめく伝統刺繍 受け継がれる、

ハンガリー民族のきらびやかな手仕事」