こんにちは!
おかげさまで、開始初日からたくさんの方にご支援いただき、本当にありがとうございます!
本日は、前回に引き続き、応援してくださっている方からのメッセージをご紹介いたします。
日本を中心に各地の動物園を取材され、飼育員と動物たちの関係や、動物園・展示のあり方などに関する著作・講演・動物園ガイド、専門学校講師など幅広い領域でご活躍されている動物園ライター森由民様です。マンガ原作『ASAHIYAMA旭山動物園物語』(角川書店)をはじめ、『動物園のひみつ』(PHP研究所)、『ひめちゃんとふたりのおかあさん』『約束しよう、キリンのリンリン』(共にフレーベル館)、『日本で会える珍動物大全』エイムックなどの著作でご存じな方も多いはず。実は森様は、7年の長きにわたり当園のアドバイザリースタッフとして貴重な知見とアドバイスを頂き、『屠体給餌』の取り組みでも園内の牽引を頂きました。
森様からのメッセージをご覧ください。
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外部連携を行いつつの屠体給餌の展開、ここからさらに千葉市動物公園にとどまらない日本の動物園全体の新たな可能性が拓かれていくことをお祈りいたします。
屠体給餌は動物たちの生活を豊かにする取り組みですが、動物園批評に携わる者としては、あえて、わたしたち動物園を訪れる人間のためでもあると強調したいと思います。もとよりアトラクションとしてではありません。
動物園は「生きた動物を飼育展示する博物館」です。特に絶滅危惧種を含む、多くの野生動物がいるのが大きな特徴です。野生動物はそれぞれ固有の生息地を持ち、その環境にふさわしい進化をしています。それをあえて飼育展示する動物園は、動物たちを通して、わたしたちが他の生きものたちと同じ地球を分かち合っていることを伝えなければなりません。それでこそ、動物園は野生動物の飼育展示を特権的に認められることになるのです。
屠体給餌は、動物園で暮らす肉食動物たちの体の仕組みや能力・行動が、狩りをするようにできていることを気づかせてくれます。
さらには、食べられている肉の主である動物もまた、生態系の一部として存在していることが実感できるでしょう。かれらは、日本在来の動物たちでもあります。害獣駆除の問題を含め、わたしたちはかれらと隣り合わせに生きている意味を考えていかなければなりません。そういうきっかけをつくる場として、動物園は特別な存在であり得るのです。